見出し画像

天才型の計算思考

 突然ですが問題です。

「密度が2 g/㎤の物体が4 gありました。
体積はいくつになるでしょう? 」

 バカにするなって? まあまあ。簡単ですけど一応解説します。
2 g/㎤というのは1㎤あたり2 gという意味ですよね。ってことは、1 gあたり0.5 ㎤ってことです。現在4 gあるから0.5 ㎤と4をかけて2 ㎤が答えですよね。やったー。あれ? なんでそんな回りくどいことするんやって? 

 そうなんです。この解き方は回りくどいんです。普通に真面目に義務教育を終えた方なら、

4 g ÷ 2 g/㎤=2 ㎤

で一瞬で答えが出せるらしいんです。なんですけど、筆者はこの考え方がよく分からんのですね。一応、義務教育終えたのですが。筆者はこう考えます。

2 g/㎤ → 2 gで1 ㎤ →1 gで0.5 ㎤ → 4 gあるから2 ㎤ !!!!!

筆者はまず単位質量あたり(この場合1 gあたり)で何㎤なんだろう? ということが気になります。それさえ分かれば後は4 gあるんだから簡単に答えがわかります。この「単位質量あたり」という考え方が無いように思えるので、筆者は割り算一発の解法が出来ないんですね。

 ちなみに「密度が2 g/㎤の物体が2 ㎤ありました。質量はいくらでしょう?」という計算は得意です。何故なら単位体積あたりの質量と、体積が与えられているからです。筆者の頭の中は

2 g/㎤ → 1 ㎤で2 g →2 ㎤あるから4 g

って感じで瞬殺出来るんです。先程の問題は単位質量あたりの体積が示されてないので、自分で求めてから計算したんですけど、今回は単位体積あたりの質量が既に分かっていたので、スッと計算して終わりだったんですね。

 まだバカにされてる方、いらっしゃると思うのでもう1問例題を出したいと思います。

「水素分子(2 g/mol)が10 gありました。
全部で何molでしょう?」

1 molとは6×10の24乗(6000000000000000000000000)個という個数を表す単位です。ダースと同じノリですね。大きい数をまとめているっていうイメージです。

筆者の答え

水素は2 g/mol →1 molで2 g → 1 gで0.5 mol→10×0.5 mol=5 mol

天才の答え

10 g ÷ 2 g/mol=5 mol

これも簡単だったって? そう。あなたは天才型かもしれません。

 天才の答えの計算自体は、単位を見たら理解できるんです。gをg/molで割ってるから、g同士が打ち消しあってmolが残りそうです。なんですけど、筆者は何故そうなるのか、直観では理解できないんです。何故初めから割るという操作を行えるのかが分からない。何故思い付くのかが分からない。いえ、筆者も解けるんですよ? 解けるんですけど、いっつも単位質量あたりを考えてから計算してしまうんです。せざるを得ないんです。だってそうしないと腑に落ちないから。

 ですが、世の中には割り算の仕組みを完全に理解して、天才型の答えに何の疑いも持たない人がいるらしいんです。割り算の演算から瞬時に単位質量を理解できる、或いは単位質量を考えなくても答えの出せる猛者がいるらしいのです。筆者は、彼らのことを天才型と呼んでいるのです。


2021.08.26

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?