日記2023年3月③

確定申告を期限内に滑り込ませた。ファイルを買ってきて給与明細とか医療費の明細を整理するようにした。片付けというのはやってみると気持ちがいい。やるまでは気が重いけれど。

阿部和重の講談社文庫二冊買ってきた。高校生のときだったか『グランドフィナーレ』を立ち読みしたけどちゃんと読んでいなかった。「アメリカの夜」を読み始めて、これはドストエフスキーの「地下室の手記」なんではないかと思ってググったら、本人もそう言っているらしい。自意識についての小説は読むのが大変だ。「アメリカの夜」は語り手=中山唯生が中山唯生について語るという構造になっていて、唯生の書いたテキストを読むところから始まる。自意識というのは自分の(自分という)テキストを読むという二重性の表現が必要なのではないかと思う。

大江健三郎が亡くなって、戦後史の中での重要性と文学的評価についてネットで色々と見た。大江健三郎は読もうとするたびにうまく読めなくて跳ね返されていて、ほとんど読んでいなかった。今年は大江にも再チャレンジしようと思う。『芽むしり仔撃ち』にしようかなあ。もともとは今年は柴崎友香をしっかり読もうと言っていたのに気が変わるのが早いことである。

妻が半日休暇をとった。最近子供の風邪と自分の体調不良が続いていたから自分で調整して休みをとった。こういうことができるのはえらいなあと思う。お昼にお蕎麦を食べにいくことに昨日から決めていて、私は昨日の夜から何を食べるかずっと考えていた。暖かい日だったので冷やしたぬきそばにした。ユニクロで半袖Tシャツを買った。

体重を減らさなきゃいけないとずっと思いつつうまくいかなくて、当たり前なのだが、運動と食事制限を同時にやらないと人は痩せないのではないかと思い始めている。今までその日食べるものをその日に決めていたので、それも食事制限がうまくいかない原因なのだと思う。予定通りに動くということに対して昔から恐怖感がある。小さい頃は一年後も二年後もその先も学校に通い続けなければならないという事実が怖すぎて学校を休んでいた。永遠に続くカレンダーは死んだ人の時間である。そう見えていた。そこから否応なくはみ出すのが人間というもので、それでここまで生き延びてきたわけだけれど、それでもたまに怖い。

子供がYouTubeでパウパトロールを見始めて、とてもかわいいので親もハマってしまった。

子供が私の腹を叩いて「だむだむだねえ」とか「ぼるぼるだねえ」とか、「ボールみたい」とか言う。でもそれが「いいかんじ」らしい。

ウォーキングをし、食事制限をする。公園で犬を散歩させている人がいた。こういうとき犬と散歩をしていたとは言わないのは不思議っちゃあ不思議だ。犬が草むらで立ち止まって何か考え事をしている顔をしていて、飼い主は宙を見つめてぼんやりしていた。動物にペースを握られているときの人間はそれはそれで人間らしく見える。

トマト、セロリ、タマネギ、キャベツでスープを作った。スープでお腹を膨らませていく作戦でしばらくやっていこうと思う。たまにニンニクを入れてもよかろう。そのときの旬の野菜で。旬のものって比較的安いし。

子供がなかなかご飯を食べなくて、お菓子ばかり食べたがる。離乳食の頃からずっと食べる量が少なくて手を焼いた。無理に食べさせても食事が嫌になってしまったらかわいそうだし、保育園の給食は毎回頑張って全部食べているからまあいいか、とやってきたのだけれど、最近はだんだん子供自身もご飯を食べなければ親がお菓子を出してくれるということを十分にわかった上でご飯を突っぱねる様子が露わになってきたので、親も少し頑張ることにして、用意したぶんを食べるまで甘いものを出さないことにした。そんなの当たり前じゃんと思われる親御さんも多いだろうが、まあ色々な経緯と歴史があって我が家はこうなっていたのである。

あと一週間でとりあえず小説を仕上げて同人誌の編集担当相棒に送るつもりなのだけど、間に合うだろうか。

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