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顔で笑って心で泣く友人

先日友人からLINEが来た。「体調が悪いかもしれない。」

私は冗談だと思って「嘘。」と返した。いつもふざけた答えしか返さないから。

「もし本当なら、熱を測って睡眠をとって誰かに連絡できるように。」と伝えた。彼は「大丈夫、なんかあったら連絡するから。」

でも2日経過して気になって連絡してみると、その後、以前の私同様、疲れ等で急に血圧が上がり、気を失って病院に連れて行かれたらしい。急な血圧上昇は記憶が落ちる。その前になんとか知人に助けを求めたと言うことだった。

私は本当だったことに驚き、何も出来なかった事を悔しく思った。

その前に彼も私も、大きな悲しみを抱えてた。そしてそれを払拭するように、人間的に成長するように、悲しみから逃れるように、スケジュールを入れ続けた。しかしそれが楽しくもあり、かえって別の面倒な問題にも巻き込まれてしまった。その心の負担が一気に体に現れてしまったのだろう。

彼は、いつも自分のことは他人事のように言う。だから私は

「そんな辛い事も、他人事みたいに言って目を背けるからそうなるんだって。」
そう言ってみても。

「そうかもしれないね。」

彼はやっぱり人ごとのように言って笑った。


私は最近習慣にしていることがある。それは男女隔てなく、好きだと伝えること。私は貴方のことが大好きだよ。だから落ち込んだ時そばにいるよ。泣きたい時そばにいるよ。大丈夫だよ。だから気持ちを吐き出してみて。そしたらずっと抱きしめてあげるから。それはすぐには叶わなくても、最大限の友人としての愛を伝えるようにしている。今までにないぐらい。それは私が海外で生活していたことから学んだことかもしれない。貴方は美しい、貴方は面白くて特別で私には大事な人だよと。

友よ、

私はわかるんだ。わかるんだ。高校生の時痴漢に遭った時でさえ、それに車に誤って車の前に飛び出してしまい、トラックと乗用車の間に挟まりミラーに強くぶつかった時も、そして友人のちょっとしたいたずらで川に落ちてしまい、自力で水面に浮かび上がれなくなり、ぼんやりと水の中で沈んでいく私を、意識が苦しみを和らげようとする瞬間でさえ。そんな瞬間でさえね、


私は助けられた後に笑っていたんだもの。


私は泣くのが苦手。泣いたら、その声で私泣いてるんだって自覚しちゃうんだもの。貴方は別の友人の前でやっと泣くことができたと言っていたね。本当にそれはよかった。笑っていた貴方がやっと泣くことが出来てよかった。


人間が笑うのは通常である事を示したいから。非日常からのバイアスを自分にかけていつもと同じ事、大したことではないと思いたいから。安心したくて人は無理に笑ったりする。でもそれは日常じゃない。


私達、誰かを笑わせるのが好きだったよね。だけど、貴方が心から笑ってなきゃ意味がないし、私も好きな人達が皆んな笑って欲しい。悲しいことがあったら、たまには泣きながら笑って話そうか。笑って欲しいと思っても、泣いて欲しくないわけじゃない。相手の幸せを願ったんだよね。わかるよ。


あなたも私もこの傷を何かの代わりで埋める事はできない。

心の静寂を怖がらないで じっと過ごす時間を怖がらないで 体力が戻らなければ心も復帰はできないのだから。

貴方は笑う 他人事のように
私は笑う 何事もなかったように思いたいから

「早く幸せになりなさいよ!」と私は笑って言う。

私もあなたに言ってない悲しみが沢山あるけど、余白のページを怖がらずに、目を瞑っているの。両手を広げて誰かが待っていてくれていると。


こんな私達はポジティブなようで不器用だよね。笑っちゃうよ。

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