何度目かのアヤワスカセレモニー in NY #4

数あるソングブックから、指定された曲をタブレットで探す。
最近英語やスペイン語の曲より、より難しい、ポルトガル語の曲を演奏することが多くなっていた。ここのサークルは伝統的なセレモニーと違い、全員で歌に参加する。

聞いたことのない曲が始まり、必死で歌詞を読もうとするも全くわからず、途中から完全に諦める。手には友人にもらったメキシコ産のマカラを持ち、リズムに合わせて振りながら、少しでも参加しようとする。

セレモニー前にシャーマンがいつも言う"Participate"(参加する)と言う言葉を思い出す。特に今回は人数が少ないので、皆でセレモニーを作っていくと言うエネルギーがあったような気がする。

全くついていけない歌が続くが、できるだけ参加しようとしながら、集中していたが、段々とあくびが出てきた、アヤワスカが効いてきた合図だ。
アヤワスカセレモニーに参加し始めた最初の頃は、ただただ眠いだけかと思っていたが、アヤワスカの効果が現れる前は異常な数のあくびが出る。
手足の先の感覚がなくなっていく。
少し気持ち悪いが吐くほどまでではなかった。

そんな中、2杯目のアヤワスカの合図があり、皆また列に並ぶ。
2杯目を飲み、また30分ほどの瞑想をした後、音楽が演奏され始める。
その頃には私はだんだんと効果を感じていた。光が強調されて見えるようになり、眩しく、気持ち悪さも感じながら、寒気と眠気に襲われていた。

シャーマンのParticipate, Be present, Sing (参加し、そこにとどまり、歌いなさい)という言葉を思い出しながら、必死にマラカを振りながら目を開けていようとする。

目を開けると空気中にとても細かいネオングリーンとレッドの無数のドットが見える。コンピューターでグラフィックを書いたような規則正しく配列されており、まるで空気の成分の一部かの様に見える。”いつもはネオンブルーなのに今日は違う色だなぁ”なんて思っていた。

目を閉じると、様々なサイケデリックと呼ばれる様な幾何学的模様やが次々に見える。真っ暗な中に浮かんでくるカラフルなその物体はとても綺麗で、ずっと見ていたくなる。

目を開けようと頑張り、現実と夢を行き来していると、だんだんと体が熱くなってくる。吐く前兆だ。人数が少ない上にまだ誰も吐いていないので、羞恥心から、無意識に自分を抑えてしまいなかなか吐けない。吐いた方が楽になるのを分かっていながら。

3杯目の合図があった。
いつもよりペースが早い気がした。匂いを思い出すだけで嗚咽しそうなくらい気持ち悪かったが、中途半端な気持ち悪さをどうにかしたくて、列に並ぶ。今回誰もまだ吐いておらず、あまり皆キマっている様子もなく、なんとなく全体の集中力がかけている気がした。

少しだけにして欲しいとシャーマンに合図をして、杯を受け取とる。匂いだけで吐きそうになるが、ここで吐いたらダメだと一気にアヤワスカを飲み込み、深呼吸をしてなんとか席に戻る。座った瞬間に我慢できず吐いてしまう。

浅ましいもので、最初に思ったことは、”飲んだばっかりのアヤワスカ、もったいない”だった。





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