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log1:「マンガでわかる認知行動療法」のワークは少し気を楽にしてくれるかもしれない

1冊目から認知行動療法、もういきなりメンタル悪い人のムーブをやっていく。この本のマンガ部分は専門家ではない支援者が支援対象に対して認知行動療法の考えやワークを行うことで彼らに寄り添い支援を行うという形で書かれていて、ケースごとにまとまっていて読みやすかった。

今回の本「マンガでわかる認知行動療法」はこちら。(出版社HP)


(※この記事には私が実際に行ったワークの写真を入れてありますが、手書きの文字をそのまま写しているので見苦しい点が多いです。ご注意)


【今回の本選びについて】

そもそも認知の歪みが激しい自覚があり、落ち込むときはとことん落ち込みやすいのが私である。

以前から認知行動療法については興味があったが、本を選んで手にとる気力がなかった。(本、出すぎ)

この本は私の利用している図書館の新刊に偶然入っていたため、この機会に読んでみようかなと借りてきた。仲良くしてくれている図書のお姉さんからも「わかりやすく実践もしやすいと思う」とのオススメもあったのが大きい。

ほんなら今まさにメンタル悪い自分でワークしながらやってみましょうかね、というのが今回のテーマです。

私自身は心理関係の専門家ではないので、やり方が合っているかどうかは不明だし、専門の人から見ればツッコミどころもあるかもしれないです



【内容と感想】

「まあ正直世の中そんなに自分の苦境を理解してくれる人ばかりではないけれど、話聴いてくれないとか人格否定してくるとかの悪い人ばかりでもないだろうね」

いきなり斜に構えたような感想になってしまったけれど、そうなるのもしょうがない気がする。

この本は「三人の保健師さん(とひとりの教員)がそれぞれ支援している方の支援方法に悩み、そのサポートとして認知行動療法を取り入れる」という筋書きで進行する。

その中で、それぞれのケースに応じて認知行動療法のワークを行っていくのだが、読者も自分でワークができるようにワークシートがついているし、うまくいかないときはこうしてみるとよい、などの補助の情報もきちんと書かれているので取り組みやすい。支援者向けの本ではあるが、自分のメンタルセルフケアにも有用かと思う。


さて、相談者は悩みを解決していく中でそこそこ「周囲に話をする、助けを求めていく」→「上司や家族から手助けをしてもらう」といった流れになるのだけれど、個人的にはここまでうまくいくのは運がいい人だな…と思ってしまう。

世の中、余裕のない人間は全然こちらの話を聞いてくれないし。

自分の環境に変化を与えたいと思って勇気を出して相談しても、上司や家族にすげなくされることも多いかなと思う。

そうは言っても自分の中に閉じ込めているだけでは何かが動くこともない…というのも勿論そうなので、「自分の周囲の状況を見て力になってくれそうな人を探しつつ自分でも少しずつケアしていく」、というのが現実的な落としどころなのかな。

そのための自己ケアであったりとか、支援者の人と一緒に自分の考え方や認知を客観的に見つめなおす手法として認知行動療法の考え方を取り入れたらいいように感じた。



【実際にワークしてみた】

さて前回の読書logに挙げたように今絶賛メンタルが悪い時期にある。ので、当然読むだけではなく本書を用いての自己ケアを行ってみようと思う。


本書には、大きく分けて

①自分の置かれた状況や精神状態、自動思考に気づくための「認知再構成法」

②行動を通して元気を取りもどす「行動活性化」

③具体的に行動計画を決めて実行・実験してみる「問題解決技法」

④怒りや不安、緊張をコントロールする際の認知行動療法の活用

の四つの章がある。

各章にそれぞれワークシートが用意されているが、とりあえず即できることとしては①の認知再構成法のワークがあるので、これをやりつつ、②の行動活性化についても少し取り入れたいと思う。


「認知再構成法」の手法についてであるが、

今の自分の状況・感情を書き出す→

それに関しての自動思考(状況に際して頭に浮かんでしまう考え)を書き出す→

その反証・客観的に見てどうか?をまとめる(適応的思考)→

以上のステップを踏み、どのように気分が変化したかを書き出す→

期待する現実に向かうために何をしてみるかを書き出してみる

以上の5ステップを踏む、となっている。詳しくは本書の内容に譲りたい。


さて、自分自身のワークについてこれから記したい。

前提として、私の今の仕事はいわゆる事務経理財務総務の何でも屋に近いものだが、この職種の宿命として定期的な監査がある。

これが気が散りやすくミスも多い私にとっては非常に重いプレッシャーのかかる仕事であり、休みの間もこれがちらついては職場に向かってしまうほどには心を占めてしまっていた。(ちなみに先日終わった。修正すべき点や指摘はあったが概ね無事終了といった感じだ)

