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【読書】『ユートピアの裏側で −コムナルカとソ連の記憶』 鴻野わか菜+本田晃子+上田洋子 ゲンロン13より ゲンロン (2022)
かつて「ソビエト連邦」(ソ連)と呼ばれ、多くの共和国で構成され、共産主義の総本山であった国が、1991年に崩壊し、「ロシア共和国」となった。 今回は、「ゲンロン13」という評論誌の中で、ソ連時代にあった共同住宅「コムナルカ」について、3名の討論を読んで考えたことを書きたい。 「コムナルカ」は、次のように紹介されている。 「ソ連時代のはじめに、帝政期(注:ソ連は1917年ロシア革命によって帝政が崩壊して成立した)に貴族や商人の住宅だった建物を国有化して作られた、都市の労働者