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トイトレとは究極の習慣の変更

こんにちは。ねんねコンサル✕おむつなし育児アドバイザーのゆうこです。
今日は「読むおむつはずし」として、トイトレについて考えてみたいと思います。お子さんがおむつを履いている方でしたら、きっとトイトレの見える世界が変わると思います。

ある日突然起こる習慣の変更をイメージしよう

あなたの利き手はどちらですか?
右ですか?左ですか?
お箸は右で鉛筆は左っていうハイブリッドな方もいらっしゃるかな。

もし、
「今日から反対の手でお箸を持って、こぼさず食べて。小さい豆もちゃーんと掴んでね」

って言われたとしたらどうでしょうか。

私は「え、やだ、ちょっと(というかだいぶ)無理」って思います。言います。どうにかして利き手を変えずにやれないか考えます。
なんなら、見てないところでこっそり利き手で食べると思います。

だって人生ウン年、ずっとずっと利き手で食べてきたじゃない?
誰も何も言われなかったじゃない?
なんで今から変えなきゃならんのよ。

って感じしませんか。

お箸じゃなくても「信号が赤になったら進んでね、アクセルとブレーキは逆だよ」とか、これまでの常識とは全く違うことが行われることであればなんでもいいです。イメージしてみてください。

この、
私の人生誰も何も言わなかったじゃない、どうして今日から変えなきゃならんのよ

という理不尽が起こるのが、トイトレです。
成長に伴い自然とできるようになるというよりは、習慣をガラっと変えることだと思っています。

トイトレってどういうことをしてる?

トイトレはずっとずっとおむつを履いてきた子が、ある日を堺にパンツにして、お漏らしが許されず、トイレで排泄することを訓練させられるものです。

そりゃね、産まれてからその生命を終えるまでずっとオムツを履く子は少数だわ。みんなトイレでしてるしさ、トイレでできるようにしなきゃならないわ。

でも、こどもはそんなことを知りません。だって、24時間おむつを履いてそこに排泄をし、時折交換するっていう生活しかしていないのだから、トイレでするとかおむつを脱いで排泄するとか、そんなことは1ミリも知らないのです。

この何も知らない新しい常識を習慣づけていくのがトイトレです。
知っているものをできるようにするというよりは、もう、知らない惑星にやってきて生活するようなインパクトがあると思っています。

トイトレがこじれるのは、大人の常識だけで話が進んでいくから

トイトレと聞くと「大変っっっ!!」というイメージを抱く方が多いです。それは、トイトレが「大人の思ったとおりに進まないから」です。どうしても私達大人を主語に語ってしまうことが要因だと考えています。

トイトレあるあるを少し解説してみましょう。

①何度注意してもお漏らしする。

→ずっとおむつに排泄していたこどもがパンツを履いた瞬間に排泄コントロールができるようになるわけではありません。漏らしたくて漏らしているのではなく、自分の意図しないところで出るのです。あなたが怒ることでおもらしが減るわけではありません。

②トイレに座っても出ない

→トイレに座って出るようになるのは、自分で膀胱や肛門の筋肉をコントロールできるようになってからです。トイレに座りたがることがトイレでできるようになるサインではありません。(トイレに行きたがる行為自体は、「トイレの模倣をしている」ところで排泄はトイレでするらしいことを理解し始めたことを示しています。トイレと仲良くなるステップと理解し、座らせてあげましょう)

③トイレに誘っても来ない

→こどもは大人が思っている以上に「今」に全集中しています。あなたがまばたきさえも惜しいほどに真剣にラスボスと戦っている最中に「ねぇ〜」って言われても耳に入れたくないでしょう。それがもし、めちゃくちゃ大好きな芸能人がすぐそこに来ているよ!!って言われたらまた反応が違ったり。声掛けのタイミングやそのトイレに行くことへの(こどもにとっての)メリットがきちんと明確である必要があります。
→もうひとつ考えられるのが「トイレが怖い」です。トイレでしなきゃならないことを理解している、自分の排泄がある程度コントロールできる、でも、安心して排泄できる場所がない。
だって大人だってすごく怖いところで排泄できないでしょう。こどもも同じです。大人のトイレ怖くないから大丈夫、はこどもにそのまま通用しません。

