国際情勢を語り合う会(2019/05/28)

毎週開催している国際情勢を語り合う会の内容を備忘録もかねて記しておきます。実際に話していた内容にその後発生したことやちょっと調べたことなども入ってます。


①米中貿易摩擦
先週の段階では、Googleのファーウェイへのソフト提供を停止のニュースを受け、これは中国側に厳しい交渉になると思ってましたが、意外とアメリカのほうが苦しいんじゃないかという気がしてきています。

ファーウェイは、アメリカからの制裁に備え数年前から「スペアタイヤ」を用意しており、今回これが正規のものに変わるだけと説明しています。中国国内だけでも10億人を超える巨大なマーケットがあり、アメリカのマーケットは厳しくとも、ヨーロッパではファーウェイを極端に排除する動きはなく、今後アフリカの市場開拓も見込めるなど、中国側は思ったほどの痛手ではないかも。

一昔前は中国製というとあまり品質がいいイメージはなかったですが、次世代ネットワーク(5G)の市場をけん引し、また宇宙開発では世界で初めて月の裏側に着陸させるなど、技術力も向上しています。

一方アメリカですが、中国からアメリカへの制裁は関税を上げるにも限度があるのでもう手詰まりかと思いきや、レアアース禁輸の手がありました。レアアースはiPhone、電気自動車、軍事用ジェットエンジン、人工衛星などに使われており、中国で80%以上生産されています。今回中国からの輸入品の関税をアメリカはほぼすべて25%にしましたが、レアアースは適用除外です。中国がアメリカにレアアースを輸出しなくなるとアメリカにとってかなり効果的な一撃になる可能性があります。

②トランプ大統領来日
アメリカは中国やイランとの対立が激化しているので、同盟国の日本にはそれほど厳しい要求はしてこないと思ってましたが、とりあえず7月の参議院選挙までは大丈夫そうですね。
戦闘機F35を1兆円以上購入するので、まぁ貿易問題はちょっと見逃してほしいところです。ちなみに日米貿易は年間7.5兆円の日本側の黒字なので、F35分で1兆円黒字を減らせば黒字額はそこそこ減ります。

③ヨーロッパ議会選挙
事前の予想では各国のEU懐疑派が躍進するといわれていましたが、それほどでもなかったですね。EU懐疑派とは、現在のEUのシステムでは自分の国の政策よりEUの政策が優先されるため、EUの力を弱めて自国を強めようとする右派の勢力のことです。イタリアのサルビーニやフランスのルペンあたりが有名です。
EU懐疑派が議席を伸ばしたといっても3分の1にいかず、また、1979年以来過半数を占めていた中道右派と左派の連合が初めて過半数を割るなど、決められない議会にはなりそうです。
今後はヨーロッパ委員長、ヨーロッパ大統領、ECB総裁などを決めていきます。

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