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認知特性を調べていたら見えてきた自分の特性が結構ヤバかった話

認知特性という言葉、知っているだろうか?

私は、息子の発達について勉強する中でこの言葉に出会った。


認知特性とは、五感を使って外から取り入れた情報を脳内で整理→理解→記憶し、それらを表現する能力のことで、人によってその処理の方法に得意不得意が生じます。「みんなできているのに、自分だけできない」それは、自身の能力や熱意が劣っているわけではなく、認知特性の違いのために、100%の力を発揮できていないという可能性があるんです。

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人によって、「目で見て理解するのが得意」「耳で理解するのが得意」というように、得意不得意があるということだ。


息子の発達の検査、WISKの検査結果を見ると、知覚推理という項目がものすごく高くて驚いた。これはつまり、見える情報から推理する力が高いということだ。認知特性の中でも視覚認知がとても高いのだ。


たしかに、と、不登校になる前の小学校の参観日を思い出す。



授業中は、みんなの様子をキョロキョロ見ながら、1歩遅れて動いてたが、まだ1年生の最初だし、こんなもんだろうと微笑ましく眺めていた。

ちょっと驚いたのは、帰りの支度をする場面だった。

先生が、みんなを静かにさせて話した。

帰りの支度をすること、いつもの支度の手順の説明、今日は体育着を持ち帰ること、給食当番の人は給食袋を持ち帰ることなどを、大きな声ではっきりと説明した。

説明が終わると子どもたちは一斉に席を立ち、動き出した。


息子は周りの子どもたちを見て数秒間キョロキョロしながらその場に立っていた。

周りが何をしているか分かったのだろう、ふいに焦ったように走り出し、名札を置きに行ったり、ランドセルを取りに行ったり。

席に戻ったところで、支度の終わった周りの子たちを見て、また走って体育着を取りに行った。そして席に戻り、また周りを見回し、給食袋を取りに走った。


息子の帰りの支度が終わったのは、1番最後だった。



別に最後でも問題ないのだ。

だが、息子の表情は真剣で先生の話を聞いていないようには見えず、走って取りに行くなど動きも素早かったのに、結果が遅かったことが気になった。


あの時息子は、先生の話を聞いているように見えて、実際は聞こえていなかったのではないか?

もしくは、最初の指示だけで頭がいっぱいでその他の指示が聞こえていなかったのでは?

聞こえているけど、処理しきれなかったのでは?

何をすべきか、先生の指示が分からず、周りの行動から推測して動いていたのでは。


しかも、完璧主義で不安が強い子だから、間違えたくない。

だから周りを見て、何をするかの推測が終わって、行動し始めるまでに時間がかかる。

だから終わるのが1番最後になる。


特性だったのだ。


息子の特性が分かったので、今後は対処をしてあげればよい。

帰りの支度だとわかる絵を持ちながら、支度をしようと伝えて、支度の手順のイラストを見せ、体育着のイラスト、給食袋のイラストも見せたりすればよい。

(不登校だけど、今後の支援は考えていきたい)



