詩のリハビリ開始
今日は初めて私主催で読書会を行いました。マルキ・ド・サド『美徳の不幸』の読書会でした。主催者としてきちんとできるか不安でしたが、皆様のおかげで楽しく進めることが出来ました。ありがとう。
そして、そこの話の流れで詩の話題になりまして、(たしか)kadoくんがnoteにあげろと仰いましたのでそうしていこうと思います。
とはいえ詩に向き合うのは実に3年振りくらいのもので、なけなしの才能が枯れてしまったように思えて仕方がない。しばらく駄作が続くと思いますが、温かい目で見守って下さい。
今日の今日では新作は難しいので、今回は高校の時に書いたものを手直しした詩をあげておきます。いくつか過去の受賞作もあるのですが、それは著作権がグレーなので保留。(しかしこのnoteはほんの数人の目にしか触れないと思われるのでしれっとあげてもいい気もする。第一、私の書いた詩を私が自由にあげられないのって何なんだ)
「不信」
ひび割れた花瓶の茶色の線と
密かに染み出た水溜まり
木造の廃墟
裸で泣く床
ここには昔誰かいいた
死んだ空気が
壁を包むーーーー
空虚を刻む時計の鼓動
愛を踏みしめた遥か昔は
革靴の底にこびりつく
その忘却も今は昔
幸いの命はとうの昔に
ただひとつの煤けた灰皿が
過去の温度のよすがとなる
鳴けない小鳥の猜疑の眼(まなこ)
豆を啄んでいた鳩は
裏切りの音に驚き飛び去り
今は蛇が首を擡げる
虚空の霊を見つめている
撃たれたカモメの腐った死骸
大きな瞳に蛆が蠢く
犯され初めて実在を得る
誰もが背負う原罪(つみ)の腐臭
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