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なんとなくすっきりしないので感想文かいてみた

またよくわからないコロナ株がでてきて
第6波がくるかもと
あいからずコロナとの戦いは続いている。

こんな世界やマスクに
ほとほと愛想がつきてきたが
先日ある本を読んで
今はある意味幸せなのかもしれない。 
そんな思いにかられた。

本のタイトルは 
彼は早稲田で死んだ(樋田毅著)
というなかなかインパクトあるものだった。

読書習慣は中学生で終わった私は 
現在はマンガを愛読書としているので
こういった類の本は普段ならあまり読まない。

なぜ読むことになったかというと
著者の方ととあるご縁でお知り合いに
なったからだ。

内容がノンフィクションということもあり
人生こそが何よりのドラマと思っているので
興味もあった。

どのくらいかかるかと読み始めたが
気が付いたら数時間で読み終えた。
どはまりしたのである。

やはり人生とはリアルで
こちらに訴える力が半端ない。
そして著者にお会いした時の
優しい印象からは想像もできないほどの
激しくもやりきれない学生時代を
過ごされていたのも驚きだった。

この事件は私が生まれる前の事件だが
それでもその時代を過ごした人たちが
まだ生きているくらいの時間しかたってない。

それなのに今の日本とは
今の大学生とは
あまりに違いすぎて
本当に日本で
早稲田大学の中でこのような事が 
起こりえたことに衝撃をうけた。

学生運動というワードを
ちらっと聞いたことがあるくらいの私には
想像できない世界。
内ゲバや革マル派やセクトだの
知らないワードばかりでてきて
思わず調べてしまうくらい理解できない世界。

その中で暴力を使わない話し合いを
どうにかすすめようとしていた著者の
当初の憤りやはがゆさや虚しさのような感情に
読みすすめるごとに心揺らされるような
ときになぜか涙するような気分になった。

もちろん文章が読みやすいとか
引き込む力があるとかも
長年、記者をされていた著者なのであるだろう。
ただ、そういう技術的なものじゃない
何かを感じたような気がした。

日本の学生たちが
政治に関心をもち
自分達の正義のもとに
対立し暴力を正当化し戦う。
暴力の始まりも各々の正義を守ることだったはず
正義が狂気のようなさまとなり
ここまで彼らを熱くさせたものは
何だったんだろう。

今は平和だと思う。
ただ、彼らのようにひとつのことに
心酔するような熱量をもてることが
どれほどあるだろうか。
そういうものがある人生とは
ある意味幸せなのだろうか。

自分をふくめ政治にあまり興味を
しめさない現代において
共感できる部分は少ないのかもしれないが
その時代があってこその今の平和だと思うと
この関心の低い政治のあとの世界は
どんな世界になるんだろう。
ふとそんなことを考えたりもした。

とりとめのない感想文になったが
ラストに出てくる
「立ち竦む君に」というタイトルで
当時のビラに書かれていたというメッセージ。
その時のさまがとても表現されていて
映画のワンシーンを見るようだった。
ぜひ読んでほしい。

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