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第6回アドラーゼミで学んだこと


今回の研究会で一番印象に残ったことは、グループワークで学習する本来の目的です。

作業を効率的に進めるには、全体の作業を細かく分け、それぞれのパートを得意分野の人が作業するのが効率的に作業を早く進めることができます。
これを役割分担と言います。しかし「学習する」という側面ではデメリットが生じてしまうのです。

どういうことかと言うと、グループワークで得意分野を担当してしまうと、役割が固定してしまい、その役割以外を学習する機会を失います。また、得意分野を持たない人は、役割から離れてしまいフリーライダーを生んでしまいます。更には、コミュニティー崩壊の原理を知ることにもなるのです。

例えば、何かグループワークで話し合って、プレゼンを行うとすると、話すことが得意な人が発表し、書く人が得意な人が模造紙に書き、アイディアを出す得意な人が考え、人をまとめるのが得意な人が毎回リーダーをすると、役割が固定して、それ以外を学ぶ機会を失うということです。またそのどれもの役割が苦手な人は、自分の役割を失うことで自信も失い、のけものにされたと思うかもしれません。こうした関係は、効果的なプレゼンを行うという意味では良いかもしれません。しかし、新たな学習機会と良い人間関係の構築という意味では効果はないのです。

では、どうすればよいのかと言うと、アドラー心理学の目標の一致を図ることです。言い換えると目標をすり合わせるということです。それには最初に信頼を築くことが大切で、心理学ではラポールと呼びます。このラポール形成をしたあとに、目標の合意を取って、課題を分担するのです。この時の目標(成果)は課題を解決することではなく、信頼関係を持った良いコミュニティーをつくり、新たな知識と技術を学ぶ、貴重な体験を経験することなのです。

向後先生は、「体験としてはリッチなものになる」と仰っていました。目標のゴールの設定を成果なのか体験なのかの違いかはあります。しかし、人に与える学習効果は後者の方が圧倒的にあるのではないでしょうか。

これは向後先生の授業での目標設定です。しかし、様々な場面で、教師、コーチ、指導者に求められる資質だと思います。

最後に、アドラーが科学を捨ててまで、「共同体感覚」という思想・理念を取り入れたのは、アドラー先生の目標のゴールは、全てのコミュティーの関係性を良くすることだっだのではないかと思いました。それには、それぞれの特性・個性・思想を課題の分離して効率的に配置するのではなく、それぞれの特性・個性・思想を理解するための体験を経験することで、結果として相互理解に役立ち、本来の共同体感覚に向かうのだと思います。

今回のゼミは、最高にリッチな体験ができました。向後先生ありがとうございます!



課題の分離の問題点

役割分担のメリット・デメリット

得意な

グルーブワーク学習の本来の目的

アドラー心理学の目標の一致

心理的安全が大切

素直な感想



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