山本卓司(ナラティヴ・ラボ/岐阜開成学院)

通信制高校サポート校/フリースクール・岐阜開成学院のひと。大男。焚き火好き。ライフワー…

山本卓司(ナラティヴ・ラボ/岐阜開成学院)

通信制高校サポート校/フリースクール・岐阜開成学院のひと。大男。焚き火好き。ライフワークは人間味と対話があり真の自己肯定を得られる場を作ること。マルチメディアで生きる力を育む表現活動の場「ナラティヴ・ラボ」を立ち上げました。

マガジン

  • 岐阜開成学院 TAKUのーと

    通信制高校サポート校・岐阜開成学院代表の山本が書いています。浮世を染まず漂う大男です。自分の言葉で考え、自分の時間を自分のために生きようとする人への応援メッセージです。

  • ナラティヴ・ラボ マガジン

    ナラティヴ・ラボは「ホントの声を聴き・ホントの言葉で話す」ために対話の場・共創の場をつくります。 「自己理解」「他者理解」「国際理解」をキーワードに多様なプロジェクトやイベントの運営、そしてそこで行われる居場所づくり・仲間づくり・個別対話などを通じて、若者が安心して社会で活躍するための環境を整備することを目的に活動します。 現在、社会問題を扱ったドキュメンタリー映画を見ておしゃべりをする月1回の『 ダベリバシネマ』とマルチメディアを活用したナラティヴ人材育成プロジェクト『DSTプロジェクト』という2つのプログラムを継続開催しています。また国際理解のためのトーク&ライブイベントも開催しました。 このマガジンではそれらプロジェクトの情報などをお伝えします。

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「ナラティヴ・ラボ」とは

わたしたちは2018年の「てにておシアター ラジオドラマプロジェクト」の発展形として、2022年12月より「ナラティヴ・ラボ」を立ち上げます。 コロナ禍以降、多くの若者が様々な理由・環境により分断され孤立する状況が深刻化しています。 包括的な若者の心理的安全性を確保できる場、そして共通な課題や悩みを抱えている人同士が出会い、エンパワメントされる場の必要性を強く感じます。 ナラティヴ・ラボは多様なバックグラウンドを持つスタッフ・参加者が集まり、対象者に応じ楽しみながら自立に

    • ジェンガは対話のツールなのね。

      本日、新入生ミーティングでした。堅苦しい自己紹介なんか頭にも心にも残らないので、楽しく「知り合い」になるためのいくつかのワークを行いました。 だんだん遠慮せずに声も出せるようになり、かなりやわらかな雰囲気で高校生活のスタートを切ることができました。 終了後は残った数名の1年生と職員、そして手伝いに来てくれた3年生みんなでジェンガ。最近、岐阜開成学院ではちょっとしたジェンガブームなんです。 ジェンガって焚き火とかと似ていて、気負いすぎずゲームをやりながらコミュニケーションがで

      • ホントの声とホームページ

        映画を3倍速で見たり、 少し長い文章読まなかったり、 間をガンガンつまむ動画を好む人が溢れている。 だからこそ、 私はそういうものを好まない人に向けた発信を 常に心がけている。自分もそうだから。 昨日、17歳高校2年生の生徒が見学に来てくれた。 おっとりしてニコニコしたひと。 ホームページや動画を隅々まで見てきましたとのこと。 「たくさん通信制あるし、うちを検索で見つけるのだいぶ掛かったと思うけど何でウチなん?」と聞いてみた。 「ホームページが他と全く違ったから」 「

        • はんめん。

          駅までの道に小学校5,6年生の時の担任の家がある。よく外にいるのを見かけるが一度も言葉を交わしたことはない。 私にも問題はあったのだが頻繁に殴られていたし、保護者懇談で母に向かって「息子さんがいなくなってせいせいします」と言い放ち母が激怒したからだ。 中学からは地元の中学ではなく名古屋の中高一貫校に進学した。前述の懇談のこともあり中学最初の保護者懇談で母は大丈夫だろうかと相談した。 担任の先生は 「大丈夫ですよ。彼は大器晩成タイプです。それにウチはみんなそんな子ばかりで

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        記事

          内側にあるもの

          面接。 書くのが苦手というだけで自信をなくし自分を苛む入学希望の中3に、 「キミの内側にある目に見えない言葉を大切にしたいと思っているよ」と伝えました。 考えすぎてマイナスのイメージが夢か幻覚か映像で現れる中3には、 「映像やりたいキミには最高のスキルじゃない?労せずビジュアルイメージが勝手に出てくるなんてクリエイターにはご褒美やんか」と伝えました。 彼らの内側には溢れるほど豊かな世界がある。真摯に生きたいと願う彼らを出来る限りサポートしたい。情報提供や笑いやフレー

          陳腐な標語

          https://twitter.com/vosot_ikeida/status/1689532759453356032?s=46&t=xJr0EwoLvdTT4A02Ta-PQg このツイート(あえてそう書く)を読んで。 教育でも福祉でも、真剣に仕事に向き合う人ほど己の無力を嘆くことがあるのではないでしょうか。それでも縁あって出会った目の前の人に何が出来るか考え抜いて日々を送る。ひとりでも良い結果にならなければトコトン落ち込む。 だからこそ「誰1人取り残さない」「誰もが

          クラスはないけど”暮らす”はある。

          通信制高校の職員の時代に、私たちの授業受けに引率してきた当時サポ校いま通信制高校の職員が「言うこと聞かないと単位やらねえぞ」と恫喝していた。生徒が反抗的な態度だったから。 そのあと授業はじまり「はい、山本です。成績評価するのオレでーす」と言われてた生徒にニヤっと笑ったらその子もニヤっとしてた。その子はしっかり授業受けていた。 何ヶ月も一緒にいて信頼関係ひとつ構築できない奴がパワハラしてんじゃねえよって思いましたよ。よくもまあ私の前でそんな嘘で生徒脅せるなと。もちろんサポ校

