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【連載】バイノーラル音声作品って、どんな風に制作するの?(1)

みなさんこんにちは。

ボイスプラン事務所の林田です。

さて、ここまで一週間に最低1投稿をクリアしていますが、どこまでこれが続くか見ものですね(人ごと)。

という冗談はまあいいとして……

本日から、少し連載チックなことをやってみようかと思います。

題して、

「バイノーラル音声作品って、どんな風に制作するの?」

と、いうことで、どのようにしてバイノーラル音声作品の制作されているかのお話です。

どちらかというと、プロデュース側の話になってきますので、音響の技術的な話はほぼほぼ含まれない内容になってくると思います。その点は予めご了承ください。

今回は、企画を起こしてからイラストとシナリオの発注までの話を綴っていこうと思います。

1.まずはどのような作品を作りたいか企画しよう

ということで、まずは企画を起こすことから始まります。

最初は簡単に、どんなお話にしたいか、考えてみると良いでしょう。

プランニングの基本的な考え方として、まずは大きいところから決めて、それから細かいところを決めていくのが、企画を起こしやすいと思います。

「お姉さんに癒されたい!」「ツンデレに甘えたい!」「ボクっ娘美少女に女の子らしく振る舞うようにお願いして、頑張って出す猫なで声で萌え死にたい!」

今、この記事を執筆しながらサッと思いついたものを書きましたが、こんな感じです。

で、お話を決めると、自然と「キャラクター」「(聞き手の)女の子に求める感情」がなんとなく決まってきます。

そこから「どのくらいの長さの作品にするのか」や、「登場するキャラクター」、「そのキャラに合う声優さん」を決めていくと、難しく考えることなく決まってくるのかなと思います。

ちなみに、ここまでの話で決まってきた内容などは、

企画書としてまとめた方が良いです。

僕はきちんと企画書にして情報を整理してまとめますが、仮に企画書を作った経験がない場合などは、無理にまとめなくても、テキストベースできちんと情報を整理した方が無難です。

ただ、次の記事で書く予定の、「音響会社や声優さんへの発注」を行う場合に、企画書にまとめて正式な書類としてまとめた方が、受注してくれる確度は上がりやすいです。

特に、いわゆるプロの声優さんが所属しているような事務所に発注をする際は、企画書にした方がいいでしょう。

[少し番外編]UX(ユーザー体験)導線の設計

ここで、少し零れ話といいますか、ちょっと難しいお話を。

いきなり「UX」とかいう訳わからない英語が出てきましたね。

某スーパーロボットたちが戦うゲームのサブタイトルではありません。

UXとは、User Experienceの略で、しばしば「ユーザー体験」と訳されます。

「人がモノやサービスに触れて得られる体験や経験のこと」なんて言われます。

林田は過去にUXについて軽く学んでいた時期があったので、音声作品制作でもこのUXの考えを使っています。

このUXについて語ると長くなるので省略しますが、めっちゃくちゃかいつまんで言うと、

「聞き手は作品を聴いて、どのような気持ちになって欲しいのか」

という点を意識すると、よりユーザーにヒットする企画やシナリオに洗練されますよ。ということです。

変な話、制作者自分もユーザーになり得るので、自分の欲望に忠実なのもUX導線としては僕は正しいと思います。

が、おそらくここが、

「趣味で作る」「商品として作る」の大きく異なる点になるかと思います。

「商品として作る」場合は、ここから更にマーケティングの話になったりするのですが、この記事の主題はあくまで「どうやって制作しているのか」なので、省略します。

今度、この難しい話も記事に出来たらいいなぁ。反響があったら考えます。

2.イラストとロゴデザイン、シナリオの発注をしよう

零れ話が長くなってしまいすみません。

はい、企画が大まかに中身を実らせたら、次は音声作品制作に必要なモノを発注しましょう。

まず、イラストとロゴデザインですが、「なんで項目が分かれて表記しているか分からない!」という方もいらっしゃると思います。

僕もつい最近までそうでしたが……

イラストを描くスキルとロゴデザインを描くスキルは、「視覚表現」を司る意味では同じものの、根本としては異なるそうなのです(僕は絵を描けないので、僕の知り合いのイラストレーターさん談です)。

