見出し画像

山へ

長い長い(そう感じた)準備期間経てついに当日。
友人のAとBrooklynで待ち合わせをする。彼女の家の近くで参加者がカープールしてくれるとのこと。
感じのいい白人カップルで男性は学校で美術の先生をしており、彼女はアーティストだそう。大型連休の初日で渋滞していたが、無事夕方到着する。

思ったより素敵なロッジで、セレモニー会場で雑魚寝、キャンプの選択肢もあったが、初めての体験ということもあり、ベッドを予約していた私たちは2階の部屋に荷物を下ろす。
本来人見知りの私は緊張しながら、皆に挨拶する。様々な年代、人種の男女、恐らく15人はいたと思う。皆感じが良く、笑顔で優しく声をかけてくれる。初対面でもハグで挨拶する。
ヒッピーな感じの人が多い。数回参加してみて分かったが、半数くらいが常連。

1面窓の開放的なキッチンで5−6人が信じられない量の野菜を切っている。私もAと手伝い始める。インドのマントラソングが流れ、ゾーンに入りながら無心で私も野菜の皮をむく。

シャーマンのKが現れる。部屋の空気が少し重くなる気がした。パワフルな明るい中年のイタリア人女性という印象。

夜の9時頃、昼食後は何も食べないように言われているため、空腹に耐えながら準備を始める。
奥の部屋に皆座椅子を持ち込み、ブランケットや吐いた時の為のプラスチックの容器などを準備する。
衣装は全員真っ白。それだけですごく厳かな雰囲気になる。

皆わらわらと集まりだす。いつのまにか30人ほどはいた。
集金が始まる。2泊3日、2回のセレモニー、一日一回の食事付きで$440。私は初回なので$500くらいだった。どうやらお手伝いをする人たちは割引があるよう。これもまた後から気づいたが、野菜を刻んでいた人たちはヘルパーの人達だった。場に馴染めたから手伝えてよかったけど。

お金がなくても参加したい人へは手が差し伸べられ、お金がある人はもっと寄付する人もいるよう。

初回参加者の私は別で集められ、注意事項がKから伝えられる。正直イタリア訛りがきつくてあまり理解できなかったが、植物の力を信じて、委ねよ。自分を愛し、見たくないものでも避けずに受け入れるように。とのメッセージだった。
吐いた場合はどうすればいいかとの質問にKは今日は吐くことにはならないと思うけど、吐けるなら吐いた方がいいとのこと。

少し安心すると共にがっかりもした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?