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樋口聖典というワイプ芸人

COTEN RADIOを聴いている。
出会いは遡ること2019年、知り合いの「COTEN RADIOおもしろいですよ」の一言から始まったような気がする。
2019年といえば転職、それから2020年からのパンデミック、BTSとの出会い…とにかく毛色の違うイベントが目白押しだったため継続して聴く機会を失っていた。

さて、先日警固の立ち飲み居酒屋でのCOTEN RADIOの話がきっかけとなり再び拝聴させていただくに至った。

未聴エピソードからランダムに『チンギス・カン』のエピソードを聴いてみる。
あーそうそう!こんな感じだったわ。相変わらず面白い。つか遊牧民の話面白すぎる。

しかしまあ、わたしごときが言うのもおこがましいが、やはり樋口氏の功績は大きい。
聞き手として我々リスナー側の反応を十分に代弁している。

内容を完全に理解し興奮している時は饒舌になり、複雑な内容のため自分の中で線が繋がっていない時は「はぁ…」「うん…」と漏れ出る程度の反応。素直。

こういう素直な反応がまさに我々リスナーとリンクしているので、終始淡々と、しかしリズムよく話し進める深井氏・ヤンヤン氏との対比が耳に心地よい。

しかしモンゴル回、わたし的にここがクライマックスだった。

遊牧民が首都機能さえも移動し続ける、という類の話の時に、すかさず樋口氏の放った

「落ち着き無いっすね!!」

このとき謎の感動を覚えた。

チンギス・カン、ひいては遊牧民に対して「落ち着きないっすね!!」と言い放った人間がこれまでにいただろうか。たまらんかった。

深井氏とヤンヤン氏は真っ当に事実を伝えているだけなのに「落ち着きないっすね!!」の瞬間、彼らが完全にボケに回ってしまったことに対しても、謎の感動を覚えた。

繰り返すが、COTEN RADIOにおいて樋口氏の"ワイプ芸"のもつ意味は非常に大きい。

深井氏とヤンヤン氏の勉強量と、その中から得た複雑な内容を恐ろしいクオリティでまとめ上げそれを伝えるスキルにはそもそも脱帽なのだが、そこに彩りを加えているのは間違いなく樋口氏だ。

わたしはチンギス・カンの回を車の運転中に聴いていたが、
「落ち着きないっすね!!」に感動しすぎて、右折を逃した

この一言のせいで多分わたしは本来進むべき道を逃したわけだが、「あの時右折をしなかったことで、その後の人生に影響を与えることになる」のかもしれないが、それを語るのは時期尚早だろう。

落ち着きないっすね。


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