認知特性は早めに知って理解しておいた方がいいなと感じたできごとだった。







そうやって息子のことを学んでいるうちに、私自身も、自分の認知特性を考えたりしていた。


私自身は、視覚優位なのか、聴覚優位なのか。


そこで思ったのは、つい先日のzoomでの在宅ワークの打ち合わせでのこと。


打ち合わせをしている最中に、気がついたら何も聞いていない瞬間があったのだ。

いや、ちゃんと画面に映る共有資料を見て真剣に聞いていた。

なのに、全く内容が頭に入らない数秒間があった。

その時何があったか焦っていてあまり覚えていないが、息子が隣の部屋で遊んでいる音に一瞬気を取られていたか、直前の会話の内容を理解するために頭を使っていたか…。

とにかく、気がついた時には相手の話が知らないところに進んでしまっていた。


でも、私も息子同様に推理が得意なので、必死で現在の会話の内容や画面の資料から、何を話しているか推測する。


つまりこういうことですか?と確認を入れてみた。


合っていた。

今回は、合っていた。


こんな事は初めてではないのだ。


推測ができずに正直に謝ったこともある。

難しい説明を理解していて、簡単な説明の時に聞き直したりするので、相手の方も驚く。


人によっては話を聞いてなかったのかと怒りだす。


当然だ。


一生懸命説明していたのにまた同じ説明をしなければいけないのだから。


怒られるのが嫌だから、分かったようなフリをしてしまい失敗したこともある。

そちらの方がのちのち大変だったので、推測が当たらなかった場合は正直に聞き直すように頑張るのだが。


人数が多い会議であればなおのこと、この現象が起きやすく、しかも聞き直しづらく、諦めたりした。

だから自然と、打ち合わせや会議というものに恐怖心を抱くようになった。



小さい頃は多少のことは推理力でカバーできていたが、仕事となるといつもと同じ内容でない限り、難しかった。


ただ私にとって幸運だったのは、仕事が主にプログラム開発だったので、設計書を読めば良かったことだ。

設計書に書いていないこともまあまああるが、それは書いていないというミスでもあるので、質問しやすい。

また、行間を推測するのが得意だったから、もしやこうなのでは?と考える。

そして、「本来書いてあるべきことが書いていない、だから確認の履歴を残す」という意味でQAを資料にしていった。

丁寧な確認作業と資料は喜んでもらえた。


打ち合わせさえ乗り越えれば…。


いや、他にも私には苦手なことがたくさんあるのだが、今回のテーマではないので、まだ内緒にしておく。




とにかく私も、息子同様、音での入力、聴覚認知が苦手なタイプと思われる。

そして、LiD/APD聴覚情報処理障害の要素も多少なりとあるのだろう。

聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorder: APD)とは、「聞こえている」のに、「聞き取れない」、「聞き間違いが多い」など、音声をことばとして聞き取るのが困難な症状を指します。通常の聴力検査では異常が発見されないこの症状は、耳から入った音の情報を脳で処理して理解する際に、なんらかの障害が生じる状態だと考えられています。

聞き取り困難症・聴覚情報処理障害(LiD/APD)
「LiD/APDとは」


多人数での会話はとても苦手で、入っていけない。コミュニケーションが苦手だからだと思っていたが、認知特性の問題も大きいのかもしれない。



実は、大人になってから有給をとり、耳鼻科に行って検査をしてもらったことがある。

仕事でたびたび困ったことが起きて、家族や周囲にも耳が悪いのではと指摘され、耳の病気かも…と思ったのだ。


耳鼻科では音が全く聞こえない時があると訴えて検査をした。


検査の結果は異常なし。


耳鼻科の先生も首を傾げていた。


それもそのはずだ。


耳の異常ではなく、脳の特性だったのだから。


検査は静かな所で行われたし、邪魔もなく検査にだけ集中するので、特性の問題が起きない。


なんということだ、私は検査に行く場所を間違えていたのだ。



最近は自分を理解したので、私はだいぶ遠慮なく聞き直すようになった。

学校や発達支援教室の先生にはすぐに聞き直す。

危ない時は先に特性の話をしておいた方が良さそうだ。



余談だが、たまに買い物でも失敗する。


店員「ポイントカードはありますか?」


私(ん?今ききとれなかったけど、袋かな?)

「袋あります」


店員「あ……はい。」


私(あ、なんか違ったっぽい汗)


店員「…ポイントカードはありますか…?」


私「あっ、ポイントっありませんっ!すみません!汗」


もう、聞き取れないのが普通のことなので、自然と推測してしまう。

いつも同じ順番で同じ内容を聞いてくれれば問題ないのだけど。


ウエル○アさんは、ポイントカードを聞く順番がTカードの次にWAONカードなのでここはいつも間違えない。

ドヤってカードを出せる。


でも急に、

「Tポイントご利用されますか?」といつも聞かれないのに聞かれると、

「え、今なんて?」

となる。

推測できず、

「いりません」

とか適当に答えて、お店を出る時の入口のポスターで、今日が20日のウェル活デーだったと知るのだ。


(イケてる店員さんだと、1.5倍でご利用できますが、と後押ししてくれるので、有難いことこのうえない。)





とにかく私は耳からの情報処理が苦手ということなのだ。


ということは、消去法で、目からの情報処理が得意なはずだ。


そこで、こちらのIQテストをやってみた。


やってみると分かるが、内容は読解力(引っかけに引っかからずに正確に読み解く)と視覚推理(図形やパターンの一部が隠れていて推理する)だ。


結果はIQ148だった。

簡易的なもので、たった10問なので、正確な数値では全くないので安心して欲しい。←


分からなかったのは最後の1問だけ。

他は自信を持って回答できた。

読解と視覚推理は大得意なのだ。


IQ高っ!もしや私、天才かもしれない!?


