野宿の中学生 1日目 前半
盆の時期。
とりあえず早朝に家を出て、線路に沿って自転車をこいでいたら、たぶん目的地に着くんじゃないかな。宍戸くんはそんな気持ちでJR線を右手にペダルをこいでいく。当然そんなんだから、袋小路に出くわしたり、行き止まりにぶつかったり、隣町に着くころにはすでに昼になっていた。
彼は国道を走ることが都市間を行くということを知らなかった。
体中吹き出る汗のなか、持ち前の、まあそのうち着くさという楽天的な性格でじりじりと国道に近づく。国道にある道路標識を見て初めて、あーこの道をまっす