見出し画像

#静かな温泉旅 なら、信州上田へ (3)History

信州上田への「静かな温泉旅」の良さについて、試行錯誤しつつ書いてきました。

今度はまたちょっとアプローチを変えて書いてみようと思います。
上田市の山の中にある鹿教湯(かけゆ)温泉について、繰り返し再訪してきた話を、時系列に、という感じで。


2006年~2009年 鹿教湯デビューの頃

2006年秋 1回目

初めて鹿教湯温泉に泊まったのは、2006年のこと。
過去記事でも少し書いたのですが、静かだけれど寂れていない温泉街に、いくつかお店がありました。

鹿教湯温泉の温泉街(2006年)

温泉街の真ん中には、確か薬屋と酒屋が一緒になったお店がありました。まあ「酒は百薬の長」と言いますが。
向かいにはコインランドリーがあって、鹿教湯温泉だけに「鹿」という名前。

コインランドリー「鹿」の隣には「湯端」という喫茶店があります。お店の前の通りが「湯端通り」だからでしょうか。

酒屋と薬屋のお店は、改築されて酒屋さんとして続いています。
コインランドリー「鹿」は後で名前が「ゆばた」に変わり、今はもうありません。
喫茶店「湯端」の建物は数年後に居酒屋さんに変わりました。

2007年冬 3か月ぶり2回目

年が変わってすぐ、鹿教湯へと再訪。
お昼に温泉街に着いて、バングラデシュカレーのお店でランチをいただきました。
当時いわゆるエスニックなカレーに馴染みがなかったので、欧風カレーを選んでいます。今思えば、バングラデシュカレーにするんだった。

その後、このカレー屋さんは閉店しましたが、その後別な方がお店とレシピを受け継いで再開されています。(今度行ってみます!)

さて、年末から1月にかけて、鹿教湯の温泉街では氷灯ろうが道を優しく照らします。
この時に氷灯ろうを初めて見たのですが、その後も氷灯ろうの時期に鹿教湯に行くようになりました。気に入ったみたいです。

2008年冬 1年ぶり3回目

その次の年も、1月に鹿教湯へ。この時は共同浴場巡りをしています。

温泉街のはずれに、素朴な共同浴場があります。ちょっと見つけにくい場所ですが、温泉好きの方ならご存知でしょうか。
宿の内湯よりやや熱めのお湯が、ライオンの口から注がれていました。

さらに鹿教湯を背に歩いていくと、大塩温泉という温泉地があります。
宿の多くが廃業してしまい、少し寂れたところですが、地区の公民館で温泉に入れます。ここもまた、温泉好きの間では有名な存在かと。

ただ、この公民館の温泉、営業時間が短く。
何度か行ってみたものの、お休みだったり営業時間外だったりで、入ったことはなかったのです。
この時、初めて入れました。ひんやりと寒い脱衣所から、お風呂場へ。鹿教湯のお湯より相当ぬるいお湯に入ってきました。

それ以降も大塩温泉の公民館へは何度か挑んでいますが、この時の入浴が、今のところ、最初で最後になっています。

2009年冬 2年ぶり4回目

また、暮れの時期に鹿教湯へ。
いつものように新幹線で上田駅に着いて、ふと思い立ってもう1泊しようと決めます。
鹿教湯の近くにある、霊泉寺温泉という温泉地にある宿に電話をかけて予約しました。

お昼に鹿教湯に着いて、温泉街のそば屋さんで年末のおそばを。

これまで泊まった時と同じ宿にチェックイン。
夜はまた氷灯ろうを眺めました。

鹿教湯から、2日目の宿がある霊泉寺温泉までは7キロしか離れていません。

バスで行けばすぐですが、時間がたっぷりあるので、鹿教湯の宿をチェックアウトして、まずは温泉街を散策します。
あちこちにスタンプ台があって、スタンプラリーができるようになっていました。案内所で台紙を買って、くまなく巡れた気がします。

スタンプを全て集めてから、霊泉寺温泉へ歩いていきます。まだまだ、時間が余っていたのです。
途中、ライオンの口からお湯が注がれる共同浴場で体を温めて、温泉街から少し離れた国道沿いのそば屋で、少し早いお昼をいただきます。

鹿教湯にはそば屋さんが2件あります。以前は温泉街にもう1件あったので、3件もあったことに。
ちなみに、和菓子屋さんも3件あります。小さな温泉街なのですが、お店は結構あるんですよね。

