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#36 WEリーグ2021-22シーズンを終えて

みなさんこんにちは。

先日、YogiboWEリーグ2021-22シーズンが幕を下ろしました。

マイナビ仙台レディースの最終成績は5位と、残念ながら目標に掲げていた優勝を達成することはできませんでした。

私はこのWEリーグ初年度を「コンディショニングアドバイザー」としてチームに関わることになり、チームのコンディショニングサポートや直接選手へのトレーニング指導などをしてきました。

今回はシーズンを終えて思うことを書いていきたいと思います。


チームに関わることになった理由


2021シーズンは福島ではトップチームのS&Cコーチとして活動していた状況でのコンディショニングアドバイザーの就任でした。

実際に他クラブでも、代表チームのフィジカルコーチをしながらJリーグチームのアドバイザーを務めている方もいらっしゃったので、特別異例なことではなかったと思います。

ただ、シーズン途中で所属しているチーム以外の役職につくことについては、元の所属チームからするとあまり手放しで喜べることではないことは理解していました。

私自身も自分の業務に新たなチームの業務が加わることになるので、そのせいで元の業務が疎かになるようなことがあってはいけません。

正直今振り返ると、2021シーズンはよくやっていたなと感心しています。苦笑
同時に、それを認めて下さったクラブにはとても感謝しています。

「仕事でのミスがあれば、この業務体制のせいにされてしまうかも」


そういったプレッシャーの中で仕事をしていました。

なぜ自分からあえてそのような状況になるとわかっていても、チームに関わると決めたのかについてですが、

1番は現マイナビ仙台レディース監督である松田監督と2シーズンを福島で一緒に仕事をさせて頂いていた中での経験がとても大きかったです。

松田監督の指導法は、ご存じの方もいらっしゃると思いますが「変態」と表現されることが多々あるようです。

私はサッカーのコーチではありませんので、詳しいことは説明できないのですが、実際にトレーニングをしていた選手たちはみんな口を揃えて

「ルールが複雑で難しい」

と言います。

そんな松田監督と、キャンプの練習後に2人で話している時に、なぜそこまで複雑なトレーニングにしているのかについて伺ったことがありました。

ここでは詳細については触れませんが、

意図した現象を起こすために、「自然とそうなる」オーガナイズにしている。

といったことを考えて実践されているのだということが理解できました。

昨今のサッカー界では、

「エコロジカルアプローチ」

「反復なき反復」

などといったような考え方が浸透されてきているようですが、当時の私も自分の担当するトレーニングの分野において

「自然とそうなる」ためにはどのような取り組みをしていけば良いかを試行錯誤していた時期でもありました。

こうしろ、ああしろ、と教えたことをその通りに実行させるようコントロールするのではなく、

選手が自ら考えることができるためのヒントを散りばめ、最終的に選手の判断によって積極的な取り組みが増え、時には指導者が想像もできないような素晴らしいプレーが起きた時に、指導者としての喜びがあるのではないかと感じます。

そうした考えのヒントを頂いていたんだな。と当時を振り返って思います。

そんな監督がチームを去ることになった際に、自分から

「何か力になれることはないか?」

とお話しさせて頂いたことがきっかけとなり、今に至ります。

チームは変わったとしても、この先の取り組みによって、選手やチームにどういった変化が起こるのか?について個人的にとても興味があったのです。


すぐに効果が出るものは、崩れやすい


松田監督が去ったその翌年、福島は過去最高順位である5位となり、
今シーズンは現在4位につけています。(6月1日現在)

サッカーに限らず、チームは幾つもの要素が複雑に関係し合い、成功や失敗を繰り返していくものです。

その中で、今関わっている人たちが新たな要素に加えて、今まで関わってきた方々が積み上げてきたものの良い部分を活かせているか?も大事なんだと18年間同じチームに関わっている中で感じていますし、

私自身の取り組み(ウエイトトレーニングやムーブメントトレーニング、コンディショニングなど)についても、ある程度ベースとなる形が作れたのもここ3〜4年で、それもやはり結果として現れるのには時間が必要になるのだと改めて感じているところです。

チームでも、個人としても、試行錯誤を繰り返しながらコツコツと継続することが大事だということを、肌感覚で感じることができているのはとても貴重な経験です。

マイナビ仙台レディースの歴史


マイナビ仙台レディースというチームの歴史を見ると、私の地元である福島県が大きく関わっています。

当時の東京電力女子サッカー部マリーゼ(本拠地が福島県のJヴィレッジ)が東日本大震災の影響によって休部したことを受け、ベガルタ仙台を運営する株式会社ベガルタ仙台がその受け皿としてベガルタ仙台レディースを創設しました。

そういった背景がある中、福島も震災の影響でチームが無くなる危機を乗り越えてきたことを私自身経験しているので、マイナビ仙台レディースに今まで携わってきた方々の思いも勝手にですが少しは理解していましたし、そういった今まで関わってきた多くの方々の思いを引き継いでいるチームなんだと知り、より意欲が増したことを思い出します。



今シーズンは結果という形で貢献することはできませんでしたが、これからのチームの歴史を積み上げていくための土台造りには微力ながら力になれたかとは思っています。

そして、私を快く受け入れて下さったクラブ、スタッフ、選手の皆さまには大変感謝しております。
特に、密に連絡を取り合っていたフィジカルコーチの真摯な取り組みには、私自身気付かされることが多く、刺激になっていました。


初めて練習場へ行った時の挨拶で、駄々スベリしたのを昨日のことのように思い出します。苦笑
選手は皆真面目で日々努力を積み重ねています。
継続する選手、新しい場所でチャレンジする選手、
皆さんのこれからの活躍とWEリーグの発展を祈っています!

2022-21シーズンご青援いただき、ありがとうございました🙏


コンディショニングアドバイザー 鈴木優





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