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悪いプロセス、良いプロセス

こんにちは、業務可視化・改善コンサルタントのスズキユウです。

業務可視化・改善の分野で活動を行っていると、「悪い業務プロセスの例を教えてほしい」というご要望をいただくことがあります。

今回は「悪いプロセス」、「良いプロセス」とはそれぞれどういうものか、私の考えをお伝えしたいと思います。


悪いプロセスとは何か

まず私のポリシーとして、現在行われている業務を「悪いプロセス」と呼ぶことは行っていません。現在行われている業務プロセスは、ミスなく滞りなく行われているのであれば、歴代の担当者の知恵と工夫が詰まった「正しいプロセス」です。それでは、「正しいプロセス」は良いプロセスなのでしょうか?

私はプロセスの良し悪しは「効率よく目的を達成しているか」で評価されるものと考えています。

プロセスとは、目的(アウトプット/業務成果物)を達成するために行われる一連の活動であると以前紹介しました。

「悪いプロセス」というものがあるとしたら、下記の条件を満たすものと考えられます。

  • 本来不必要な手順を行っている

  • 目的達成や品質担保に必要なことを行っていない


良いプロセスの条件

良いプロセスは一言で表現すると「必要十分なリソースで価値を生み出しているプロセス」です。つまり業務目的を達成するために一定品質の業務成果物を、省力・省時間で産出しているプロセスが「良いプロセス」なのです。一つ付け加えるとすれば、仮にあるプロセスが非効率なものでも、関連する他のプロセスが価値を生み出しているのであればそのプロセスは必要なものとみなすことができます。「良いプロセス」、「悪いプロセス」は個別に判断できず、全体を俯瞰的に見て判断できるものだと言えます。


悪いプロセスを良いプロセスにする方法

悪いプロセスを良いプロセスに変えるには、以下の手順で分析を行う必要があります。

  1. プロセスの可視化

  2. 業務目的の定義

  3. 目的達成に必要な手順の精査

プロセスの良し悪しは俯瞰的な視点と、詳細な視点の両方で可視化する必要があります。そのため、一般的には業務棚卸と呼ばれる俯瞰的な視点での業務可視化と、業務フロー作成に代表される詳細な視点での業務可視化の二種類の業務可視化を実施します。

業務目的の定義は、プロセスの目的=最終成果物と定義できることから最終成果物を業務の目的と定義します。最終成果物を作成するまでに必要な途中成果物の単位で切り出すことで、最終成果物完成までに必要なプロセスを可視化することもできます。

最後に目的(業務成果物)の達成手順を可視化します。一般的にはフローチャート形式で表現され、BPMNという国際標準書式を使用することがデジタル庁からも推奨されています。


高い価値を産み出すプロセスの作り方

良いプロセスとは、必要十分なリソースで高い価値を産み出すプロセスです。ここでの「価値」とは、最終的にはお客様(ユーザー)にとっての価値を意味します。お客様の要件を満たす業務成果物を、効率的に生産することが企業価値の源泉です。従って、企業は効率よく高い価値を産み出すプロセスを設計する必要があります。業務可視化はこの設計に必要な手順なのです。

高価値を産み出すプロセスは、単純にITシステムやDXツールを導入すれば実現できるものではありません。業務目的を明確化し、効率よく目的を達成する道具として、効果を最大限に発揮できるようにプロセスを設計する必要があるのです

業務を可視化し、高価値を産み出すプロセスを設計するための知識・技能はこちらの研修から学ぶことができます。ぜひご検討ください。


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