じゃあトイトレはどうしたいいのか

じゃあトイトレは何をしたらいいのか。「こどもの排泄に寄り添ってほしい」のです。これまでおむつを履いて過ごしてくれたおかげで我々の生活は随分と快適に過ごすことができました。ただ、この先いつかはこのおむつを卒業しなくてはならない。
だから、こどものペースやこどもの気持ちをしっかり汲み取ってほしい。
じゃあ親が全犠牲になればいいのか?といえばそうではなく、親のサポートがあって初めてこどもはおむつを卒業できるので「歩み寄りの二人三脚」の心がけをぜひ。
つまり、トイトレ中で普段ならパンツを履いている時間でも、「今日は余裕がないからオムツでお願い」と言っていいのです。
こどもひとりががんばるわけでも、大人ひとりが辛い思いをする必要もない。
少し、できることをご紹介しますね。

おこさんの月齢が小さい場合

このまま将来訪れるトイトレをただただ待つしかないのでしょうか。
いいえ。今だからできることがあります。
それは冒頭の例で言うと、利き手を両方にすることです。

どういうことか。
おむつの排泄と、おむつの外の排泄と、両方経験しておくのです。
まだ動きが活発でない赤ちゃんはおむつを開けておくだけでいいです。
動きが出てきたお子さんは、親の余裕がある時であれば、おむつを履かせずに綿パンツ等で過ごすのもいいです。
オムツを替えようと確認したときに出てなかったらちょっとトイレに座らせてみるでもいいです。
自分の身体から何か出るらしいこと、排泄する場所はオムツだけではないらしいを早いうちから学ぶ機会を設けるのです。
それを繰り返すことで「このお腹の不快感はなにかが出ることのようだ」「ここに座って出すといいらしい」とようやく理解できるようになります。

これが自分で理解できていると、利き手じゃない方の手が少し慣れてくるので、本格的に利き手を替えるときの躓きを小さくしてくれます。

もうトイトレを始める年齢のお子さんの場合

まず、おむつに全力で頼ってきた分、排泄の本能はだいぶ眠ったままであると理解し、自分の身体から何が出ているのか、それはどう言うときに出るのかを、こども自身で試行錯誤・実験・経験をする時間が必要です。
それはすなわち、お漏らしの経験ということなのですが…

そんなの無理だよという方は
①おむつをこまめに取り替えましょう。
出る→濡れる→不快→取り替える→快適
の一連を繰り返し行うことで出たら何が起こるのかをオムツを履いた状態で学ぶことができます。
ただし、おむつの性能がいいのですぐ乾いてしまう。気持ちはお漏らしを発見してすぐ替えるぐらいの気概を持っていただくと効果的です。

②漏らしてもさほど気にならない場所で行う
お風呂場で水(お湯)遊びをする時など「ここで出てもジャッと流せばよい」
とか、ラグなどがないお部屋で遊ばせて「漏れてもチャッと拭けばいい」ような環境を先に作ると、親の心身の負担を下げることができます。

ずっとやるなんて不可能すぎるという方は
まず5分でもいいし、パンツ1枚でもいいし、とにかく短時間でもしっかりお子さんの排泄と向き合うだけで、排泄感覚を少しずつ取り戻すことができますよ。

トイレをトレーニングするのではなく、利き手を変える練習を重ねる。練習を重ねて習慣にする。
そのためには毎日少しでも練習する機会を設ける。そんなイメージだと少し見える世界が変わりませんか。

日本の歴史2500年のうち、今のような紙おむつがあるのはここ30〜40年の出来事。
人間、おむつがなくても案外できるものです。

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