途中にある大塩温泉の公民館に行くと、あえなく休業日。
車の行き来が激しく、歩道の狭い国道を脇役のように歩いて、霊泉寺温泉へと着いたのでした。

翌日は雪でした。

2012年~2017年 家族とも鹿教湯

2012年春 3年ぶり5回目

普段はひとりで温泉旅に出かける人ですが、たまには家族とも出かけることも。
この時は、妻とゴールデンウィークに鹿教湯へ。
連休の予定を直前までなかなか決められず、日程が決まった時は多くの宿が埋まっていたところ、かろうじて鹿教湯の宿に空室を見つけました。

夕方の新幹線で上田に出て、駅前のビジネスホテルで1泊します。
新幹線の高架下にある居酒屋さんで一杯やってから寝ました。(この居酒屋さんも、今はもうありません。)

次の日はレンタカーを借ります。
軽トラにあおられたり、途中でいちご狩りをしたり、温泉街から少し離れた内村ダムを見たりしてから、鹿教湯の温泉街に着きました。
鹿教湯で1泊してその後、三才山トンネルを抜けて松本市へ抜け、安曇野を観光してから松本でレンタカーを返しました。
駅レンタカーだったので、県内なのに乗り捨て料金がかかったことを何故かよく覚えています。それ以外はあまり覚えておらず。
というのも、この少し後で病気になってしまい、実は旅行中も調子があまり良くなかったのです。旅の写真もありません。

2016年夏 4年ぶり6回目

病気はすっかり治りましたが、その後何年間か、鹿教湯へはご無沙汰していました。
2016年の夏、久しぶりに鹿教湯へ。

ふだんは上田駅に着くとすぐにバスに乗って鹿教湯に向かってしまうところを、今回はバスに乗る前に上田の町を少し巡ってみました。
上田と言えば、の上田城、有名店のボリューミーな蕎麦、あとは昼から馬刺しと地酒をちょっといただいて。
お腹いっぱいで鹿教湯行きのバスに乗ります。

毎回鹿教湯で泊まっていた宿が予約できなかったので、この時は温泉街のはずれにある別な宿に泊まりました。
昭和の頃の扇風機が置いてあるお部屋に入ると、さっきまでは晴れていたのが、急に雨が降ってきました。

2017年夏 1年ぶり7回目

2017年、親子二人で鹿教湯に行くプランを立てました。
幼児連れの温泉旅、行き慣れた鹿教湯が良いだろうというわけです。
ただ、直前になり子供が熱を出してしまい。
宿の予約を数日先にずらして、ひとり鹿教湯へ。

初訪問から10年も過ぎると、温泉街もところどころ変わっています。
アップルパイのお店ができていたり、喫茶店「湯端」が居酒屋さんになっていたり。
夕食後に、もと「湯端」だった居酒屋さんに入ってみました。居抜きだったようで、店内は何だか喫茶店時代の面影があり。
幼児連れだと居酒屋に入るのも大変なので、そういう意味では、ひとりで出かけられて良かったと言えそうです。

2017年秋 1か月ぶり8回目

いったんは断念した、鹿教湯への子連れ旅。
次の月に出かけてきました。いわゆるリベンジというやつです。

新幹線とバスを乗り継ぎ、早めの時間に鹿教湯の宿へチェックイン。
館内には広めのキッズスペースがあり、子供はずっとそこで遊んでいました。結局チェックアウトまで、ずっと宿にお籠り。
ホテルステイならぬ、温泉宿ステイになった旅でした。

お食事は素敵なお子様ランチでした

2019年~ またひとり鹿教湯

2019年夏 2年ぶり9回目

夏休みを利用して、2泊3日の温泉旅。
1日目は、上田市のお隣の千曲市にある、戸倉上山田温泉に泊まってきました。

上田に戻って、上田城に次ぐ観光名所(たぶん)として知られる「柳町」を散策してから、バスに乗って鹿教湯へ。

いつもの宿にチェックインして、のんびり過ごします。
宿での夕食の後、真っ暗な温泉街に出て、湯端通りの居酒屋さんでひとり2次会をしました。
上田市に新しくできた「シャトー・メルシャン椀子(まりこ)ワイナリー」の、ちょっと高級な白ワインをグラスで。
ひとりなので乾杯はなし。

