見出し画像

【映画】半世界


『40歳目前、

諦めるのには早すぎて、

焦るには遅すぎる。』


年齢は数字でしかないけれど、


それでも
この言葉はずしりとくる。




私は歳を
重ねれば重ねるほどに、

選択するという事の
重大さが身に染みてきた。




時間は絶対に止まらなくて、


そんな当たり前な事は
わかっているけど


変えられない、
変わらないで
今に至る自分がもどかしい。



でもこの映画を通して、

そんな気持ちが
少し薄める事が出来たような気がする。




選んで歩いてきた道を振り返り、

これからの道を眺められる場所にいる時、


時々、
焦りが感じられる。



抱く焦りは
どこから来るのか…


それはきっと
ここにはいるけど
今にいないからかなと思う。





大きな世界から見た正論が、
自分の世界を苦しめる時って
あるけれど、



『難しいこと言うなよ』と

主人公から出た言葉が
私を頷かせる。




この世界には
広い世界を見ている人だけが、
生きているわけじゃない。



悩みや苦しみは
比べるものでもないし、


何かをやっているか、
やっていないかで
優劣もつけたくない。


そんな想いも、
受け入れてもらえた気がした。




仕事や友情、
親子と夫婦。


色んな関係から起こる問題への
葛藤はあるけれど、


どんなに、
悲しく辛くても、
日常は続く。


生きて死んでいく
人生の切なさが
儚いからこそ
美しさを感じられる。


だから、


これは希望の映画で、



誰かの為に静かにそっと、
流れた涙が、


映画を見終わった後、

自分への希望に変わる気がする。

男3人の友情や葛藤から、
そこに取り巻く人物達が皆、
魅力的な映画だったけれど、

その中でも
主人公の妻を演じる
池脇千鶴さんの存在感がとても良かった。

ご飯を食べる姿、
反抗期の息子を叱りつける姿、
庭で花を愛でている姿。

どの姿も魅力的。

そして、
ここで生きていくという覚悟が
一番強く感じられた人物でもあった。


どんなに喧嘩をしても、

夫と、
その夫がしている仕事を誇りに思っている事も、
言葉が無くとも伝わってくる。

優しくて強い女性。

そんな女性が出てきた事も、
この映画の大きな魅力だったのかも。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?