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【読書】『ナショナル・ストーリー・プロジェクト一①、②』 ポール・オースター編 柴田元幸 他 訳

今年5月に『肩をすくめるアトラス』(アイン・ランド 脇坂あゆみ訳)を1ヶ月かけて読んだ。
難行苦行といっていいくらい苦しんで読んだ。
作者がアメリカで聖書の次に読まれている、と帯に書いてあったこと。
「資本主義」(民主主義ではない、ここ勘違いしやすい)とは何かということを知りたかったこと。
年取ったものが読めるか、というチャレンジ。
本によっては冒頭をちょっと読んで積読(つんどく)にすることもあるけど、この本はチャレンジだった。
結果は途中まで丁寧に読んだけど、最後は斜め読み。
あらすじだけはわかりました。
こういったハードな本は若いうちにチャレンジしないとダメです。

『肩をすくめるアトラス』を読み終えたあと、本が読めなくなった。
理由はわからないけれど、読み続けられないのだ。
一度読んだ本を拾い読みする程度。
そして、もう一度読み始めるための本としてこの本を選んだ。

『肩をすくめるアトラス』はアメリカの資本主義の王道を描いた本だと思う。一方、この本はアメリカの市民の声を集めた本である。
資本家対労働者といった比較ではなく、比較対象にならないのだ。
前者はフィクション、後者はノンフィクション。
ポール。オースターがラジオで「あなたの物語を教えてください」と呼びかけた結果、集まった物語があまりに素晴らしいので出版された。

僕らが映画やらテレビやらでみる大きな声のアメリカ人は本当に一部の人だ。
彼らの裏には見たことのない大勢の人がいる。
この本はこういった大勢の人の小さな声だ
そして、この小さな飾られてない声(編集の手は入っているみたいだけど)が半ページから数ページにわたって続き、それがいくつも集まっている。
不思議な話、やさしい話、やさしくない話いろいろある。
だけど、この本を読んでクスッと笑ったり、ホロっとしないことはない、と断言できます。

まずはリハビリ完了、また読書の海へつかっていくことができます。

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