粟谷佳司

博士の研究と読書と日常/経歴: 同志社大学博士(社会学)。トロント大学・ヨーク大学JC…

粟谷佳司

博士の研究と読書と日常/経歴: 同志社大学博士(社会学)。トロント大学・ヨーク大学JCAPS客員研究員、慶應義塾大学研究員、立命館大学准教授を歴任/新刊『表現の文化研究 鶴見俊輔・フォークソング運動・大阪万博』新曜社/現在は新書執筆中/

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ダニエル・ベル

ダニエル・ベルのThe Cultural Contradictions of Capitalism が出てきた。大学院生の時にゼミで読んだ。ポストモダンの社会学的説明はベルからも考える必要があるでしょう。 リオタールの『ポストモダンの条件』もダニエル・ベルのポスト産業社会論に着想を得ていることは指摘しておきたい。ポストモダンが広まったのはリオタールのフレドリック・ジェイムソンによる英語版序文。マーク・ポスターの『情報様式論』もポスト産業社会論が考察される。つまり情報社会論の

    • ポストモダンと日本の思想のメモ

      吉本隆明と80年代についてのメモ  80年代はファッションとして思想に連続したものがありそうだ。それはポスト68年としての消費社会であろう。吉本隆明にそれは顕著。  戦後思想とポスト68年の思想というか70年代以降の思想に断絶線を引くことは意味があろう。それは加藤典洋『ふたつの講演』を読んで思いを新たにしたことである。  つまり戦後思想は第二次大戦の戦争体験とその言説を中心にして構成されていたというような思想で、ポストモダンにはそれがない。言及はベトナム戦争であり湾岸戦争で

      • カナダ大使館

        10年前にカナダ大使館に招待された。

        • メモ20240331

          私が博士論文から研究している鶴見俊輔の業績は、研究と批評は厳密には分けられないところがあると思う。そういうポジションについては、社会学の方法から研究することが出来る。改めてしっかりテーマとしたい。 それがブルデューの社会関係資本から鶴見俊輔と『思想の科学』への注目です。

        ダニエル・ベル

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          『「わたしのソーシャリズム」へ』の序章のメモ:読書日記20240319

          ‪8年前のFacebookのメモ‬ ‪大貫 隆史『「わたしのソーシャリズム」へ −−二〇世紀イギリス文化とレイモンド・ウィリアムズ 』(関西学院大学研究叢書 第 174編)研究社2016年、の序章の思いつきのメモ‬ ‪この本の著者は、レイモンド・ウィリアムズのいう「わたし」と「ソーシャリズム」は本来相入れないものであるにも関わらず彼の中に共存しているという。つまり、個人主義と社会主義とはベクトルが逆であるということだ。レイモンド・ウィリアムズは社会主義ヒューマニストであると

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          近藤和彦「ポパーとLSEの変貌」『図書』2023年10月号

          『図書』2023年10月号、近藤和彦「ポパーとLSEの変貌」を読んで、ポパーのことが少しわかった。 近藤氏が、ポパーの自伝とオクスフォードの哲学者ライアンの記事から書いているので短いながら読み応えがある。反証可能性は池田光穂氏の解説がわかりやすい。こういう解説ほんとに必要だと思う。 反証可能性(Falsifiability)解説:池田光穂 https://navymule9.sakura.ne.jp/080428falsifiability.html 「カール・ポパー(K

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          私の謎 柄谷行人回想録⑫のメモ

          私の謎 柄谷行人回想録⑫のメモ 柄谷行人は、ソシュールの議論も援用しながら、交換やコミュニケーションから価値形態論を考えていたということか。コミュニケーションは現在では情報が交換されるということになるだろうが、実体というよりもイメージが交換されるので、それはある意味で吉本隆明の『マス・イメージ論』からというかポストモダン論とも近接している。ポストモダン論は、リオタールは知識の問題を扱っていた訳で、現代社会がイメージの段階に突入していると考えると、それはもはやポストモダンの領