仕事についてメンタルを悪くする要因はほかにもたくさんあるのだけれど、とりあえずこれがひとつの原因であることは確かなので、上記の5ステップに基づいて以下のとおりノートに書き出してみた。


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メンヘラか

でもまあ、自分に向き合うってこういうところはあるよね


書き出した内容については概ね上記のとおりだが、3や4で整理した部分、思考の変化に気づいていただけると思う。

3でもそこそこ自分の思考を責める自動思考的な部分はあるが、最終的に「仕事の成果と評価は、私自身の価値そのものではない」という点に気づけたのは大きかったと思う。

これは仕事だけではなく作品を制作する人間にも往々にしてあると思うのだけれど、成果物の評価=わたし自身の価値 と思ってしまうところが結構あるのではないだろうか?

客観的に考えるとそうではない。

クソみたいな人格だけどいい絵を描く人間なんていっぱいいるし、仕事はできても部下にパワハラする人もいるし、優しくて人当たりもよく悩みを聞いてくれるけれどパソコンの事務がまるでできないなんて人もいる。

仕事の成果がその人の評価を上下することは当然あるが、それを持ってその人自身の価値が測れるかと言われればそうではないのだ。人間は多面的な存在だから、できることもあればできないこともある。

だから、仕事のみに注視し、狭い範囲で自己評価をしてしまう必要はないように思う。

勿論、仕事ができるに越したことはないので(できることが増えれば自己効力感を醸成できる)、ミスを減らしたり自信をもつために周囲の協力を仰いだり、気分転換の方法をもったり、といった行動も必要になる。


さて、この後の章においてはどのような行動をすると自分自身の心の健康につながるのか?ということを1週間書き出してみて、それをもとに「元気がないときにはこういう行動を試してみる」という回復方法について丁寧に書かれている。

1週間の行動を思い返せるわけがないので、とりあえず今思いつく「わたしが気分を楽にできる行動」を書き出してみることにした。


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結構あるな!


気分が乗らないときは基本的に何やっても楽しくないのがメンタル悪奴あるあるで、加えて私は酒でなんとかしがちなアル中予備軍的なところがあるので酒は気をつけたほうがいいのだが、こうして挙げた中にも取り組みやすいものはあると感じた。

特に音楽をかけながら何かをする、というのは、趣味の作品制作や掃除の際にもやっていることだから、具体的に元気は出なくてもほかの行動に繋げるスイッチとして有用であるように思う。

また私は思考に集中しすぎるきらいがあるので、こうやって本の感想を書いたりゲームしたりで思考を別のことで満たしてしまうのも結構気楽になれると思った。

二次創作の小説を書くのもかなり気分転換になるのだけれど、これについては元気がないときはうまく文章が出てこなかったり無意味に暗いネタが出てきたりしがちなので、できれば元気のあるときにやりたいかも。

あと犬ね、犬モフモフしたいわね


さて、以上のワークを通して実際問題として仕事が進んだとか、明日からミスがゼロになるとかそういうことはまずない。

ただ、自分の心の思い込みについて客観的に把握し、意識的に反証やバランスのとれた意見を書き出してみることによって、私自身の思考について過度に悲観的になっている部分を穏やかにできたようには思う。

明日からバッチリ!とはいかないが、前に進む手立てはひとつ手に入れられたのかな…という感触を得た。


以上が自分のワーク実践と感想である。


ところで、この本は支援者向けかなと書いたけれど、本書の中には「支援者はどのように声かけをしたらよいのか」について、OK例とNG例が取り上げられており、思考のドツボにはまっているフレンズやご家族をお持ちの方には参考になるところがあるように思う。

私自身こうしてメンタルを悪くしてはいるが、仕事柄お客様のメンタル相談に乗る必要もある。

そういったときに、相談してきてくれた方をどのように受け止め、置かれた状況や思考状態についてなるべく本人と齟齬のないように描き出しながら支援をしていくか?ということについて、本書の内容を心において対応してみたいと思う。


自分もなんとか健康でありたいし、自分にかかわってくれる人にもなるべく健康でいてほしい。

すこし落ち着いた心でそう思っている。



(了)




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