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「わが家のスケジュール」を作るコツ

子どものねんねには色々情報があって、月齢ごとのサンプルスケジュールをみかけます。それを見てどう思われますか?「この時間には予定があるからこの通りにはできない」「毎日これは無理じゃない?」など、そのまま取り入れるのが難しケースも少なくないように思います。

まずは知ってほしい子どもの睡眠に関する時間の指標2つ

家庭ごとに家での過ごし方や予定が違うのは至極当然のことなので、今回は自分で「わが家のスケジュール」が組み立てられるようになる指標2つ、お伝えします。


指標1:子どもが1日に必要な睡眠時間

大人が7−8時間寝るといいよと言われているように、子どもにも推奨睡眠時間があります。昼と夜と合わせて1日トータルで寝てほしい時間です。夜通し寝る時間ではありません。
先に断っておくと、出典によって時間の誤差が結構あります。それは適切な睡眠時間を測るってめちゃくちゃ難しく、それぞれの研究の背景が異なることが原因です。どれが正しくどれが違っているということではなく、睡眠時間だけで睡眠の良し悪しを決めるのは難しいという意味です。

なので、この時間はあくまで目安。だいたい範疇に収まっていて1日通してご機嫌なら十分な睡眠が取れていると判断してよいと思います。
睡眠トラブル(夜間の頻回起き、寝付きが悪い、夕方以降のぐずりが酷いなど)が見られる場合はトータルの睡眠時間が足りているか確認してみてください。

睡眠時間が足りているかどうかの判断は、時間ではなく目の前の我が子の様子を見て考えるのがベストです。

新生児:16−20時間
3ヶ月:14−15時間
6ヶ月:13−14時間
1ー3歳:11−12時間
3−6歳:10−11時間

参照元:https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf

0ー3ヶ月    :14−17時間
4ヶ月ー1歳2ヶ月:12−15時間
1歳3ヶ月ー3歳 :11−14時間
4ー5歳     :10ー13時間
出典は以下の本から


どうでしょうか?思ったより睡眠時間が必要なのね!とお感じになる方が多いのではないのでしょうか?

そういえば我が子の睡眠時間ってよくわからないな?という方はメモでもアプリでもなんでもよいので1週間ほど記録を取ってみてくださいね。
ぐずりがちな時間帯と睡眠時間の相関が見えてくるかもしれません。

指標2.ご機嫌に過ごせられる時間

大人は朝から夜まで起きていられるけど、こどもは途中休憩(朝寝・昼寝・夕寝)が必要です。
例えば生後6ヶ月で1日約14時間寝るよという場合、夜6時に寝て朝8時に起きればよいというわけではありません。朝、昼、夕寝をはさみつつトータルで約14時間です。
この「朝起きる〜朝寝、朝寝起きる〜昼寝、昼起きる〜夕寝、夕寝起きる〜夜の就寝」の起きている時間の目安が示されています。「活動時間」と呼んでいます。

0ー1ヶ月     :ー40分
1−2ヶ月     :40分ー1時間
2−3ヶ月     :1時間ー1時間20分
4−5ヶ月     :1時間20分ー1時間30分
6ー8ヶ月     :2時間ー2時間30分
9ヶ月       :2時間30分ー3時間
10ヶ月ー1歳2ヶ月:3時間30分ー4時間
1歳3ヶ月ー1歳半 :4時間−6時間
1歳半ー3歳    :6時間
4−5歳      :5時間ー12時間

上記参照元は上記の愛波文さんの著書です

活動時間も出典元によって誤差があり、「私が見たやつと違う時間だわ・・」とお思いになるかもしれません。この理由は先程と同じです。時間だけでご機嫌に過ごせる時間かどうかの良し悪しの判断が難しいということ。
活動量や体調、気候などで活動時間は変動します。朝と夕方で違うし、暑い日は疲れやすいし、昨日と今日とで違う場合もあります。

何が言いたいかというと、活動時間に縛られすぎる必要はないということです。もちろん目安にはなりますが、我が子がその時間ぴったりに眠たくなるかというとちょっと違う。子どもが活動時間より前に眠そうだったら寝かせてあげて大丈夫。

活動時間の使い方はこうです。
例えば生後9ヶ月の子が朝7時に起きたら活動時間2時間半を過ぎた朝9時半〜10時頃が朝寝開始の時間になります。
この時間を目安に子どもの眠い合図を確認すると、スムーズに寝かしつけができます。眠たくない子を寝かしつけるのは至難の技なので、身体が眠たいかどうかは非常に大切です。

