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ザクザクのごつごつのスコーンが好き。

フードプロセッサーを使えば
一瞬で生地が作れるスコーン。

粉に冷たいバターを入れて
スイッチオン。

それがボロボロのそぼろ状になったら、
冷たい牛乳を入れて、またスイッチオン。

生地がまとまれば、
一旦冷蔵庫で冷やし、型抜きし、

それをまた冷蔵庫で冷やす。

それは前日までにしておいて、

翌朝オーブンへ。

冷蔵庫で寝かせるのは、
生地の負担を減らすため。

出来上がったばかりの生地や、型抜きした断面には負担がかかっていると思うので、
一晩休んでもらう。笑

これ、本気で思っています。

いつでも生地には優しくいたい。笑

時間が無ければ、その日は焼かない。

それ位、スコーンには
このおやすみタイムが大切だと思っています。

実は何年か前にフードプロセッサーが壊れてからは、私はフードプロセッサーを使わずに
自分の手でスコーンを仕込んでいます。

以前は一瞬で終わっていた作業が
今は何倍もの時間がかかっています。

粉の中で冷えたカチコチのバターを手で合わせる作業は、時々指が吊りそうになる。

でもだんだんと粉とバターが馴染み、
それがうまく合わさった時の粉のふかふか感は、
機械を使っていた時には味わえなかったもの。

粉は北海道産の全粒粉です。
ザクザクの食感になり風味も豊か。

お砂糖は種子島のもので安心の琥珀色。

卵は使用していないので、
ザクザクになるのはこれも秘訣のひとつ。

バターは発酵バターを使用し、

寝かしておいたスコーンを
朝一でオーブンへ入れて、

焼き上がる頃には、
店内は幸せの香りに満たされる。

少し前に新作の黒糖スコーンも登場しました。


友人から西表島の黒糖の塊をもらって、
何に使おうか決まらずにいたのですが、

得意の妄想で黒糖のスコーンを作ったら美味しかったので、早速商品化しようと試行錯誤。

右が黒糖のスコーンです。

無事に美味しく完成したのですが、
黒糖の塊が仕込む時にまた手強い。

包丁で小さくして、
ジップロックに入れて綿棒でごりごりと粉状にするのですが、そこまでの道のりが長い…

なんてったって
うちにはフードプロセッサーがありませんからね、手でやるしかありません。

でも効率が悪いであろう
こういった仕込みが私はとても楽しいのです。

粉の感触や香り、
だんだんと変化していく様。

機械を使えば、
もっと数が作れるでしょう。

でも自分の手で仕込める範囲で私はとても満足で、

自己満足でも隅々まで気持ちが込められる様な気がしています。

誰かが美味しいよと宣伝してくれて、
新しいお客様が足を運んで下さったり、

決まった日に必ず来店されるお客様がいる程に、

手で仕込み始めてからの方が
お客様を惹き付ける力が断然強くなりました。

全部買ってしまったら、
他のお客様に申し訳ないからと、
気を使って数個残して下さる優しい方も、笑。

これはもうタイミングなので、
買いたいだけ買って戴いて良いのだけれど…

なんだかその思いやりもありがたい。

売り切れたらごめんなさいで、
また来ますねの
次がある喜び。

今朝も美味しく割れ目が出来て、
私はそれだけでご機嫌で、

そうするとスコーンは気持ちよく売れていく。

もっと歳を重ねたら
スコーンと飲み物と数種類のケーキを作るだけの
シンプルなお店も良いなと思ったり。

素敵なスコーンおばさんになれるように、
まだまだ私には精進が必要なので、
毎日想いを込めて仕込むのです。

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