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地域猫活動手順0

地域猫活動には手順があります。今日の記事は手順、おおまかな流れと活動前の手順0についてです。まずは全体像を見てみましょう。

手順リスト

手順0 被害状況・意識調査と実施決定
手順1 猫の状況調査
手順2 住民説明会議の開催
手順3 ルール作り
手順4 不妊去勢手術
手順5 管理徹底と定期報告

※各手順リンク設定しています。

自治体を中心に活動手順を解説した記事がネット上にあると思います。大抵の記事は間違っていることはないけど、間違いがないように60点の記事なのではないかと思います。どれを読んでも同様で、なにより突っ込んだことは触れていない。確かに、それぞれ実施地域に合わせて変えるべきものですが、それにしても一辺倒。
そこで、やまがた不妊去勢クリニックはより実施に則した解説ができればと思います。

手順0 被害状況・意識調査と実施決定

多くの場合手順1からの方法が勧められています。手順0としてやることで地域猫活動の成果が格段に上がるので、紹介します。

地域住民全員にアンケート調査をします。猫の被害や不満はあれど、大声をあげる人は限られています。自治体に挙がる苦情件数は1であっても、わざわざ自治体にまで直接言う人はごくわずかです。水面下にある被害や不満、苦情を拾いましょう。いきなりアンケートなんて回答してくれるのかって?人間は不満があればここぞとばかりに回答しますよ。

被害状況の把握と同時に、対策を希望するかを聞き取ります。

対策を希望するのであれば、回答者はどこまで協力してもらえるかも聞き取りましょう。おのずと次のA~Dに分類されます。また、費用の捻出についても聞き取ることが重要です。自治会費から予算をつけていいのか、地域猫活動のための協力金を出していただけるのか。

  • A 協力したいし、費用も出す

  • B できることがあるならやるけど、金は出したくない

  • C 金なら出すが、忙しいから活動はできない

  • D 何もしたくない

AとBの方には積極的に関わってもらいましょう。Bの中には自治会費からなら出してもいいという方も多いです。

Cの方は活動を理解してくれていると捉えていいでしょう。費用まで出してくれるため、必ず結果を出して報告しなければなりません。もちろん、Cの方だけに報告するわけではありませんが。

活動自体には賛成でも、Dである方も勿論います。猫の活動に限らず、地域の活動が大好きで積極的に運営に関わりたい人は限られています(笑)。それでも何年かに1度回ってくる役員をやっていたりします。猫の世話をする等、猫と直接接触する活動は猫好きさんたちに任せ、その他のことでも構わないので運営に携わってもらいましょう。

アンケートの意義

このアンケート調査である程度の管理スタッフや捻出できる金額がみえてきます。そもそも、実は困っている人はそんなにいなければ、地域猫活動を始める目的がありません。

猫嫌いや、アレルギー、触れない人でも、会計や周知回覧板記事作成などの事務作業は可能です。猫好きさんは日々の管理に従事してもらいましょう。猫の被害者には、活動自体の監視役としての重要なポジションがあります。活動状況どうなってるんだ!と時には喝を入れたり、猫の遺棄に厳しい目を向けたり、不適切な管理を指摘したりです。むしろそういう人がいないと、地域猫活動ではなく愛護活動に傾いてしまいがちなため、必要な人材ともいえるかもしれません。

このようにアンケートを最初に実施することで問題、活動で発生しそうな課題、どんな人がいるかなどの全体像が見えてきます。

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当記事はホームページ上のブログ「本気で挑む地域猫活動」という記事の抜粋です。全文が気になった方は是非お読みください。


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