つまり、「私よりロゴデザインを描ける人がいるから、ロゴデザイナーの人に別で発注した方が良い」となるパターンもある、ということです。

無論、イラストとタイトルロゴを一括で引き請けてくださる方もいるので、そこはケースバイケースですね。

ということで、発注の話に戻るのですが、

イラストの発注で大事なのは、「情報量」だと僕は思ってます。

この情報量というのは、

「発注そのものの情報の量」+「イラストに必要な情報の量」

です。

まず、「発注そのものの情報」というのは

「案件名(=タイトル名)」「発注額(予算)」「納期」「サイズ」「納品形式(基本的には[png]か[jpg]だと思います)」

といったイラストの中身ではなく、発注に伴う案件の内容や発注額などの情報です。

次に、「イラストに必要な情報」ですが、これは

キャラの「身長」「体重」「3サイズ」「髪型」「髪の色」や、「構図」「背景のイメージ」

などのイラストとして描かれる内容の情報です。

また、「イラストに必要な情報」は、文字情報だけではなく、イメージしているキャラクターの画像などをサンプルで貼ると、とても効果高いです。

ちなみに、このイラスト発注に関しても、イラスト発注書を作った方が無難ですが、テキストベースでも問題はないと思います。ただ、受注者に伝わりやすくテキストを整理することは重要です


次にシナリオの発注です。

こちらは、企画時点でまとめたテキストor企画書は必須です

というのも、シナリオを書くにも、発注者のイメージと相違があると、発注者の想い描く「(聞き手の)女の子に求める感情」(つまりはUX)と異なってしまう可能性があるからです。

要は、シナリオが想い描いていた展開とかキャラ設定とかと全然違う!ってなりかねないってことです。

これを回避するために、「プロット」があると、シナリオを執筆する上でイメージの相違は産まれにくい(プロットを基にシナリオを起こすから)です。

ただ、この「プロット」はなくても構いません。僕もプロット作成からシナリオライティングをお願いしますといった依頼を受けたことありますし。

その代わり、再度となりますが、企画時点でまとめたテキストor企画書は必ず目を通させましょう

で、シナリオライターの方が質問などをすると思いますが、そこで徐々にシナリオに必要な情報を詰めていけば問題はないかと思います(これはイラストに関しても同じですが)。

あとはイラスト発注でも記載した「発注そのものの情報」も当然必要になります。

シナリオの場合は、「納期」「発注額(予算)」はイラストと同様ですが、「文字数」が必要です。

ただ、バイノーラル音声作品の場合、環境音を楽しむ側面もあるので、そのような場面の尺を考えると、文字数はどの程度が良いのか不明な場合もあると思います。

基本的には10分=1,000文字で換算すると良いとは思いますが、例えば添い寝するなどでセリフがない(寝息のみで時間が進行する)場合、10分でも文字数は100文字になる場合などもあるので、ケースバイケースです。

最悪、文字数はシナリオライターと要相談で良いと思います。あくまで、「このくらい書いて欲しいです」くらいのニュアンスで最初に伝え、シナリオ執筆中にシナリオライターと相談しながら流動的に決めていくのも問題はないと思います(僕は問題ないと思っていますが、他のシナリオライターさんで最初からカッチリ決めて欲しいという方がいたらすみません)。


3.まとめ

ということで、まとめです!

①企画を考えるときは、どんな話にしたいかをまず考えよう!

②企画で考えた内容は、企画書orテキストベースでまとめよう!

③発注で大事なのは「発注そのものの情報の量」+「イラストに必要な情報の量」

はい、超超かいつまんでまとめました。

大事な要点は、上の3点かな、と思います。

音声作品作ってみたいよ!って方は、ぜひ参考にしてください。


ということで、次回予告!

次回「バイノーラル音声作品って、どんな風に制作するの?(2)」では、

音響会社や声優さんへの発注から収録決定、収録まで

を書いていこうと思います。

結構、ここ、気になっている方は多いんじゃないでしょうか。

乞うご期待!

では、今回はこのへんで。また次回!


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林田 悠汰(記事執筆者)Twitter:@yuta_hayashii

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