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あなたの知らないディープ大沢①

いま、日本で一番アツい場所

いま、日本で一番ホットなのは地方ではないだろうか。それも過疎地。
きっと昔(1990-2010年くらいまで)の日本社会が、ITベンチャーやら外資系やらに感じた自由さや課題、そして可能性を、今は地方に感じている気がする。なぜなら、高齢化社会は世界の国々がほぼ迎える未来だからだ。それは高所得の国からおきやすく、日本は世界一の長寿国。世界の未来の先駆けをいっているにも関わらず、地方、特に過疎地は保守的な場所が多い。実験と適応、そして変革が求められる地と、その気質の乖離。日本の過疎地には可能性と課題が同居している。

かくゆう私も地方への可能性と危機感をもって自分の地元に戻ってきた一人だ。私が戻ってきたのは、「このままだと、自分の地元が文化的にも人口的にも消滅してしまうのではないか」という危機感があったのと、「ボロ儲けできんじゃね」という邪な気持ちから。でも、結果はご覧の通り、私の名前も事業も全然知られていない。つまり、私はただのしがない地方移住者の一人で、全然ボロ儲けできてない。読み全然当たってない。(どちらかというとただのボロになりつつある。)でも、首都圏にいた頃よりも地域や組織を跨いだだいぶたくさんのことに関わらせてもらっていると思う。ということで、今回はそんないち地方移住者からの過疎地レポートだ。

地方創生の現場から

さて、過疎地や地方創生と言って思い浮かぶのはどんな地域だろう? たぶん、豊かな自然を想像する人が多いのではないか。今回ご紹介するのは、そんな「ザ・田舎」を絵に描いたような場所・山形県酒田市大沢地区だ。実はここは、地域創生をし、新しい試みを行い、かつ地域の人たちと関わりながら昔ながらの伝統を継承していくという、一見相反するような活動を同時進行で行うことができるミラクルな土地なのである。

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山形県酒田市の山間部にある大沢地区。日本の里山といった感じ

大沢では伝統と新しい挑戦が同時進行している

実は、私はここ数年大沢地区の地域行事などに参加している。例えば、大沢「大」文字まづり(※ま「つ」りではない)や、コロナ禍で開催された観光オンラインツアー、室町時代から続くと言われる青沢獅子踊り、都市部とのオンライン移住相談会など……。オンラインの試みと伝統文化の継承が一挙に同時進行で行われているのを、スタッフとして見てきているのだ。そして、そんな大沢で「大沢の魅力をさらに発信するために、ワークショップ開催すっぞ〜」と聞きいたので、令和3年10月24日に参加してきた。その名も、「大沢地区 魅力発見ワークショップ」である。

大沢地区 魅力発見ワークショップ

このワークショップは、大沢地区を実際に巡り、味わい、地域の人たちと交流することで、今までなかった視点で大沢地区の魅力を発見し、ひいては観光資源や産業を創造するきっかけにしようというもの。鶴岡ナリワイプロジェクトの井東敬子さんをファシリテーターに迎え、Sukedachi Creative 庄内のスーパー県職員の青木啓介さんから趣旨説明があった。今回の参加者は15名前後。その中にはなんと高校生もいた。一人で飛び込む勇気、すごい行動力!


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鶴岡ナリワイプロジェクト代表の井東敬子さん
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Sukedachi Creative 庄内の青木啓介さん

大沢のシンボル:大沢「大」文字(おおさわだいもんず)

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合同会社COCOSATOの阿部彩人さん

大沢地区については、2017年から同地域に在住の阿部彩人さんから(合同会社COCOSATO)からスライドを使って説明があった。

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大沢のダイモンズ(「大」文字)

大沢地区の山には、京都の大文字のような大の字がある。これは地域住民の方が「大沢地区のこどもたちが大きく育ってほしい」という気持ちで、一人で除草したところから始まったものだそう。今ではその方は亡くなられたそうだが、地域の人がその思いを引き継いで年3回ほど手入れをしているのだとか。2018年からはその大文字をライトアップして、大沢「大」文字まづりを開催し、今年は地元の小学生がそのライトアップの仕様をデザインしたそうだ。「過去から未来へ、世代間で紡がれているのか……。いい話だな〜フムフム」と聞いていたら、阿部さんから「で、今日はここ、登ります」との一言が。耳を疑うわたし。……結構、遠いよなあ……。でも、こんな機会でもなければもう二度と登ることはあるまい! ということで、用意してくれたスパイク長靴を履いて、勇足で山へ向かった。

次回 あなたのしらないディープ大沢②ヤッホー編

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