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#静かな温泉旅 なら、信州上田へ (4)Train & Bus

これまでに何度か温泉旅で出かけている、長野県は上田市について書いてみようとしています。

このシリーズ(?)も4回目になりますが、まだまだ「たどり着いてない」気がするので、もう少し続けてみることにしました。

「たどり着く」というと、迷ったりしつつ何とか着くイメージ。
逆に、上田市の温泉に行くときは電車やバスが充実しているので、移動の不便さは実はあまりありません。
今回はそんな、電車やバスのことを書いてみたいと思います。


上田電鉄 別所線と、別所温泉

長野県の大きな町には、小さな私鉄が走っています。
長野市には長野電鉄、松本市にはアルピコ交通 上高地線。そして上田市には、上田電鉄 別所線。
昭和の途中まで、上田には別所線以外にも多くの私鉄が走っていたようなのですが、多くは廃止されてしまったそう。
最後の生き残りが、別所線だというわけで。

別所線の「別所」は、終点にある「別所温泉」から来ています。
そう、ある意味温泉旅に出るためにあるローカル線、でもあり。

上田駅の2階に、別所線の改札口があります。
本数は1時間に1本程度。
夕方、次の電車まで待ち時間があるなら、改札口の手前にある、上田名物「美味だれ焼鳥」のお店でちょっと一杯もいいでしょうね。

さて改札を抜けると、東京で見覚えのある電車が待っています。
もと東急電鉄の電車で、かつては東京を長い編成でスピードを上げて走っていたのでしょうが、今はこじんまりした2両編成。

出発の時間になると、電車は上田駅を出て地上に降り、千曲川を赤い鉄橋でゆっくり渡ります。
2019年の台風で流されてしまった鉄橋ですが、2021年に復旧しました。

渡ってすぐに一つ目の駅、城下駅に停車。
一番最初はここ城下駅が、始発の駅だったようです。赤い鉄橋が完成して、ようやく上田駅とつながったのですね。

時間があれば、この上田駅から城下駅までの間を、電車に乗らずにのんびり歩いたりもしています。
距離は1キロほど、千曲川の流れと別所線の赤い鉄橋を横目に歩くのも、なかなか気持ちがいいもので。

さて、城下駅を出た電車は上田の郊外を走っていき、10分ほどで、下之郷駅へ到着。
車庫もあって駅員さんもいる少し大きな駅で、近くに大きな神社もあります。

ここ下之郷で途中下車して、神社で旅の無事をお祈りしたり、バスに乗り換えて丸子町方面や、鹿教湯温泉に向かったりもできます。
(下之郷から丸子町へのバスも、以前は電車が走るルートだったようです。)

電車は下之郷駅からぐぐっと大きなカーブを曲がり、塩田平と呼ばれる平地を走り。窓の外、徐々に建物が減っていき、田んぼが広がります。
いくつかの駅に途中下車したことがありますが、今回は終点のひとつ前にある水色の無人駅、八木沢駅を取り上げてみます。

というのも、八木沢駅から次の別所温泉駅までは1.5キロ、歩けば20分くらいの距離なので、晴れた日だったら少し散歩できるから、です。
別所温泉からの帰り、別所温泉駅で次の電車が来るまでの待ち時間に、八木沢駅まで歩いて、駅でぼけぼけっと電車を待ったこともあり。

八木沢駅を出て、緩やかな上り坂の途中、終点の別所温泉駅があります。ここも風情のある駅舎ですね。

駅から、別所温泉の温泉街までは歩いて数分。
共同浴場もいくつかあり、上田駅から別所線に乗ってひと風呂浴びて戻ってくる、なんていうちいさな旅もできそう。

千曲バスと、鹿教湯温泉

上田市の温泉地の中で、別所温泉と並んで有名なのは、鹿教湯温泉でしょう。
別所温泉までのアクセスは電車でしたが、鹿教湯温泉までのアクセスは、バス(千曲バス)になります。

前に「上田には廃止になった電車がいくつもある」と書きました。
この路線バスのルートも、途中まではもともと電車が走っていた区間だったようです。
ルートを地図で見ると、上田駅からまっすぐ鹿教湯温泉を目指さず、コの字型に大回りしており。

コの右下のところ、丸子町まではもともと電車が走っていました。
鹿教湯温泉に行く人は、丸子町でバスに乗り換えて、コの左下にある鹿教湯温泉を目指した模様。
昔からの「途中まで電車、その先はバス」というルートをそのまま受け継いでいて、ちょっと遠回り。
確かに、上田駅から鹿教湯温泉までは1時間ちょっとかかります。