つい鼻高々になりそうなところだが、この問題、時間をいくらかけても良かったし、聴覚認知に関するテストや短期記憶など、私が苦手な分野の問題は一つもないのだ。


得意分野のみなのだから、点数が高くて当然。


息子がやったようなIQが分かるテストでは、私の苦手分野もしっかり入っているので、実際に私のIQがこんな点数になることは有り得ない。


でもこのテストの結果から、私の認知特性は視覚優位に違いない、そう確信を持った。






ところで、



私は在宅ワークに興味がある人の集まるオンラインの居場所Wemakeというところに、常にいる。

一人ひとり部屋を作って発信できるのだが、そこにほぼ住んで、頭の中をぼやいている。


(自分の部屋が設定で見えなくなった時は、「家に帰れない泣」と運営さんに泣きついた。無事設定で解決した。)


そのWemakeのメンバーの1人、さちえさんがstandFMを始めたと個人部屋に書き込んでいた。

私はワクワクしながら聞きに行った。


さちえさんはとても知識豊富で、勉強家だ。

Notionの知識や使いこなし方はすごいし、新しく学んだこともあっという間に吸収してかなりのレベルでアウトプットする。


さらに彼女の素敵なところは、その知識や勉強の成果を、周りに「良かったら…」と控えめな声で(文字だけど)、惜しみなく提供してくれるところだ。


私のように大音量で「ねぇー!見ーてー!!ほーめーてー!」なんて言わない。


しかも提示の仕方がすごく控え目なのに、みんなが絶対喜ぶものや、出来栄えがとびきり特上なものばかりで、毎回ビックリさせられている。


私の内心はこんなである。

こ、この超大作もらっていいの!?歓喜!!

え!?このクオリティで無料でやってるの!?驚愕!!


とにかく、人柄が心配になるくらい最高で、そんな心配無用なくらいにデキル方なのだ。


その、さちえさんのstandFMだ、聞かないわけが無い。

(ラジオを聞くのは得意ではないけれど、全部聞き取る必要もないので、standFMは気楽に聞いている。)

 

その中で、うんうん、私も私もーと共感しながら聞いていたら、なんとタイムリーに、認知特性の話が出たのだ。


さちえちゃん私のために!?(違う)


さちえさんのstandFMをぜひ聞いてみて欲しい。

認知特性の無料の簡易診断のリンクを概要欄に貼ってくれていたので、私はさっそくやってみた。

みんなもstandFMのリンクからやってみて。



私はもちろん、視覚優位って結果が出るんだろうなとワクワクしながら問いに答えていった。

ところが、40問まで、一つひとつやりながら、私の中には違和感がムクムクと湧いてきた。

なんか、違うぞ?

例えば、人の覚え方や、思い出し方についての設問。

視覚優位の答えっぽい回答に、私の実際の感覚がなかなか当てはまらないのだ。








私はそもそも、人を覚えることが苦手だ。

何度も会って、やっと顔を覚えられる。


いや、正確には、覚えられるけど覚えていない。


は?←


いや、そんな顔しないで欲しい。

私も書きながら、は?と思った。

私、ちょっとヤバいのでは?

でも考えてみるとそうなのだ。



会ったらちゃんと誰だか分かる。

だから覚えてはいるはずなのだけれど。


だけど、目の前にいない時に思い出す顔が、のっぺらぼうに近いのだ。


目が悪い訳ではない。

会っている時はちゃんとのっぺらぼうではなく見えている。


なのに、記憶の中の姿は、ピントがあっていない写真のような。

ピントが合っていないから、細部が思い出せない。

会って数回だと、メガネをかけていたかどうかや、髪型などを覚えていない。

10回くらい会っていると、メガネをかけていたとか髪を結んでいたとかは分かるが、メガネの色や形、髪の長さまでは覚えていない。

 


申し訳ない、私は犯人のモンタージュ作成になんの協力もできない。(なんの話し)



あれ?私は視覚優位の、写真のような記憶方法じゃないのでは…。


(ちなみに、Instagramなどで毎日見ている人の顔はわりとのっぺらぼうじゃなく思い出せるのだけど。単純に目にする回数だろうか。)






