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風が吹けば、

このところ、やたら移動の多い生活をしていた。

旅…、まあ主にビジネストリップなんですど、旅の中で感じたことを新鮮なうちに記録する。

…………

当たり前だが、土地が変われば景色が変わる。
まず、主に南北では生えている植物が異なる。周りの昆虫や動物も。
山中と海沿いでは街の匂いが違う。土臭さと磯臭さ。
空は、山中、平野、海沿いの順で広くなる。雲も変わる。
山中は密だ。隙間から見る空は高いけど狭い。うじゃうじゃ生える草木に抱かれる感覚。文学でよく山が母・胎内などの比喩に用いられるのもよく分かる。
平野は人を大らかにする。遮るものが少ないと、ストレスがたまりにくい気がする。
海は、日本海と太平洋、オホーツク海で違いがある。広い海に面した土地の方が、ゆっくり時間が流れている気がする。あと、北に行くにつれてクールさが増す。冷たい、厳しいというよりはドライな感じ。
海も母性と結びつくけど、こっちのママは大らかで放任だ。
恐怖を孕むのはどちらの母もおんなじ。

都会でも、空と海と土・植物が人の心を動かしている。その少なさをもってして。

学識がないので細かいことは分からないが、川、海、土(鉱物的な意味で)の成分が動植物に影響を与え、土地生成にかかわり、気候を作り、人々の心象や身体に何らかの影響を及ぼすのだと思う。食べ物なども含めて。

つまり、人の心身は、土地や風景に規定されるのだ。
「土地柄」とよく言うが、そのスケールは予想以上に大きい。

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占いでは、星の巡りや大地の成分(火とか鉄とか水とかのやつ)が、人の宿命や運命に関わるとされている。
「あなたは〇〇なタイプ!」という俗な言い回しから、当たるも当たらぬも八卦と揶揄されることが多い。
でも、自然や宇宙の有り様が人を動かすという発想は、あながち間違いではない。今回の幾度かの旅を通じ、改めてそう感じた。
占いが古来から脈々と受け継がれているのには、やはり理由があるのだ。変化への恐怖や好奇を受け止める器としての機能。

石井ゆかりさん執筆の12星座の本質、みたいなのを牡羊座から魚座まで通して読むと、その壮大な物語性に感動する。
星の配置で人間を読み解く作業は、生命の誕生から死までを寓話に転換し、神話や詩を編むことと同義だ。

土地が変われば景色が変わる。食べ物も。性格も思考も変わる。
オーストラリアで山火事が起きれば、世界の気候が変わる。大気が変われば人の心も変わる。
星の巡りが変わると、地球の在り方も変化する。住人たちにも影響が及ぶ。

「風が吹けば桶屋が儲かる」のだ。何事も。

………

ずっとドサ回り田舎旅だったので、車窓を眺めながらそんなことを考えておりました。楽しかった。

情勢的に、しばらくは移動も出来なくなるだろう。
引きこもり体質なのでステイホームが大好きだけど、たまには旅も良いものです。

……

それはさておき、自分の人生を切り開く覚悟を、いい加減固めなければなりません。
ここらで持つべきもの、捨てるべきものを整理したい。
基本地獄を生きるのが人類の宿命ですが、せめて小さい光くらいは灯したい。自分のやり方はほぼ錐揉み式発火法(棒を回転させるあれ)なので、時間がやたらかかっているのですが…。
でも、人生なんて言い訳してたらあっという間に終わる。がんばります。

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