          クラスはないけど”暮らす”はある。

          今後のDSTプロジェクト案

          これからのナラティヴ・ラボDSTプロジェクトでやってみたい事を挙げてみます。 ①「取材」を通して自分を見つめる。 相手を知り自分を知ることが対話の始まりです。相互取材ワークやペアでフィールドに出ての取材を通して他者理解と自己理解を進めます。また共創から生まれる効果を実感します。 ②楽器初心者が集まりバンドを組み、3ヶ月で何とかバンド演奏のステージに立つ。 楽器の上達という自己の取り組みと、バンド演奏という集団での取り組みを通して自己理解や他者理解を進める。 ③朗読劇の稽

          DSTプロジェクト2023完了です。

          孤独・孤立とは、共感と対話のない世界のこと。 居場所とは不動産のことでなく”ひと”のこと。 「ココロの動画」制作、DSTプロジェクトを今日の最終振り返り会でひとまず締め括って、こんなことが頭にくっきり残りました。 「不器用に生きているのは私だけじゃないんだ」「自分のことを誰かに話していいんだ」「ここは間違いなく居場所だった」「みんなと仲間になりたい」 かつて自分を低く見積り孤独に沈んでいた若者の言葉に共感と対話の意味を再確認しました。 それぞれの表現(ナラティヴ)が共

          もうすぐ「ココロの動画」上映会

          自分の「宣伝する」という能力の無さ。 なんだろこれ。嫌になります。 でもなあ、不器用に生きる若い子が 中には極端に文章作成の苦手な特性ある子が、 答えのない問いに向かい表現する。 アートワークで「自分」を表現し、 それをきっかけに自分と対話し、 自らの過去現在未来を語り始める。 その物語=ナラティヴを マルチメディアを活用して動画に仕上げる。 世の中こんなもんだ こうやっときゃいいんだろ 自分は勝ち組だ そんな奴らには決して作れないもの。 他人に心を閉ざし自分を否定し

          ナラティヴ・ラボ探求プロジェクト第2回行いました。

          ナラティヴ・ラボ探求プロジェクト、 2回目の今回は映画「バベルの学校」を鑑賞し想起したことを話し合っていきました。 多様性というよりは青春群像というべき中学生たちの生の姿を捉えた映画らしいドキュメンタリーでした。 作中の中学生たちが制作したショートフィルム、実はそれこそがナラティヴなのです。 そこでも違いと共通性というワードが出てくるのですが、このプロジェクトでも違いと共通性、その先にあるものは?を考えることが重要になってきます。 今回の探求プロジェクトで「バベルの学

          ナラティヴ・ラボ探求プロジェクト第2回行いました。

          DSTプロジェクトスタートと私たちが共有したいもの

          DST(探求)プロジェクトはじまりました! 初回は参加者スタッフ、老若男女入り乱れて自己紹介と交互質問のワーク。 最初はかなり緊張している人が多かったのですが、ほぼ初めて話すような人ばかりなのに予想以上に盛り上がりました。 身体性を伴うワークと会話のワークを交互に行い、だんだん話すのが楽になることを体験しました。 整った話をしようとするのではなく、伝えたい気持ちでまず話すことの良さを感じるほど笑顔が増え、会話も大いに盛り上がりました。 次回からのワークショップも楽しみ

          DSTプロジェクトスタートと私たちが共有したいもの

          ダベリバシネマ、はじめました。

          ダベリバシネマ、初回を開催しました。 告知も充分でなく、寒い雨の降る金曜日で誰も来てくれないのではと気を揉んでいましたが、 仕事終わりやたまたまタイミングが合うなど時間を作って何人かの方が来てくださりホッとしました。 上映した「バベルの学校」は、フランスの公立中学校にある適応クラス(様々な事情で世界各国からやってきたフランス語を母国語としない生徒たちのクラス)の1年を撮影したドキュメンタリーです。 生徒たちの変化や生の語り(これこそがナラティブです!)が観る人の心に様々な

          ホントの言葉を

          自分や他人を偽らず、かつ出来るだけ思い通りに生きるためには、社会人としての基本的な能力を一定以上有していることが必要だ。 特に国語力(文章力・読解力・語彙力)をベースとした伝える力は。 巷間溢れかえっている”誰でもできる”薄っぺらな広告屋的テクニックではなく、自分の心からの言葉を持ち、アウトプットできること。 このトレーニングで生きづらさが和らぐ可能性がある。何より洗練されていなくても心の奥から出てきた言葉には力がある。 不器用な若者にこそ国語の力を。 上手く書くのではな

          “普通”なんてない。

          自分に見えているこの景色が、 自分の持つこの概念が、 相手に存在しないかもしれないという前提があって はじめて受容する姿勢が生まれるのかもね。 「普通そうだろ」「常識だろ」 を連発する人は 多分その前提が薄いんだろうなあ。

          ナラティヴ・ラボ 探究プロジェクトⅠ

          プロジェクト概要「他者理解と多様性」をテーマに、ドキュメンタリー映画を鑑賞し意見を交換したり、コミュニケーションと他者理解・自己理解のためのペアワークやグループワークなどに参加しながら毎回自己の心の動きを記録し、ふりかえりの会でメンバーとシェアします。そしてここまでに心に浮かんだ気づきや想いをまとめた文章を作成します。その文章を自らの朗読音声と写真やイラストを組み合わせ、あなただけの「ココロの動画」に仕上げます(DST動画制作)。  普段の学校や友人関係とは違い、所属や経歴

          ナラティヴ・ラボ 探究プロジェクトⅠ