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【最新Drum Playthrough】THOUSAND EYES "Day Of Salvation"3つのこだわりポイント

どうも皆さん、YU-TOです。

やっと暖かくなってきたと思ったら急に肌寒くなる日も増えて、体調を崩しやすくなる気候の毎日ですが如何お過ごしでしょうか?。

2021年が始まってあっという間に4ヶ月。

「時が経つのは早い」と毎年のように言っている気がしますが(笑)今年もそれは例外じゃないみたいです。

ドラマーとしてステージに立つ機会が減ってきてしまって、「果たして今年はライブ出来るんだろうか?」というのが正直な心境なのですが、状況を嘆いているだけでは何も始まらない。

機会が無いのだったら、自分で機会を作ってしまえば良い。

だから今年は皆さんにドラムを叩く姿を"映像で"ガンガン観せていこうと考えています。

家で電子ドラムを叩いてる姿はSNSで頻繁に投稿してはいるのですが、そればかりだとやっぱり味気が無い。

「ドラマーたる者、生ドラムをキッチリと鳴らしている姿を観せないとだよな」という思いは常にあって、"今年中にしっかりと生ドラムをレコーディングした動画を撮る"という計画は、年始の時点で自分の頭の中にあったんです。

最近になって色々な状況がようやく整ってきたので、初めて1からドラムをレコーディングした本格的なPlaythrough動画を今回制作してみました。

プレイした楽曲はTHOUSAND EYES"Day Of Salvation"。

ほぼ必ずライブの1曲目に演奏する曲で、高速2バスと2ビート&ブラストビートが全編にわたって響き渡る、メタルドラムの全てが詰まっていると言っても過言では無い1曲。

メロデスというよりはスラッシュメタル的な要素を強く感じる1曲で、冒頭のキメフレーズは兎にも角にもSLAYERを彷彿とさせるし、中盤のハーフに落ちるパートには"PANTERA感"を色濃く感じます。

何かもう、自分がメタルドラマーを志した中学時代に聴いていた楽曲の全てが集約されたような1曲で、原曲を叩いているのはFUMIYAさんですが、「何か自分っぽいな」と感じる曲でもある。

今回はそんな"Day Of Salvation"を叩く上での自分のこだわりポイントをザックリとですが解説してみたいと思います!

1.これがギリギリ!?"BPM215"という絶妙なテンポ感

"Day Of Salvation"のテンポはBPM215

「ここから先は速い曲と形容して良い」みたいなスピードの臨界地点(笑?)、BPM200を15も上回る超高速ナンバー。

でも多分、"BPM215"って250とか300とかが当たり前になった現代においては決して高速とは言えないテンポなのかもしれません。

でも、"トリガー等を使わずに全ての太鼓をキッチリ正確に鳴らせるテンポ"としてはこのくらいが最速なんじゃないかなと自分は思ってるんですよ。

これ以上のテンポでも叩けるは叩けるんですけど、特にバスドラムの高速連打とかは"16分音符として聴かせる"のがちょっと物理的に難しくなってくる。

"ダーっ!!"っていう"音符"というよりは"音の羅列"みたいな感じに聴こえて、キッチリした16分連打ではなく、3連符と16分の中間地点を前後に行ったり来たりしてる音に聴こえるというか、、、。

そういう曖昧さに陥りやすくなるのがBPM220を超えた辺りからで、Day Of Salvationはそのギリギリのラインを突いてる。

だから"人力2バスドラムにおける限界のスピード感"が、Day Of Salvationにはあると思ってるんです。

そんな高速テンポの中でも自分が心掛けているのは、「重さをしっかり出す」という事。

何と言っても"ヘヴィメタル"をプレイしてる訳ですから。「重く無くてどうすんだよ?」っていう話で。

ちょっと"老害"が入ってる価値観かもしれませんが(苦笑)こればかりは譲れないし、自分のドラミングの芯となる価値観だから仕方がない。

この"重さとスピードを両立させる"って本当に難しい事で、未だに試行錯誤している自分の永遠の課題の1つとも言えますね。

"重さを出す"って凄く抽象的な表現だけど、具体的な表現をすると"リズムの裏を意識して音符の長さをたっぷり取って叩く"という事になると思うんですよ。

だから、テンポが速いと段々追い付かなくなってくるという(笑)。

もう音符の長さをたっぷり取ってたら、テンポからふるい落とされますから(笑)。

そういう"本気の重さが出せる"という意味でも、限界ギリギリなのがBPM215なのかなと。

このテンポだったら、2ビートを"ツタツタ"じゃなくて"ドダァドダァ"と感じることが出来て、そう感じながら叩いても疾走感を出せるテンポのボーダーラインだと思うんですよね。