翌日は時間があったので、徒歩で近くの大塩温泉へ行ってから、バスで上田駅に戻ることにしました。
が、大塩温泉の公民館は、この日もお休み。。

2019年冬 4か月ぶり10回目

暮れに鹿教湯へ。
いつもお世話になっている宿が取れなかったので、別な宿を予約します。

暮れの鹿教湯と言えば、氷灯ろう。この時も見ています。

氷灯ろうを見た後は、湯端通りの居酒屋さんへ。定休日と聞いていたのですが、急きょお店を開けたとのことでした。

翌日はバスで松本に出る計画でしたが、年末は松本行きのバスがお休みになっていたのに気づきました。
それで、上田経由で電車を乗り継いで松本へ。
バスなら上田市→松本市に直接行けるところを、バスと電車で大回り。
今地図を見つつ調べたら、上田市→坂城町→千曲市→長野市→千曲市→筑北村→麻績村→安曇野市→松本市、という長旅になりました。

2021年秋 2年ぶり11回目

秋の終わり、また鹿教湯に出かけてきました。
鹿教湯行きのバスに乗る前に、上田の町を散歩しようと思っていたのが、天気はあいにくの雨。
それでも、路地裏の狭いところや、夜になったら賑わってそうな町を通り抜け、少しだけの上田散歩を楽しんでから、バスに乗ります。

鹿教湯に着いても雨で、バス停の近くの和菓子屋さんでコーヒーを飲んでひとまず休憩。

以前は普通の和菓子屋さん&お土産屋さんだった記憶です。
建て替えてきれいになり、自家焙煎のコーヒーも飲めるようになっていました。
前から気になる存在だったものの、前を通るとおしゃれそうな感じでちょっと入るのをためらっていたのです。
でもこの日は雨の日で人も少なく、入ってみたら店員さんがみな温かくて素敵なお店でした。

そうしていつもの宿にチェックインします。

夕食後に外に出て、湯端通りの居酒屋さんへ行って少しだけ、飲み直し。
その後、この居酒屋さんは火事にあってしまい、今はもうありません。温泉街の貴重な居酒屋さんでした。

2023年冬 2年ぶり12回目

年末のお休みを利用して、また鹿教湯へ。
上田に着いて、鹿教湯行きのバスに乗る前に、上田城跡公園にある市立博物館へ行きます。
この時の特別展示のテーマに鹿教湯温泉が含まれていたので、見に行こうというわけで。
予習、ではないのですが、昔の鹿教湯温泉の地図など、興味深い展示でした。そんな自分も、鹿教湯温泉歴は17年。
一応、歴史あり。。

そうしてバスに乗り、いつものように午後に鹿教湯に到着です。
いつもの宿にチェックインして、まずはひと風呂。またこうして鹿教湯にこれたことに感謝しつつ。

それから、温泉街を散歩します。
今回は、前から気になっていた、温泉街のアップルパイ屋さんへ初訪問。
外でスイーツを食べるなんていつぶりだろう。リンゴがたくさん入ったアップルティーと一緒にいただきました。

夕食はのんびり、宿のお部屋でいただきます。
お昼も少しお酒を飲んだのですが、夜ももう少しだけ地酒が飲みたくなって注文しました。

夕食を終える頃、空はすっかり暗くなり。
そろそろ氷灯ろうに火が入る時間帯、また見に行きましょう。そのために、まだ浴衣に着替えずにいたのです。

おわりに

数えてみたら、12回も鹿教湯温泉に出かけていました。(2024年2月現在)
18年で12回なので、1年半に1回、というペースですね。少なくはないだろうなと思います。

日本各地のあちこちに温泉街があり、中には残念ながら寂れていくところもあるのも事実。
そんな中で鹿教湯の良さって、さりげない賑わいが続いていることなんだろうな、と書いていて思った次第です。
惚れ直す、というのに近いのでしょうか。あまり経験はないのですが。

鹿教湯にも廃業した宿の建物が残っていますし、営業をやめたお店もあります。でもそれがいい意味で、目立ってないんですね。
お店がリニューアルしていたり、新しいお店ができていたり。

今後もさりげなく、続いていきそうな気がします。温泉街も、出かける自分も。

ちなみに、12回のうち大半は、同じ宿にお世話になっています。
常連さんと言えるほどでは全然ないのですが、宿のサイトのリンクも貼っておきます。

もう一つ、僭越ながらワタクシのブログにある宿泊記録も貼らせてください。

今回は長文になってしまいましたが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
(2024/2/24追記)上田シリーズ、また続きを書きました。
よろしければ以下もご覧ください。


ここまでご覧くださり、ありがとうございました。 今後も静かな温泉旅をしつつ、noteを書いていければと思います。 サポートいただけたら嬉しいです。