国際情勢を語り合う会(2019/05/14)

毎週開催している国際情勢を語り合う会の内容を備忘録もかねて記しておきます。実際に話していた内容にその後発生したことやちょっと調べたことなども入ってます。


①米中貿易摩擦
アメリカは中国からの輸入品(全製品の40%程度)に対する関税を25%に。また残りの60%についても最大25%の関税をかける方針。
一方中国は対抗して全製品について6月1日から25%の関税をかける予定。実際に25%の関税の対象になるのは中国を出荷した商品がアメリカに到着した時であり、船便ではそれは6月1日ごろです。そのためもしかしたらそれまでにお互いに納得できる形で合意が取れ、高額な関税が回避される可能性はありますが、合意までは難しそう。現実的にはトランプ大統領と習主席は6月下旬に行なわれる大阪サミットで顔をあわせるため、そのあたりでなんらかの解決案がでればいいかな、という感じです。
実体経済への影響ですが、中国で組み立ててアメリカに輸出しているアップル社のiPhoneも対象になるため、アップルの株価が下落したり、日本企業のなかには中国ではなくタイに生産を移す企業もあるようです。中国での人件費の高まりもあり、今となっては「工場」としての中国の魅力はありません。「消費者」としての魅力は健在ですが、中国では愛国心の高い人が多いため中国政府とけんかしている国の商品は売れにくいかも知れません。

②イラン近海で4隻の石油タンカーが損傷
アメリカがイラン近海に空母エイブラハムリンカーンの配置を準備しているこのタイミングで4隻の石油タンカーが損傷。船籍はサウジアラビア2隻、UAE1隻、ノルウェー1隻。状況からイランが疑われましたが、イランはこれを否定。アメリカがイランを攻撃するための口実になる可能性があり、近々はないとは思いますが、もしかしたら近いうちにアメリカとイランの戦争の可能性もゼロではなくなってきています。

③北朝鮮近距離弾道ミサイル発射
トランプ大統領との会合が不調和に終わって以降北朝鮮はロシアを訪問したり、アメリカと距離をおくようになってきてますが、その北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました。ミサイルの外形からロシアの短距離弾道ミサイルであるイスカンデルの可能性があります。イスカンデルはロシア版GPSであるGLONASSによる誘導が可能であり、数十メートルくらいの精度で狙ったところを攻撃できます。トランプ大統領との対話で一時的に止まった北朝鮮の軍事開発ですが、アメリカの核施設全廃まで経済制裁は続けるとの方針と、北朝鮮の軍事開発をストップしているのだから少しづつでも経済制裁を緩めてほしいとの要望との間で妥協点を見つける必要がありそうです。


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