やっぱり、叩いてる人が感じてる音ってプレイにメチャクチャ出ますから。

"パァン!!"とか"ダァン!!"みたいに濁点や半濁点が付いた出音を意識してる人のドラミングってやっぱりパワフルで重い。

ただ、それを意識し過ぎると軽快さやキレが損なわれて疾走感が出しにくくなる。

そこのバランスをどう付けるかをDay Of Salvationを叩く上では常に意識していて、「圧倒的な速さと重さの両方が伝わってくるドラミングってどんなだろう?」と常に考えいて、その理想系を日々イメージしながらこの曲を叩いています。

2.炸裂するボムブラスト

曲の随所に渡って炸裂するブラストビートも"Day Of Salvation"の要。

デスメタルでは曲中に多種多彩なブラストビートが使われる事が多いんですけど、THOUSAND EYESは基本的には1曲に付き1種類のみ。

そして、どの曲においても表打ちブラスト(※スネア、シンバル、バスドラムを全て同時に叩くブラストビート)で実に潔い(笑)。

この"Day Of Salvation"では、Cannibal Corpse等が多用するバスドラムの連打にスネアとハットの同時打ちを絡める"ボムブラスト"を使っていて、速さというより重さと迫力に重点を置いたブラストビートになっています。

もうボムブラストと言えば"気合い"というか(笑)全ドラムビートの中で、恐らく1番"体育会系"のビートなのではないかと思いますね。

「上半身の同時打ちとバスドラムの連打がズレないように、しっかりと右足と手が同期する事を意識して〜」みたいな理屈じゃなくて、「とりあえず人殺す位な勢いで!」みたいなバカげた事を意識した方が上手く叩ける気がする(笑)。

もうずーっと両手両足の全てを連打し続ける訳ですからね。

キツい事この上ない(笑)。

この"ボムブラスト"、音量を稼ぐ為にスネアは右手で叩く人が多くて、その部分に関しては自分も同じなのだけど、最近だと左手のハイハットは8分じゃ無くて4分を叩く人の方が圧倒的に多い。

4分でハットを叩く事でバスドラムの連打が際立つし、スネアの音抜けも良くなるから利点もあるんだけど、正直自分は好きじゃなくて(笑)。

何かハットを4分で叩いてしまうと、"人殺せる感"みたいなボムブラスト特有の迫力が半減してしまう気がするんですよ。

やっぱりボムブラストって、"ズダダダダ!!!"というトチ狂ったような突進力が何よりの魅力で、"シャーシャーシャーシャー"という4分音符が聴こえてきちゃうと、妙にお行儀の良い感じが出てしまう気がする。

もうフィーリングが全然違いますからね。

「どうせ聴き手には殆どスネアしか聴こえないしwww」って、ちゃんと聴こえてるから、絶対に。

そういう細かいこだわりって、"この人のビートは何か違う"っていうところに直結してくる部分だと思う。

4分で刻もうが8分で刻もうが、同じ"ブラストビート"である事に変わり無いんだろうけど、自分的に4分で刻んでるのって"ブラストビート"とは呼べないんですよね。

だからこの"Day Of Salvation"では、自分が思う"本物のボムブラスト"を叩く事を心掛けていて、どんなにキツくても左手は絶対に8分を刻みます。

それは決して"根性論"ではなく、自分の中では音楽的な意味がしっかりある事だと思っていて、これも自分のドラミングにおけるこだわりの1つ。

そんな拘りを1曲を通して体現しまくっているのが"Day Of Salvation"でのドラミングですね。

3."映っているドラムが鳴っている"を意識した音作り

今回のPlaythrough動画は、ドラムセットにしっかりとマイクを立てて、1から叩いてレコーディングした音源を使用しています。

現代のPlaythroughって、基本的には音源に合わせて叩いてるフリをしているだけの"当てフリ"的なものが多くて、自分もそういう映像を公開していたりもするのですが、今回はちょっと違う事をやってみたいなと。

