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頑張り続けているあなたへ

僕はカウンセリングを生業としていて、人々の精神的健康について考えたり学んだりする専門家です。
自分を削りながら頑張り続ける人のカウンセリングを担当したことがあります。
人はなぜ、時に削り過ぎながら頑張り続けるのでしょうか。
頑張りや努力によって得たものはたくさんあるはずで、たくさんの意味が内包されているはず。
人の頑張りとは何か、そして頑張ることとはどういうことか、少し掘り下げて考えてみました。

その頑張りには、大切な理由がある

頑張りのメカニズムは、頑張り続けないと、自分がダメな存在なのではないか、誰の役にも立っていないのではないか、という漠然とした焦り。
時にこの漠然とした「とどまることの焦り」が、達成意欲以上に、頑張るという行動にかきたてることがあります。
人間の行動、感情には全て意味があり、何気ないことも、「無意識の世界の自分からのメッセージ」だと言われますが、もし、とても頑張っている人に出会った時には、「この人にとって頑張り続けることは、ものすごく重要な意味を持っているのだな」と考えるようにしています。

「努力」は社会適応を強めるもの

現代社会には、「自立」や「自分らしさ」に重きを置く傾向があります。それは、「依存」や「迷い」を良しとしない同調圧力にもつながっていく。
現代人が頑張り続けることの背景には、社会全体の価値観への適応を意味しているように見えます。
漠然と追い立てられる状態が続いているのに、「できなかった」時は自分を責めてしまうのは、想像以上にサバイブしなければいけない状況と言えるのではないでしょうか。

頑張りに助けられる

「頑張っている自分」に嫌気がさして「こんな自分が好きではない」そうおっしゃる方が多いですが、その姿はとても素晴らしく、その努力は間違いなくその人の価値になっていて、色々な場面で助けになっているはず。
仕事、家事、子育て、ご近所づきあいだって、できて当たり前、ではなく、維持できていることは、本来ものすごい価値のあることのはずなのです。

頑張る自分を好きでいること

頑張り続ける人が、自分の努力を少しでも好きになれる、そんな社会であってほしいと願わずにはいられません。
まずは自分から。周囲に散らばる誰かの努力をキャッチして、認められる人間になりたいなと思います。
人は一人では生きられない。他者への依存で成り立つ存在であることを認めて、正しく主体的な「ありがとう」を、皆さんの周りにも少しずつ生み出してください。

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cotree advent note 56日目
https://note.mu/kaz_hirayama/m/m7af22fc58495
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