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簡単に作る術を知らない。


日本を代表する陶工• 河合寛次郎さんが訪れた村の人に
簡単なもので良いから蓑を作ってほしい。
とお願いした際、

その村の人は
「私には簡単に作る術を知らない。」
と答えられたそうで、

その言葉に河合寛次郎さんは
感銘を受けられたという…

そんなやり取りを映す番組をご覧になられたお客様が、

その村の人の言葉で私を思い出して下さったそう。


私もこんな事をよく言っていて。

お菓子つくりは簡単でもなく
得意な事でもない、と。

ショーケースに並ぶケーキや
お店の中の焼き菓子を見ては、

自分がお菓子を作っているなんて
本当に信じられない。

粉とバターと牛乳でがこうなるって
不思議スコーン。


二度と同じ模様は現れない一期一会の出合い。


今はこの焼きっぱなしの
バターケーキ作りが楽しくて。

金柑とカマンベール。



国産メイヤーレモン。


得意だなんて思った事はなくて、
でもアイデアは生まれてきて。

その瞬間の心の踊りようったら、
抑えることは出来ないから。

だからそれを表現する為に、
一生懸命に身体を動かす。


私は小麦粉は作れないし、
お砂糖もバターも作ろうとは思わない。
卵も産めないし、木の実だって作れない。

だからその材料の末端に居る私が
材料を使わせて頂くというスタンスで。

一生懸命に自分を動かす。

目の前にある
材料や道具を作ってくれた人や
運んでくれた人への感謝の上で答えを見つけていく。

自分の美味しいを探し、
答えを見つけるのは
簡単ではないので。

だから同じように美味しいと思ってくれる人達と出会えたら
喜びでしかない。

その喜びから、
また新しい何かが生まれるので、

だからきっと私は、
簡単に作れるようになったら終わり。









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