サンプリングやトリガーだけじゃなく、映像で使用しているドラムセットの音がそのまま聴こえてくるような音にしたくて、もうしっかりと曲の最初から最後まで叩き切ったプレイがそのまま収録されています。

今回ドラムのレコーディングとミックスを担当してくれたのは、兼ねてより交流があったDeath I AmのドラマーであるKaz Niita君。

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Kaz君と知り合ったのは自分がDeath I Amに在籍していた頃で、その時の彼はDominate Overのドラマーとして活動していました。

そんな彼が、自分がDeath I Amを脱退した後に後任を務めることになった訳だけど、実はKaz君とは何年も前から"サウナ仲間"で(笑)。

世間でサウナが本格的に流行り出す前から何回も2人でサウナに行っていて、あれこれ音楽の話をしたり、プライベートな話をしたりする友達みたいな感じだったんですよね。

Kaz君はギターやキーボードなどのドラム以外の楽器も出来るし、作詞作曲、レコーディングエンジニアまでもこなせてしまうマルチなミュージシャン。

今考えてみると、何かしらの形で一緒に音楽活動的なことをやる機会があっても良かったと思うんだけど、同じドラマーでもあるし、何せサウナばかり行っててそこに気が付かなかったという(笑)。

いつも通りな2人のテンション感で話をしながら進めるレコーディング&撮影はとても楽しく、ライブでも演り込んだ曲というのもあってスムーズにレコーディングを終わらせる事が出来ましたね。

ただ、ミックスでの音作りは3回くらいやり直していて。

というのも、普通の音源としてミックスするのとドラムのPlaythrough動画の音としてミックスするのでは勝手が違ってくる。

まず、生のドラムセットを叩いてる動画で非人間的なサンプリング音をガンガン前に出してしまうのは個人的に違和感があると思うし、マイクを立てているのにそこから拾った音を使わないというのは、やっぱりもったいない。

だから今回は、極力サンプリング音は使わずに生音を重視した音作りにしてみました。

やっぱりサンプリング音でバキバキに加工したほうが現代っぽくはなるし、それはそれでカッコ良いのだけども、このPlaythroughシリーズでは違うところを追求してみたくて。

でも、完全な生音だけだとやっぱり迫力が出ないし、音抜けも悪くなる。

生音にこだわっていても"良い音"にはしたかったし、決してバランスの悪いショボい音が"生感"という訳では絶対に無いですからね。

そこら辺のバランスの調整って難しいかな?と思っていたのですが、もう流石"ドラムが叩けるエンジニア"なKaz君だけあって、本当に良い塩梅に仕上げてもらいました。

もう話の伝わり方がスムーズ過ぎて気持ち良かったですね(笑)。

だから、この映像での自分のプレイは良い部分も荒い部分も含めて"100%自分のドラム"と言い切れるものだと思ってるんです。

今回、録音された音を聴いて"YU-TOのプレイスタイル"みたいなものがまた少し見えてきたり、「相変わらず甘いな!!」って箇所も多々あったりで(苦笑)。

Kaz君の素早く的確な仕事のお陰で、1週間弱という短い期間で制作する事が出来た映像でしたが、本当に自分の成長に繋がったと感じる録音&撮影でした。

自分もKaz君も互いに色々な課題が見えてきていて、そんな風に2人で高め合える機会を今回作れたことはとても嬉しいです。

サウナと音楽、両方のチャンネルを共有出来る仲間がいるのはとても有り難く、心強い事。

自分とKaz君の2人チームで作り上げるこのPlaythrough映像シリーズ、今後もガンガン定期的に出していく予定なので、これからの展開をご期待下さい!。

さて、そろそろ来月の撮影の準備に取り掛かりますかね、、、。

来月もお楽しみに!。


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