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映像美と表現力のぶつかり合い

暇を持て余していたので映画を観た。

映画 人間失格

めっちゃ気になってたのに結局いままで見なかったな。

感想を一言と言われたらタイトルの通り、映像美と表現力のぶつかり合い。蜷川実花作品は色遣いとか妖艶な演出とかすごく好きでよく観るほうだけど、男性主役の話だとどうなんだと思ってたら期待をバーンと越えてくれました。子どもが赤い照明の中笑うところとか鳥肌が。濡れ場の撮り方がきれいだけど汚らわしいというか生々しくて芸術だなといつも思う。

この映画が気になった理由はなんと言っても女優がすごい。宮沢りえってやっぱりすごい。この前、湯を沸かすほどの熱い愛という映画も観たのだけど、その時も鳥肌、それも悪寒に近いゾクゾクする感じ。不思議な魅力。きれいだしね。そして沢尻エリカ。私ね、結構好きなんです、この人。女優としての彼女はやっぱりすごい。演技に引き込まれるし、悪女もいい女も両方できるから。あとは顔が好き。そして二階堂ふみ。この人もすごい。狂気を表現させたらかなり上位なんじゃないかと思う。最後にかけて狂っていく芝居はちょっと引くくらいお見事だった。

そして小栗旬。私あんまりこの人の演技について考えたことなかったけど、すごいのね。クズな男を演じる印象なんて全然なかったけど、いたるところで最低だな、と思わされた。後半にかけて目つきとか表情とか、どうしようもないクズな男だと思いつつもどこか同情させられる感じ、太宰治もそんな魅力があったのかなと思った。

主役たちの表現力のぶつかり合いに加えて映像美。決してハッピーエンドではないけど、私は最後スカッとした。終わり方も鮮やかだった。

本物の太宰治がどんな人物だったのか興味わいた。帰ったら読んでみたい。

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