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          新書執筆日記20240315

          今日は2023年3月の室謙二さんインタビューと資料、文献を整理しながら書く。 #新書 #研究

          新書執筆日記20240315

          今日の読書『フーコー・コレクション』『群像』など 20240314

          新書を書きつつ、フーコーの論考「科学の考古学について」から言説形成体が気になって読んでいる。今月の『群像』は古川日出男を読みつつ、工藤庸子の大江健三郎論を読む。先月の『群像』の蓮實重彦インタビューも読まないと。

          今日の読書『フーコー・コレクション』『群像』など 20240314

          新書執筆日記202040313

          この3日ほど先月調査した資料を読んでまとめてコメントをつける作業を行った。資料はページ番号もないのがほとんど。日付がわからないチラシなどが含まれる。これらは初出の宝の山なのだった。今日で少し目処がついた。

          新書執筆日記202040313

          新書執筆日記20240309

          現在執筆中の新書で、新しい資料などから再び取り上げます。 日本のフォークソング運動の興味深いところは、アメリカ文化のローカル化におけるカウンター・カルチャー的な受容が、日本のコンテクストにおいて変容していったところがあるということ。そこに市民運動が関係していたというところは、いくつか出版しました。新書では、文化の内容と実践された活動にも焦点をあてています。 “彼らはボブ・ディランの翻訳、あるいは日本におけるポエトリーリーディング運動をとおして、アメリカの文化(カウンター・

          新書執筆日記20240309

          新書執筆日記20240305

          昨年始めに新書の企画が通り、今年出版するために原稿を書いています。 そのメモを。 今日はこれまで書いた原稿をまとめて章の構成を作成して字数も計算する。いい感じで書いていて、これからも良いのが書けそう。 鶴見俊輔と音楽文化 鶴見と音楽文化については『限界芸術論』に収録された「流行歌の歴史」があり、ここでテーマとして取り上げられている「替え歌」は、1960年代後半に展開されたフォークソング運動においても重要な意味を持つのであった(粟谷2018,2023)。

          新書執筆日記20240305

          パフォーマティヴな言語行為についてのメモ

          今日の研究。 パフォーマティヴの理論と言語行為論は、ジュディス・バトラーが身体をめぐる行為(行動)にまで広げていることと関連して言語が実践の問題として応用されているということも含めて理解されるべきであろう。 バトラーは身体性、物質性ということを強調しているが、『ジェンダー・トラブル』はむしろ言語、言説という上部構造の問題をパフォーマティブに実践するという方法ではなかったかと思われる。 私は、修士論文では言語行為論はほぼ言及せずに、接合理論から意味作用の社会理論について考え

          パフォーマティヴな言語行為についてのメモ

          図書新聞(3148号)の書評(原山哲氏)

          2014年のFacebook 今日読んだ図書新聞(3148号)の原山哲氏(フランス社会学)の書評が秀逸だった。詳しくは読んでもらうとして、ブルデューの界の理論を一元的階級構造から説明していて目から鱗。つまり界とは階級分化された集団の謂でもあったのだと。要するに集団の相互行為の痕跡として現れるということか。 学生時代の大学院の社会調査論の授業で社会移動論が取り上げられ、階層移動が出来る社会が開かれた自由な社会であると先生が話されていたことを今でも覚えていて、これが社会学なの

          図書新聞(3148号)の書評(原山哲氏)

          新海誠と柄谷行人。

          新海誠と柄谷行人。

          読書日記20240223

          ロラン・バルト『零度のエクリチュール 新版』みすず書房、2008年。 旧版も読んでいたが解説が良い。最初に新聞論文として発表された論考が、どのようにしてまとめられて書籍となったかについて解説されている。この本はフランス語原書も持っていて、論文の初出がどこかとか細かいことは書かれていないと思う。

          読書日記20240223