仕事に大義は必要か?

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコースクリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第8回大橋磨州さん(呑める魚屋「魚草(うおくさ)」店主)の授業をリアルタイムでまとめています。

<学んだこと>
・開業するにあたり、飲食店での修行と、三陸の漁師さんへの訪問をした。アメ横の存在自体や、自分の仕事に大義がほしかった。前の魚屋は付き合っている業者はどんどん倒産していった。買い叩いていたのでアタリマエだ。
・三陸の魚を売って、三陸の漁師さんに喜んでもらいたいと思った。これは、今思えばでっち上げだった。
→この話は、もともと商品をタタキ売りする文化のある上野アメ横に置いて、居場所を見つけて、自身も叩き売りをする魚屋で働いていた大橋さんが気がついたことである。この「大義が欲しい」という表現に僕はハッとさせられた。すごくしっくり来たのだ。
自分は、転職を繰り返し、勤務先はすでに4社目になる。転職の理由は毎回様々ではあるが、常に自分の中でモヤモヤしているもの、それが「大義が欲しい」ということなのだと思った。
大義は欲しい。けど、個人としても会社としても稼ぎは必要。このジレンマにモヤモヤしているのだ。
一方で、ジワジワと侵食されていくかの様に感覚が変わっているのを実感している。コロナの影響で、その変化はより強まったし、より表面化した様に思う。
投資家のために会社が取り組むのではなく、自分の大義として、一人ひとりが判断し、行動すれば、事業はどんどん自然にソーシャルグッド化するのだと思った。

<メモ>
・東大大学院卒業目前で、中退して開業
・上野出身でも、魚屋出身でもない
・アメ横は個人事業主が元気に頑張っている商店街。外国人の店主も多い。
・「アメ横の良さ=現代に失われていること」と語られることが多い
・祭りはコミュニティがあるので、神輿やステージに立つことはないが、アメ横はいきなりステージに立たされて、一番前で大声を出して演じれば良いという世界。
・バイトを始めたばかりの自分だけではなく、ホームレスのようなひととか、いろんな素人が魚屋として前面に立って「安いんだから持っていけ!」と叫ぶ居場所が与えられる。そんな仕組みに驚いた。
・アメ横はすべてはったり。
・同僚は既に亡くなっていたりする。
・生きるか死ぬか、ギリギリで生きている人たち。
・改めて上野とは、
 −東京の辺境
 −魚がさばけない魚屋
 −築地のゴミ箱
 −行き場のない、居場所のない人
 −000円のマグロが、今だけ1000円!
・ガイアの夜明けで、未利用魚に付加価値を付けて漁業の活性化を狙うベンチャーを取り上げるのに対して、安売りするアメ横の象徴として取り上げられてしまったことにショックを受けた。
・行き場のない、居場所のない人に役割を与えるアメ横ではあるが、一方で未来がないことを実感した。これはヤバイ。
・すぐに勤めていた魚屋を退職。魚に関わる仕事をしたいと思っていたため、魚を食べさせる店に挑戦。
・飲食店での修行と、三陸の漁師さんへの訪問をした。アメ横の存在自体や、自分の仕事に大義がほしかった。前の魚屋は付き合っている業者はどんどん倒産していった。買い叩いていたのでアタリマエだ。
・三陸の魚を売って、三陸の漁師さんに喜んでもらいたいと思った。これは、今思えばでっち上げだった。
・色々試して、改善していった。
・でっち上げから始まったが、お客さんとのやり取りがあり、いろいろ変えながら今の形に落ち着いた。
・生産者のところに行って、現場を見せてもらったり、水産業者と一緒に商品を開発したり、できるようにやっとなった。
・4-5月はコロナで一日も営業できず。お店はなんのためにあるのか?とよく考えた。
・それは街のためと考えついた。自分の居場所になったり、居心地がよいと感じたこの街の一部になるために仕事をしている。

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