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毎日をサプライズデートにしない

若かりし頃、デートをしていた頃を思い出してみてください。
まだ未体験という方、もう思い出せないという方は、全力で妄想してください。

次回のデートの日が決まると、お相手の方と何をしていましたか?
「なにする?」と話し合いをしてなんとなくの行程を決めませんでしたか?
お互いの行きたいところや食べたいものなどを出し合い、プランを決めるようなこと。例えばこんな感じ。

○時に駅に集合→大ヒットの映画をみて→前から気になっていたお店でランチを食べて→2人でショッピングを楽しみ→ディナーを食べ→解散

お店や詳細の時間までは決まってなくても、なんとなく流れは決めること多くないですか?
デートに限らず友達と1日過ごす時も同じような感じかなと思います。
流れが決まっていると、事前に用意する服装や持ち物も万端にすることができますし、
このあたりでお手洗い行っておきたいな、とかデート中の不安も潰しておけますよね。

サプライズデートは嬉しい反面、不安がつきもの

ある日、こんなことがありました。

「プランは全部任せて!とりあえず○日の○時に駅に集合!!よろしく!」

あなたは「お、OK!」と、快諾したものの、ちょっと不安なはずです。
「どこに行くのかな?誰がくるのかな?えっと・・・何着ていけばいいんだろ?」
「持ち物はどうかな?お金は・・・どれぐらい?」

不安なままとりあえず精一杯のオールマイティーな格好をして、とりあえずお金も困らないようにして、言われた通り集合します。

いざ集合した後、お相手はとびっきりのおもてなしをしてくれ、あなたは嬉し楽しいサプライズに喜んでいます。しかし、気持ちのどこかで「次の行程」に関して多少の不安がちらついているのではないでしょうか。

次何がおこるかわからない。自然災害に突然遭遇するような不安とはまた違った次元の不安があるはずです。
お相手の方を全面的に信頼していたとしても、次行くお店がどんな場所か、どうやって移動するのか、何をするところなのか。
例えばこの先長距離の移動があるならお手洗いを済ませたいし、このあと数時間飲食ができないならここで食べておきたい、など多少なりともあなた自身の希望もあるはずです。

全く予測がつかないというのは、手を繋いでくれる存在がいたとしても暗闇を歩くような不安がつきものです。

一方で、
「今日はディズニーランドで思いっきり遊ぶよ!全部予約してあるからついてきて!!内容は秘密だよ!」
と言われたらどうでしょう。
ディズニーランドの中限定で何かのアトラクションやイベントに参加するということなので、次はミッキーに会えるのかな!と逆にワクワクにできるかもしれませんね。これはとっても楽しいサプライズデートになりそうです。

これも「たまに」だから楽しめる側面もあると思いませんか?
毎週毎週ディズニーランドでサプライズデートもドキドキがたくさんで、すごい体力と気力を消耗しそうです。いわるゆる「お腹いっぱい」ってやつ。

サプライズデートは、ある程度限定された中だからこそ、楽しい。
毎日はちょっと勘弁してほしい。

そして、何も知らされない超サプライズデートは、不安になる

子育てとサプライズデート・・?

話が少し変わりまして・・・

子育てをしているとこういうこと、よくありませんか?
「あー今日は先にお風呂にしちゃお!
「あ、もうこんな時間!とりあえずご飯食べておこうか!」
「さっきシャワーしたから今日はお風呂いいや」

日常茶飯事ですよね。これは子どものことを一生懸命考えて行動している証です。
寝て欲しくない時に寝てしまったり、お腹が空きすぎて癇癪が起きてしまったり。それを回避するための、臨機応変。
毎日、本当に、お疲れ様です。

子どもの安全地帯とは

少し、子どもの目線に立ってみましょう。
まずは乳幼児の見通しが立てられる力について知る必要があります。

乳幼児期は、1日の見通しがつけれるだけの思考力を持ち合わせていません。
なので、普段「お風呂→ご飯」の流れだけど今日だけ逆の順番にした時に
「あ、今日はもうお腹空いているから先にご飯なんだな、じゃあこの後お風呂かな」
など推測して考えられる力は持ち合わせていません。

もしお風呂上がりに毎日パジャマでご飯を食べるものと子どもの中で関連つけてインプットされていたとしたら、
「なぜ今日はご飯の時にパジャマじゃないのぉぉぉぉぉおおおお!」と泣くことがあります。

