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ベンゾジアゼピン減断薬 - 分服回数増は減薬・断薬成功に寄与するか?

ベンゾジアゼピンの減薬過程で、1日の中での離脱症状の変動に苦しまれている患者さんが、服薬間隔を短くする(1日の総服薬量は変えずに服用頻度を増やす)ことでそのコントロールを図ろうとすることがあります。

これは場合によっては有用です。
総服薬量は変えずに服薬間隔を短くする(例:分3⇒分4)ことでトラフ値が上昇するからです。

ベンゾジアゼピンも含めて多くの薬物は反復投与することで「定常状態」に達します。
血中濃度が一定の幅の中で安定した状態のことです。
この幅の中の最高値がピーク値、最低値がトラフ値です。

20201012_定常状態

https://www.nli-research.co.jp/report/ より引用

一般的にはピーク値が高いと副作用のリスクが高まり、トラフ値が低いと有効性が減じます。
医薬品はその開発過程で、ピーク値が中毒域に達さず、トラフ値が有効域を下回らないよう製剤的に工夫が施され、服用頻度が定められています。

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