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スウェットロッジ

セレモニーが終わった頃はもう日がかなり高いところに上がっていた。結構な疲労感を感じながらも、エネルギーがみなぎっている感覚だった。

これからスウェットロッジをするという。

スウェットロッジとは先住民の儀式の一つで木の骨組みに布をかけて燃やした石を中に入れ、石に水をかけるといる、いわゆるサウナだ。色々な国や部族がいるが、色々な形で共通する文化があるんだなぁ、なんて感心した。

轟々と燃えた焚き火の横にロッジが用意されていた。女性から並び、入る前に跪き頭を地面につき”we are all related”と唱え、ハイハイして右から入り、奥に入って行く。ロッジは母親の子宮を象徴されているという。全員入ると本当にキツキツで三角座りでしか座れない。

入り口付近にKが座り、”絶対に無理をしないよいうに。無理だと思ったら合図して外に出なさい。”
”この古代の文化に感謝して、このプラントに出会えたことに感謝する。自分を愛し、ここにいる皆を愛し、自分が知っている全ての人を愛しなさい”。

外の男性に合図すると、燃えた石がシャベルでロッジに入れられる。それを入り口付近の男性が鹿のツノを2本使い石を中心まで運ぶ。かなり暑そうで、汗だくになっている。ロッジ内もだんだんと暑くなってくる。石が積み上がったところ、バケツに入った水と草がついた木の枝が運ばれる。新月にさらされた水だそう。

入り口を閉めると本当に真っ暗になり、何も見えない。そして中はもうかなり暑い。

水を石にかけ始める。すごい熱がロッジ内に充満する。何度も何度も水をかける。そんな中皆が、歌を歌い始める。多分ネイティブアメリカンの歌だと思う。2曲ほど歌ったところで入り口が開けられる。涼しい風が入ってきて、一息つく。皆すごい汗をかいている。人が途中で出たりする中、これが繰り返される。一番後ろに座っていたので、まだ耐えられたが、恐怖を覚えるくらい暑かった。30分ほどで全てが終わり、また右回りにハイハイをしながら出る。

外に出ると風が本当に気持ちよくて、すごい爽快感だった。今日本ではやっているサウナ道の”ととのう”とはこのことか!と思った。

シャワーを浴び、着替えた頃には食事が用意されていた。ビーガンチーズケーキまであって、昨日より豪華だった。食べながら運営側のアジア人のおじさんと話す。人見知りの私でも初日から何度か話している、親しみのわく温かみのある人。

感想を聞かれ、思ったよりメローだったというと、”今回はいつもよりメローだった。3ヶ月前にあった時はすごい激しかったよ。でも最初だからメローで良かったんじゃないかな。バッドトリップすると次はもうしたくなくなるから”と言われ、確かになーと思った。

”僕の最初の時は、2−3日後に”Grounded”をすごく実感したよ。アヤワスカの効果はセレモニーの時だけじゃないよ。”と教えてくれた。思っていたよりアヤワスカの効き目が大きくなかったことにがっかりしていたので、嬉しくなった。

皆帰る前に仮眠をとる。私もベッドに行くが、目が冴えて寝る気にならないので、体験を忘れる前にと、日記を書く。

体は疲れているのに、すごくエネルギーと高揚感に溢れた不思議な感覚。昨夜はもうこんなこと一生するもんかと思っていたけど、今はまた絶対戻ってきたいと思っているから不思議だ。

夜無事Brooklynに帰り、Sとビールで乾杯する。
1ヶ月ぶりのビールは最高に美味しかった。

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