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背徳感を越えたその先には、夢のような世界が在りました...w

10代の頃から、人から趣味を問われたときに、唯一これだと答えていたのは写真を撮ること。
音楽を聴くこと、映画を観ること、バレーを観ることなど好きな事は人並みにはあるけれども、自らアウトプットできる好きなことは、唯一『写真を撮る』事。何かイベント事なんかがあれば、相棒(カメラ)を首からぶら下げて意気揚々と出かける。

バレー観戦も好きで、春高や、全日本代表の国際大会なんかは映像で観戦していた。いわゆる現地観戦からは遠のいていたけど、それで充分満足だったから。

ある日も いつものように楽しみにしていた春高を観る。2020年の1月、まだコロナで世の中がこんな風に変わる前。有観客で、映像でも伝わるくらい 会場はとても盛り上がっていた。
毎年恒例の、優勝候補の高校、有力選手をチェックし わくわくしながら観る。

そんな中、高校生に混じってプレーする、すべてにおいて規格外のバケモノを見つけてしまうw(当時、東山高校3年、主将OH髙橋藍くん)
噂では聞いていたし、有力選手との情報も知っていたけど、彼は その想像のはるかに上を行くプレーをしていて、ひときわ会場を沸かせていた。
今でもその光景は、脳裏に焼きついている。
大会中、日に日に増していく周囲からのプレッシャーにも負けず センターコートでも圧巻のチームワークを見せつけ、東山高校がその年 春高初優勝を飾った。

そして、間もなくわたしは あのバケモノ(褒めてますw)を実際に目の前で観たいという衝動に駆られる。

その後彼は、日体大に進学し、日本代表にも呼ばれ、国際大会も経験する。彼の夢でもあった、東京オリンピックにも19歳で異例の大抜擢。
そして大会中の全ての試合にスターティングメンバーでの起用。
課題はあったものの、そこでも、彼は落ち着いて冷静に闘志を燃やし 自分のやるべき事を淡々とこなしていた印象だった。

わたしの中で、実際に観たい衝動がどんどん増していく。そこで訪れたチャンスが、AVC2021。
東京オリンピック後、間もなく千葉ポートアリーナで有観客で開催された国際大会。

どうしてもチケットを取って行きたかった。
しかし コロナ禍の中、職業柄大勢の集まるイベントへの参加は禁止されていたので断念するしかなかった。

そして、その後もう一度チャンスが訪れる。
大学リーグで行われる、全日本インカレ。準決勝、決勝のみが有観客。この頃はコロナも感染者が減っていて、職場からの制限も特になかった。
もう、これは絶好のチャンス。席なんかこだわっている場合じゃない。何がなんでも手に入れるんだ。
と。
そして、わたしの執念がwついに身を結んだ。

その後は、どうか準決勝まで勝ち残って!と、日体大を応援する日々。仕事の合間にトイレにこもったりw応援し続ける。

順調に勝ち上がり、準決勝前日。その日は、たまたま休みが取れていたので ゆっくりとリアタイ観戦。この試合を勝ち上がってくれたら、明日は夢にまでみた(夢にはみていない)現地観戦が待っている。

少し押される場面もあったけれど、無事2セットを先取し迎えた3セット目。
何か 少しずつ、彼らのバレーの歯車が狂っていくのを感じた。その後は、対戦相手 順天堂大学の勢いにペースを握られたままフルセットの末日体大は負けてしまう。

正直、ここで負けてしまうのは予想外だった。画面の前でうつむき、泣いている彼らをみるのは辛くてしばらく何が起きたのか整理がつかなかった。
負ける試合ではなかった。ただ、“勝ちたい”よりも、“勝たなければいけない”と言う気持ちが大きくなり、焦りに繋がってしまった。そんなように見えた。

そして、翌日の準決勝。日体大は出場できない中、わたしの中で“行かない”と言う選択肢はなかった。
彼らが行きたくても行けなかった場所を、しっかりと見届けて来ようと思った。
大会の概要欄では、写真撮影は禁止されていなかったので、気持ちを切り替え、相棒を首からぶら下げ出かけた。

会場につくと、思っていたよりも席は空いていて 並んだ甲斐もあり、用意された席の中で最前列に座れた。コロナ対策で一席ずつあけて座る仕様になっていたので 連れとは一席あけて座った。

まもなく プロトコル(公式練習)が始まる。目の前には、画面越しに見てきたあの選手やこの選手や。春高から見てきた選手がたくさんいた。
わたしの中に眠っていたミーハー心に火がついていく(我ながら単純すぎる)

試合が始まる前に、ここらで試し撮りしてカメラの設定をいじりたいな。と、うずうず。
でも、でも、好きなアーティストのliveに行って写真を撮って良いよ!なんて経験は今までない。本当に撮影していいのか?しばらく悶々として 周りをキョロキョロと見渡す。と、そこには想像を越えた光景があった。

まるで、バズーカの様な 望遠レンズを担いで撮影している人がたくさんいたのだ。あれは、きっとプロが使うやつ。。

それでも多少の背徳感が残る中、躊躇していた試し撮りに成功。等々、一線を越えてしまったのだw
室内でのスポーツ撮影という事を深く考えずに、軽くてラフな望遠レンズをセレクトした朝の自分に多少後悔しつつも、そんなのは今は関係ない。画面越しに見ていた選手達を、自らが撮っても良いという事実に興奮状態だ。

そして試合が始まる。向かって右側では、順天堂 対 筑波大。左側では、早稲田大 対 中央大。何とも贅沢だ。
スパイクの打撃音や、何もかも、迫力が画面越しに観ていたそれとはレベルが違った。
そしてその光景を、自らが撮影している。
まるで夢のような世界だ!

バレー観戦、写真を撮る、という2大欲求が満たされてその日は1日高揚感に包まれた。これは癖になりそう。

忘れてはいけない。もとを辿れば自宅でのバレー観戦で満足していたわたしを、現地観戦へと連れ出したのは紛れもなく 春高で多くの人を魅了した彼なのだ。わたしのように、彼に導かれた人は多くいると思う。こんなにも、人を魅了できることは 才能の一つだと思う。

そして、その後も新たな決断をし挑戦を続ける。
遠くイタリアの地で今日も今日とて、彼は自分の望むモノを手に入れる為に奮闘している。これからも、それを応援し続けたい。

この時代に生まれて、このさきの未来に何が起こるのかわくわくしながら応援できている現実に、日々感謝していかねばと思うのでした。

そして、未だに叶っていないわたしの夢。現地で応援する事。自分のカメラで宇宙一かっこ良い写真を撮ること。は、この先の人生のお楽しみにします。

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