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新学期に言うことば

8月31日。
9月1日は新学期が始まり学校が始まる。
私がいじめに遭っていた頃、夏休みは世間で言われるよりもずっと短くて
少なくとも8月25日くらいには学校に行っていたと思う。

だから新学期=9月1日という感覚があんまりなくって
新学期と共に不幸が起きる感覚はとてつもなくわかるんだけど
8月31日と9月1日に境目があることがいまいち感覚としてわからない。


いじめにあってから30年後。
30年前、世界が丸ごと変わってしまうことを祈り続けていて
そうして実際、いま世界が変わった。
でも変わった世界で思ったのは、私の生きてきた世界がみんなの世界になっただけだということだった。

人が近くに寄ってくるのは気持ち悪いから、もともと人の距離は取っていたし
マスクも花粉症・喘息などの対策のために夏以外はしていることが多かった。
仕事もずっとひとりで部屋の中でやっているのでテレワークも新しくない。

ひとつだけイベントやライブが奪われたことだけが変わったけれど。

「新しい生活習慣」と言われる中で私には目新しさがあんまりなかった。

学校に関してもそう思う。
月のうち10日は風邪で休んでいたから
「通えなくて友達と会えないのはかわいそうだ」とか普通だった。
「修学旅行の一生の思い出がなくなるのはかわいそうだ」とかも
誰しもが楽しく過ごせると思っているのがお笑い草だ。

私のいじめ最中に行った修学旅行は確かにある意味一生の思い出だ。
直前まで体調不良によってドクターストップがかけられていて移動中も先生の目の前の席。
白川郷で誰も一緒に回ってくれる人がいなくてこのまま雪に埋もれて帰らなくても良いんじゃないかと思った。

「こんなご時世だから」ではなくて
30年前からそんな「かわいそうな」思いをしている子供がいたことを
わかっている人はいない、っていうのがわかった。


最近過去のいじめ問題を糾弾された人もいた。

すでに時効になっている傷害事件の加害者を責め立てて良いのは
被害者だけなんじゃないかな、と思う。
私も加害者の人たちを許すことはできないと思う。
いつか加害者の子供にも母親のした暴行・暴言・窃盗などを教えてあげたいと思う。

ひどいことはひどいこと、だけれども。
その時に見てるだけで何もできなかったその「環境」を作り上げていたのは
そしていじめすら正義になっていたのは
そうやって人を糾弾するだけの人たちなんじゃないの、とすら思う。

教室で助けもせず何も言わずに見ていて
誰かが非難された途端に「俺も見ていました!」って言う人いるでしょ。
ああいう人が今になって糾弾してるようにしか見えないんだよ。

よってたかって理由があるからって関係ない人がひとりを叩く。
どっかで見たことあるよね。
大人もSNSでメディアでニュースで、いじめを続けているんだよ。

めちゃくちゃ恥ずかしくてありえないことだけど。
残念ながらそんな「環境」の「社会」でいじめがなくなることはない。

結局30年経ってわかったのは
苦しい気持ちも状況もそれが普通だった自分を理解してはもらえないことと
どれだけ経っても当時の教室での「立場」を「守り続けている」人がいること。

だからこのままなら、いじめは続けられる。
それを変えようなんて思うなら
大人はまずその「社会」が置かれている、いじめを簡単に無意識にしてしまう「環境」を理解して変えていくことだ。

そうじゃなかったら、いじめられている子が救われない。



でもね。
いじめられている子は自分で自分を救う方法がある。
というか、そんな異常な環境の社会で救えるのは自分しかいない。

そこから抜け出すたったひとつの方法がある。

「助けて」って言うこと。

助けてって言ってもすぐに助けてもらえないかもしれない。
伝えた大人はぜんぜん頼りにならない大人かもしれない。
(書いた通り大人でもいじめを簡単にしている人は多い)

でも助けてって言わないと絶対助けてもらえない。

助けてもらえるまで、助けてって叫ぶしかないんだ。
すごく勇気がいるし、しんどい時にかなりキツいことだと思う。

言葉にならなくても良い。

部屋からベッドから無理して起きることをそっとやめるだけでもいい。
サインでいいんだ。
サインだけでは伝わらなくて自分が悪いように思うかもしれない。
そんなふうに言う人もいるかもしれない。

でもそれでいい。
自分を救うならそれでいいんだよ。


私は10代ではできなかったから。
今それをやれっていうのめちゃくちゃ自分勝手だなって思う。

でも当時の10年後「助けて」って言うことを覚えて
たくさんの人が助けてくれたから
あの時のいじめられていた教室から少しずつ抜け出したんだとおもうよ。


ひとことでいい。
「助けて」
新学期に必要な言葉だと思う。

読んでくれてありがとう!心に何か残ったら、こいつにコーヒー奢ってやろう…!的な感じで、よろしくお願いしま〜す。