土日限定で、コの左上から左下をまっすぐ40分で結ぶ特急バスもあるのですが、まあ今回は、昔からの"コ"のルートのご紹介を。

バスは上田駅を出ると、別所線とは別の線路に沿って東へ。
この線路は「しなの鉄道線」。もとJRだった路線で、今は軽井沢と長野市と
を結んでいます。

しなの鉄道で言うと上田駅の2つ隣、大屋駅の手前でバスは右に曲がり、千曲川を渡っていきます。
時間があれば、大屋駅まで電車に乗って、大屋駅から先はバス、なんていうちょっと変わった乗り継ぎも面白いです。

ちなみに大屋駅は、北国街道の宿場町「海野宿」の近く。
また、この辺は「千曲川ワインバレー」と呼ばれ、新しいワイナリーがいくつもあります。
バス旅の途中、宿場町やワイナリーに寄り道するのも良さそう。

寄り道はさておき、千曲川を渡った千曲バスは、丸子町へと向かいます。
郊外の、家もお店も多いところを走るので、人の乗り降りも多い区間。
そうして丸子町の中心部、広いバス乗り場に着きます。昔の電車の終着駅がここだったようで、今でもバス停の名前に「駅」が。

丸子「駅」から、バスはまた川を渡って、国道を走っていきます。
お店が少なくなり、民家のある場所に寄り道しつつ、川沿いの国道を進みます。バスは必死に走っていますが、スピードとしては、ゆっくり。

「宮沢」というありふれた名前のバス停を通ります。ここは秘湯、霊泉寺温泉の入口。霊泉寺温泉へはここから2キロ弱です。

バスは廃旅館の目立つ大塩温泉の脇を通り過ぎ、やがて鹿教湯温泉の温泉街へ。
「国民保養温泉地内ですので静かにご通行ください」という表示のある道を、バスも静かに通ります。
坂を登って、酒屋さんと和菓子屋さんがあるところが、鹿教湯温泉のバス停。ここでほとんどのお客さんが降りていきます。

バスの終点は、温泉街のはずれの車庫。
さらに先に行けばトンネルがあり、その先は松本市へとつながっています。

千曲バスと、青木村の温泉

上田市のお隣に青木村という村があり、田沢温泉と沓掛温泉という、のどかで静かな温泉地があります。

そんな青木村へのアクセスは、千曲バスの「青木線」で。
このバスのルートも、昔走っていた電車と同じものだといいます。
言われてみれば、バスのルートもまっすぐに、青木村を目指しています。電車のレールって、そこまでくねくねとカーブしてない印象で。

上田駅を出て、別所線の鉄橋を横目に、バスも千曲川を渡ります。
途中の上田原駅までは別所線の線路とほぼ並んで走っていて、そこから別所線と別れて青木村を目指していき。

いつの間にか青木村に入っている感じですが、ここでちょっと途中下車してもいいかもしれません。
個人的にも、青木村に入ってすぐのところでバスを降りて、国宝の三重塔がある大法寺を見学したり、道の駅で買い物をしたことがあります。
バスの本数は1時間に1本程度あるので、途中下車して寄り道するには、ちょうどいい感じの頻度です。

終点は青木バスターミナル。ここのバスターミナルも、もしかしたら、かつては電車の駅だったのかも。
田沢温泉や沓掛温泉までは、青木バスターミナルからは少し離れています。宿泊の方は、宿にお迎えを相談しておくといいでしょうね。
両方の温泉に立ち寄る村営バスもあるらしいのですが、平日のみの運行で、しかも予約がいるらしく。
歩いて田沢温泉・沓掛温泉へ行ったこともありますが、沓掛温泉は結構遠かったです。

おわりに

北陸新幹線の上田駅から、温泉に向かう電車やバスのことを書いてみました。
他にも、お隣の千曲市にある戸倉上山田温泉も、上田駅からしなの鉄道線で行けます。
上田からは約15分の戸倉駅が最寄り。駅から温泉街までは2キロほど離れていますが、歩くのがお好きなら、歩けると思います。

地方の電車やバスは、利用者の減少だとか、運転士不足だとか、様々な問題を抱えています。
(この記事で書いた鹿教湯温泉へのバスも、ここ何年かで本数は減っており)
観光で来ている人としては、大したことはできないのですが、今後も温泉旅で利用していこう、と、ささやかながら、思っています。

また続きを書けそうだったら、書いてみることにします。
ありがとうございました。

ここまでご覧くださり、ありがとうございました。 今後も静かな温泉旅をしつつ、noteを書いていければと思います。 サポートいただけたら嬉しいです。