朝の起床が決まって、活動時間がわかれば、だいたいの1日のスケジュールがたてられませんか?
朝の起床時刻を整えるのが非常に大切な話はこちらから


そんな机上の理論ではうまく行かないぜ!なQ&A

これらの時間を見ても、なかなかうまく落とし込めない理由がこれから述べる以下のものだと思います。本やネットには「アイディア」は載っているけど「これが正解!」はありません。ご自身が、ご家族が、どうありたいかをまずしっかり定めることが大切です。そんなわけでQ&Aもケースバイケースなのでざっくりです。
まずは、ゆるーくでいいので考えてみましょう。
考えるのが大変!な人は、無理せずコンサルタントと一緒に考えてもらいましょう。

Q.ちょうど寝る時間とどうしても外せない用事が重なるんですが

例えばきょうだいの送迎などで、どうしても外せない予定、ありますよね。
その場合は例えば移動中に寝かせる、速やかに予定を済ませて寝かせる、前後の就寝を少し長めに取るなどの工夫で乗り切ります。
まず、大人が「どうしたいか」を軸に考えてみましょう。
寝てくれたら嬉しいなぁと思うなら移動中に寝れるような工夫を施す
あとちょっとー!なら刺激を与えるなどシチュエーションと希望によって内容は様々です。

ここで気をつけたいのは「寝てほしいのに寝ない」「寝てほしくないのに寝てしまう」というのは往々にして有るということです。何事も親の意のままには進みません。
なのでもし寝なかった場合の「プランB」を頭の片隅に置いておくことも大切です。
これがあるのとないのとでは、子どもへのイライラ度が変わってきます。
寝かせる努力と同じくらい寝なかったときの対応について考えておく必要があるでしょう。

Q.おでかけした日はどうしても睡眠時間が短くなるのですが

おでかけ、しますよね。予定、ありますよね。親と楽しく過ごす時間は、子どもにとっても幸せを感じられる大切な時間です。ぜひ睡眠時間のことは一旦横において、楽しい時間を過ごしてください。

じゃあどうするかというと、
・できるところで早めに多めに寝かせる
例えば日帰りのお出かけなら、夜帰ってきたらいつもより早い時間に寝かせる、活動時間関係なく移動中寝たら無理に起こさず寝かせるなどです。
何かで寝落ちするのはかなり疲れている証拠です。少しでもエネルギーチャージできるようにしてあげてくださいね。

・1週間単位で睡眠時間を調整する
子どもの睡眠時間が足りない状態を大人に例えると、「残業して疲れている」状態とイメージしてください。月曜日に遅くまで残業して疲れたら火曜日どうしたいですか?早めに休みたいですよね。残業超過にならないよう、予定のない日はゆっくり過ごす、普段より長く寝かせてあげるなど調整を試みてください。

お出かけした日で日中の睡眠時間が少ないと夜泣きの可能性が高まります。夜泣いても「あら、おでかけ楽しかったのね」と受け止めてあげてくださいね。疲れすぎて泣いている状態です。翌日みんなでゆっくりしましょう。

おわりに

いかがでしたか?今日は子どもの睡眠時間の指標2つをお伝えしました。これらの時間をもとに、ご自身で、ご家族でアレンジをしてこその「わが家のスケジュール」です。
子どもが「あと30分で眠たくなります!」とか言ってくれないので一発でベストなスケジュールはどうしても作れません。子どもの様子や親の心地よさを確認しながら試行錯誤してくださいね。
もし眠いタイミングを逃してしまったとしても「ごめんごめん、ちょっと起きる時間長くなっちゃったね〜(活動時間オーバーしちゃった)今から沢山寝ようね〜」って笑顔で受け止めてあげればOKです。
ずっと眉間にシワよせて時計とにらめっこして活動時間を意識しているより、多少時間がズレたとしても、親が子どもの目を見てニコニコしている方が子どもはきっと嬉しいはずです。

この時間の目安を知れるメリットは「なんでこの子泣いてるのよ!」という泣きの理由がわからないことへのいらだちが軽減されることだと思います。
「あー、それなら仕方ないわ」と割り切れる理由があるって、だいぶ心の負担を軽くしてくれますよ。

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