見出し画像

はじめましてアヤワスカ

数年前にアヤワスカという言葉を初めて聞いたのは、私がNYに引っ越してからずっと10年来お世話になっている日本人の美容師さんからだった。
彼女はとても真面目でまっとうな人だが、元旦那がシャーマンになるとテキサスに移住したという少し変わった経験をしている方で、会うたびに色々な話しをする仲だった。
どうしてその話になったかは全く覚えていないが、ヨガにハマり始めていた頃だったので、スピリチュアルな話になり、アヤワスカの話を聞いた。

アヤワスカとは南米のペルーからブラジルまで流れるアマゾン河に生えている植物の根を他の植物と煮出し、お茶として飲まれるもので、先住民の儀式で、薬として飲まれているものだそう。学術的にはアヤワスカに入っているDMTという成分がLSDの何倍もの幻覚作用があるらしい。

こう聞くと、かなり危ないドラッグのように聞こえるが、ペルーのシピポ族などのシャーマンが大切な薬(メディシン)として処方し、儀式で使用されているという。実際にうつ病、アルコール中毒、ドラック中毒などの治療として使われている。

NYに住みながらも、ほとんどドラッグの経験もなく、マリファナでさえあまりしない私は、”へーそんなものがあるのか。”くらいな感じでその名前を記憶した。

次にその名前を聞いたときは私のヨガ仲間Aからだった。かなりアドバンスヨギーで私のヨガ師匠として尊敬している彼女がNYでアヤワスカセレモニーに参加したことがあり、また1ヶ月後に参加する予定だと言う。その時ちょうど田口ランディさん著書の『コンセント』と言う小説を読み返し、強く感銘を受けていた私は、シャーマンにとても興味があり、詳しく話を聞いた。

そのセレモニーはイタリア人女性のシャーマンを中心にNY郊外で定期的に行われているよう。アヤワスカは夜に行うそうで、夜の女王と呼ばれているという。彼女はこれまでに体験したようなパーティードラッグではなく、自然のものを取っているので、皆それぞれ違う体験をすると言う。彼女の場合はパワーがみなぎるような素晴らしい体験だったとのこと。もともと好奇心旺盛な私は、その話を聞いて俄然興味が湧いたが、正直スピリチュアルな考え方に半信半疑だったので、”またまたー”と言う感じで受け取った。

その数日後にたまたま、またその美容師さんに会い、アヤワスカについて詳しく話してもらった。
彼女はNYから比較的近いカリブの国でセレモニーに参加したそう。参加者は白人が多く、聞けばアメリカでは数年前より、アンダーグラウンドながらにも流行しているようだ。
彼女はその後シャーマンを目指した元旦那と参加し、元来真面目な彼女は準備の為、とても厳しい食事制限をしたそう。アヤワスカは自然のものなので、体の状態によって効果が変わるため、セレモニーの1ヶ月前くらいから食事制限をすることが推奨されていることを知った。その後色々と調べるとシャーマンや流派によって違うのだが、私が理解するには基本的に体をフラットな状態にすることでアヤワスカの成分を体に取り入れやすくする準備だと思う。

基本的にお酒やマリファナ、ドラッグなどはNG。赤いお肉、ガーリック、玉ねぎ、砂糖、カフェインなどの体内に入る刺激物、またセックスやテレビ、ニュースなど外的刺激物も避けるようにすべきとのこと。お魚は種類によりけり。本当に厳しくする場合は、塩や動物性のものも断つ人もいる。彼女の場合は塩も極力減らしたと言う。彼女はそこまでしたにもかかわらず、体のデトックスにはいい機会になったけど、特に何もアヤワスカの効果を感じなかったそう。そこまで辛い思いをして、しかも1週間のリトリート旅なので、そこそこのお金を払っているのに、あまり効果を感じないのは嫌だなぁ。と思ったのだが、やはり私の好奇心がむくむくと膨れ上がっていた。

その帰り、すごく大きな満月が出ていて、感化されやすい私は、”これはきっと私にアヤワスカをしろと言うサインだ!”と自分の好奇心をするっとスピリチュアルな理由に変換し、『私もアヤワスカに行きたい』とAに電話で伝える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?