そう、子どもは「毎日同じ」に執着する生き物です。

なぜでしょうか。

子どもが生まれてきたばかりの世界はこれまでの胎内とは全然違い、未知の惑星に準備なし&単身でやってきたレベルに非常に不安が大きい状況です。
その中で温かく接してくれる人やいつも側にあるもの、いつもと同じ流れで行われる部分に対して少しずつ安心感を抱き、その「いつもと同じ」が安全地帯にもなっていくのです。
その安全地帯が出来上がってこそ、子どもは自由に伸び伸びと過ごすことができます。

たとえ自宅でいつもと同じように過ごしていたとしても、「家具を新調した」「ママの髪の毛を切った」など大人にとっての些細なイベントが子どもにとっては安全地帯が崩れるレベルの出来事になりうるのです。

大人にとっての「別にそれくらい」「だってしょうがないじゃん」が子どもにとって「超一大事」であることがよくあります。

まず、大人がこれを知っておくことが大切です。

じゃあ毎日同じように過ごさないといけないのか

では、安全地帯を崩さないために、何があっても「毎日同じ」に固執した方が良いのでしょうか。

答えは「否」

子どもにとって今日ご機嫌に快適に過ごせる方法がいつもと違う方法なら、ぜひそうしてあげましょう。本能が満たされていてこそのご機嫌快適です。
できるだけ毎日同じに近づけようと頑張ったって、お出かけした日やイベントがあった日まで徹底するのはとても難しいです。
このとき、安全地帯を崩さないためのポイントが1つあります。

「伝える」

ちゃんと事前に予告をして、サプライズデートのサプライズ部分を可能な限り小さくしておくのです。
「今日は少し時間が遅くなってしまったから先にご飯を食べようね。終わったらお風呂に行くよ。」
ご飯のときの服装などに執着があるとわかっているならその部分が子どもにとっての安全地帯。しっかり伝えます。
「今日はお風呂の前に食べるからお洋服はこのままだよ」
先にご飯だからパジャマではないというところまで推察できる力はありません。

ご飯中も、「食べたらお風呂に行こうね」
と次の行動を伝えておくと良いです。
ご飯中に「そういえば今日はこの後お風呂だね」などと記憶できる力はありません。
今、目の前にあるご飯に全力集中しているので、1回話したことをずっと覚えていてくれることは殆どないと心得ておきましょう。

イラストなどで行動がイメージできる幼児さんにはお支度ボードなどを活用して流れを伝えるのも効果的です。

そうです。
毎日同じ=ルーティーン
毎日違う=サプライズ

ルーティーンはねんね以外にも有効

あれ、今日はねんねの話じゃないの?と思われるかもしれません。

ねんねルーティーンってとっても大事だよというのを見かけたことがある方もいらっしゃるかと思います。

ねんねルーティーンとは入眠儀式と呼ばれるもので、毎回同じ流れの儀式を行うことで心と体にねんねを知らせスムーズな入眠を促すもの

そもそもねんねルーティーンにすんなり入れないというお声を聞く機会も少なくないのです。
そして、ねんねに困っている/いないにかかわらず、子どものぐずりの対応にお困りの方も多いのではないかと思うのです。

起床時間や食事の時間が安定してきたらねんね以外(毎日必ずやること=着替えや食事や歯磨きや排泄など)もルーティーン化してしまうと良いでしょう。

ルーティーン化は大人にもメリットが

「毎日同じ」は大人にも大変効果的です。思考を使わず同じように動くだけなので例えば食事とお風呂の2つをこなしたという結果が同じでもその疲労度はかなり違います。

毎日のルーティーンがない場合をイメージしてみましょう。

えっと、、今日は先にご飯だからお風呂の準備を後でやらないとだわね、あ、コップが倒れて牛乳が〜!あぁ雑巾持ってきて・・着替える?あ、いやこの後お風呂だから・・・。あ!!お風呂のスイッチ押さないと間に合わないわー!!

と思考と選択が永遠に続きます。

逆に、流れが決まっていてそれに慣れていると
ご飯を準備したらお風呂のスイッチを押して、、と決まった行動を淡々とこなすことができます。牛乳がこぼれたシーンだけ思考と選択をします。使用エネルギーを最小限にすることができるので、とっても省エネなんですね。
大人のエネルギーが残っていると、子どもへの対応にも余裕が生まれるので、ご自身の残りライフにも気をつけてあげると良いですよ。

もし、あなたが子育ての傍で家事が思うようにいかずイライラしてしまうならば、
何かルーティーン化できるものはないかと考えてみるのも一手です。
それどころじゃないぐらい子どもに翻弄されているのならば、日中のねんねを整えてみる選択肢はいかがでしょうか。

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