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#静かな温泉旅 なら、信州上田へ (1)Introduction

本州の真ん中らへんにある長野県。
地図を見ると南北に長く、いくつかの町が点在しています。
そんな中で大きな町といえば、県庁所在地の長野市(人口約37万人)と、国宝松本城のある松本市(人口約24万人)が、ツートップ。
ともに、国内外から多くの観光客が来る町です。

人口で県内第3位なのは、上田市。(人口約15万人)
松本と同じく古くからの城下町で、有名な武将「真田幸村」ゆかりの町でもあります。
長野や松本に比べると、上田の町を歩いている観光客は多くはないのですが、自分の中では、上田が一番好きです。
ひとり静かに温泉旅をするとしたら、上田に行って、上田の近辺にある温泉に行くのが「ちょうど良い」のです。

上田には北陸新幹線の駅があり、東京からは1時間半という近さ。その上田駅から電車やバスで行ける温泉地が、いくつかあります。
そして、どの温泉地も静かに過ごせるところです。
交通の便が良くて静かに過ごせる。うん、ちょうど良い、というわけです。
そして、そのちょうど良い感じを気に入って何度も繰り返して上田に行くたびに、じわりじわりと上田を好きになっている、そんな状態。

自分が初めて上田市の温泉に一人で泊まったのは、2006年。これを書いているのが2024年なので、もう18年も前のこと。
泊まった温泉は、鹿教湯温泉でした。
鹿教湯と書いて「かけゆ」と読みます。学生時代に受けていた旅行関係の授業で、そのちょっと変わった名前だけは知っており。
それで、何となく鹿教湯温泉に行ってみようと思い立って、ネットで宿を予約して出かけたのでした。

鹿教湯温泉は、山の中。
その昔、傷ついた鹿が温泉で傷を癒しているのを猟師が見つけたのが、鹿教湯温泉のルーツだといいます。鹿が教えてくれた湯、というわけです。

初めて行ったときは松本からバスで向かいました。鹿教湯温泉が上田市にあるのも、上田から行った方が便利なのも知らなかったのです。
松本まで高速バスに乗ったのですが、道路の渋滞で時間がかかってしまい、鹿教湯温泉に着いたのは夕方のことでした。
鹿教湯の温泉街には少し大きな病院があり、その近くにお店がいくつかあります。和菓子屋、蕎麦屋、カレー屋、カフェ、酒屋。
こじんまりした温泉街ですが、お店は結構そろっています。
温泉街の向かいには小川が流れていて、屋根の付いた橋を渡ると、古そうなお堂が建っていました。

宿にチェックインして無色透明の優しい温泉に浸かり、お部屋で食事をいただき、ぼんやりと過ごす。
ただそれだけの、ささやかな1泊2日でしたが、自分にとっては「ちょうど良い」感じの温泉地でした。

それ以降、あちこちの温泉に出かけるようになるのですが、鹿教湯温泉は静かな割に寂れた感じがないのが良いところだな、と。
静かな場所でくつろぎたいのですが、寂しいところはちょっとな、という時は、鹿教湯温泉がちょうど良かったのです。

それで、数えてみると鹿教湯温泉へは10回以上泊まっています。
さらに、鹿教湯温泉のある上田市や、その近辺にある他の温泉地へも出かけるようになりました。
鹿教湯温泉のお隣にある静かな秘湯、霊泉寺温泉。「信州の鎌倉」こと、別所温泉。上田市の隣の青木村にある、田沢温泉や沓掛温泉、などなど。
いくつも温泉地があるので、どこの温泉に行こうかいつも目移りします。

毎回、新幹線や高速バスで上田駅に着いてから、すぐにローカル線や路線バスに乗り換えて、温泉地を目指していました。
早い時間に温泉宿にチェックインして、長く滞在したかったのです。
そんな風に、自分の中では上田の町は、旅の通過点でした。

ただ、最近は、上田の町にいる時間を長めに取るようにしています。
上田の町の有名観光スポットと言えば、真田氏ゆかりの上田城。ですが、それ以外にも、いろいろ興味深そうなのです。
例えば、上田の町には美味しそうな飲食店が多そう。信州そばだけではなく、上田名物の美味だれ焼鳥、あんかけ焼きそば等々・・・
温泉街にも飲食店はありますが、数で言えば、上田の町の方が多いです。

お土産も同じくで、上田の町にあるスーパーなどで探すと面白い。
上田には地元スーパーのツルヤもありますし、上田のイトーヨーカドーでも地元のお土産を買えます。
そんな食事や買い物の合間に、上田駅のすぐ南側を流れる千曲川をぼんやり眺めるのも、実は結構好きだったり。

2023年の12月も、上田に出かけて鹿教湯温泉へ泊まってきました。
上田の町での時間を多く取ろうと、駅前のビジネスホテルでの1泊も追加した、2泊3日の少し贅沢な旅。
人見知りで、旅先でもあまり話をしない自分ですが、それでも居酒屋のカウンターや、朝の喫茶店で少しだけ地元の方と話をしました。
上田は観光するところはないのに、とおっしゃる方が多いのですが、いわゆる観光地が少なくても、信州らしさを感じられて好きな上田です。
その上、電車とバスで静かな温泉へと泊まりに行けて「ちょうど良い」と思うのですが。

ここまで書いていて、ちょうど良い、というのだけが上田の良さではない気がしています。それだけで、数十回も出かけることはないと思い。
上手く言葉にできないのがもどかしくもあるのですが、これからもnoteで書きつつ「ちょうど良い」の奥にあるものをお伝えできれば、と。

これから、続きを少しずつ書いていきます。


ここまでご覧くださり、ありがとうございました。 今後も静かな温泉旅をしつつ、noteを書いていければと思います。 サポートいただけたら嬉しいです。