名前を覚えるのはもっと苦手だ。

意識的に何度も名前を呼んだり書いたりしてみたり頑張って覚えようとする。

それでも数日経つと忘れてしまう。


そこでどうしても覚えたい人の場合は、会っている時に、名前からイメージした映像を頭の中で考えるようにしている。


田中さんなら、目の前の人を頭の中で田んぼの真ん中に立たせて、「田んぼの中の田中さん」と覚える。

佐藤さんなら、大量の砂糖を食べさせて、「甘い砂糖大好き佐藤さん」。

鈴木さんなら、木の横で鈴を振ってもらい、「木で鈴振る鈴木さん」。


次に会った時には、表面的にはニコニコしながら、必死に名前を思い出すため、頭の中で田んぼに立たせたりしている。

田中さん、ごめん。


初対面の時などは、緊張からか、会話をするのに精一杯で、うっかりこの作業を忘れてしまう。

顔も名前も全く覚えられずに終わるミスを何度もやっている。

どうしようもない。


ちなみに、顔はのっぺらぼうで中々覚えられないのだが、会った瞬間にこの人はあの人だ(名前は出てこないのだけど)、ということは分かる。

なぜなんだ。

きっと何かこれも脳かなんかの特性…。

私、結構やばそ?





診断を解きながら、うーん、私は視覚優位と言えるのだろうか、違うのだろうか、と首を傾げる。何せ顔、覚えてないんだから。





40問終えて出てきた答えは、予想外、いや、想像もしない答えだった。




あなたの認知特性は「ファンタジー」タイプでした

本田40式認知特性チェック結果



ふぁ?


ファンタジー??



えっと…。

ファンタジーって、私が好きな!?

私がファンタジー小説大好きなのなんで分かるの!?

そんな設問なかったけど!?

はてしない物語に、ハリーポッター、空色勾玉、十二国記、精霊の守り人、あー最近読んでいないけどまたファンタジー小説をむさぼり読みたい!!!



思考が一気に小説の世界に飛んでしまった。

思考が多動。



いやいや、意味がわからない。

視覚とか聴覚とかじゃないの??



改めて続きを読む。




ファンタジータイプは、文章を読んで情景を想像しそれを記憶するのが得意なタイプです。

本田40式認知特性チェック結果


ファンタジー好きってことではなかった。

そりゃそうだ。


…どういうこと?

急いで検索する。



言語優位:ファンタジータイプ

読んだり聞いたりした内容を映像化して思考するタイプ。

言葉から映像が想像できるタイプなので、覚えたい情報はストーリーに仕立てて覚えておくとGOOD。

スタディサプリ「認知特性が導くタイプ別学習のススメ」


まさに。

私が人の名前を覚えるやり方そのものだ。


なるほど。

私は、視覚優位ではなく、言語優位。

しかも、映像化して覚えるから、ファンタジー。


認知特性に、言語優位というものがあったのか。


確かに頭の中での映像化は得意かもしれない。

小説の世界にどっぷりハマれるのもこの特性のおかげなのかもしれない。



私の認知特性は、言語優位のファンタジー。



今後は大事なことはできるだけテキストメインからストーリー仕立てでタスク化しよう。



すぐ忘れる買い物タスク。


なんでだろう、買いに行ったものを買わずに別のものを買って出てくることがほんとによくあるんだ。


明日ボディソープを買う。


これを薬局に行ってどの辺にあったか想像したり、ボディソープがなくて困っているイメージをするとこうなる。

明日は薬局の、入り口から見てやや左側。ボディソープコーナーに行き、ダブの青い液体のパックを買う。買い忘れるとシャンプーや洗顔ソープで洗うことになるからもったいない。(シャンプーや洗顔ソープはちょっと高いよね。)


自分が買う様子をイメージして思い浮かべる。

うん、これなら薬局にいけばきっと、思い出せるだろうな。

薬局にさえ行けば。

…薬局に行くのを忘れないようリマインくんにセットしておこう。

こうやって、上手く特性を活かせば、私の困り事はほんの少しだけ、減らせるだろう。

自分を知って、自分らしく。

自分をしっかり、楽しんで。



みんなもぜひ、認知特性、調べてみて。


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