メモ:試験勉強でつかんだマルクスの「本領」:私の謎 柄谷行人回想録⑤ じんぶん堂 2023.06.19

物神性についてはボードリヤールがマルクスの貨幣の物神性からモノへスライドさせた。モノが記号化してデジタル化すると。やっぱりボードリヤールは予言者だね。

マルクスは物神性から資本主義社会を捉えていたが、それを欲望や消費する行為から捉える視点は社会学や人類学の問題として考えられる。おそらくこれは、柄谷の交換様式を考える観点も含まれている。それがこのインタビューで分かった。

「『経済原論』で宇野が書いているのは、商品交換から貨幣が生まれ、それが資本になるということです。彼は「流通」という言葉を使うけど、これは僕がいまよく使う言葉で言えば「交換」ということです。僕はそれからずっとマルクス、特に『資本論』を読んできたけど、一度も史的唯物論を信じたことはなかった。「交換」には物神(フェティッシュ)の力が関わっている。貨幣として金が使われるけども、本当は金じゃなくてもいいんです。」

柄谷は、コミュニケーションを外部から考えるキーワードとして交通にも言及していた。これは移動の問題としても展開出来る。

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