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#3「メタバースに住み、メタバースに出かける」週刊連載「メタバースとコミュニティ」

週刊連載「メタバースとコミュニティ」
と題しまして書き進めているシリーズです!
これまでの記事は以下のマガジンから読むことができます。

第一章メタバースの大地に降り立つということ


ホームがあるから出かけられる(2023年1月)

住まう空間ができたことで、日中はclusterで作業したり住人のみなさんと雑談するようになりました。
この時期、VRChatというメタバースにも参加していました。
clusterには「全コンテンツスマホ対応」という特徴があり、それゆえにワールドやイベントで表現できることにも制限がありました。
ですが、VRChatはハイスペックPCでしか入れないワールドも公開することができるのでclusterでは見ることができないワールドも体験することができました。
VRChatはコアタイムが大体22~25時と遅く、イベントなどもその時間に開催されます。
そのため、日中はclusterで過ごし夜になったらVRChatへ出向くという日がよくありました。
まさに、家から都市に出かけるような体験でした。
VRChatでしかできない体験があるから、VRChatにすぐ引っ越しするかというとそうでもなく、やはりこの世界に住まうというのは機能とか体験だけの話ではないのだなと感じました。

実際二つのメタバースを移動するときに必要なのは
1,clusterアプリを閉じる
2,VRゴーグルを起動する
3,VRゴーグルをPCに接続する
4,VRChatアプリを起動する
という4工程なのですが、不思議な事に最初はこの工程がとてもハードルが高く感じられるのです。
clusterとの心の距離が
旅先→隣町→地元に変わっていったように
この距離感は通う内に縮んだり伸びたりします。
そのため、1つのプラットフォームに常駐する人が比較的多くなりがちです。
私の場合は文化人類学に興味があることもあり異なるプラットフォームを行き来きすることでそれぞれの特徴をわかりやすくしたかったという目的がありました。
それゆえに、この多少高いハードルを乗り越えて出かけることができたような気がします。

VRChatでの所属体験(2023年1月)

お笑いコミュニティで学んだこと

VRChatではお笑いコミュニティと、接客コミュニティに参加しました。
最初に参加したのはお笑いコミュニティでした。
バーチャル世界での知人が先に参加していてライブを見に行ったところ、とても楽しそうだったので自分も入れてもらうことにしました。
VTuberとしてトークも磨きたかったのです。
このコミュニティでは隔週でお笑いライブを開催しており、それ以外にも他のイベントに呼ばれたらネタをやりにいくという「営業」というスタイルもあります。
ここで面白かったのが、接する時間が短くても目的が同じで複数回会う事で確かに「仲間感、所属感」が得られたことです。
それまで、メタバースで過ごし仲間になった方とはみんなとても長い時間を共に過ごすことでお互いに慣れたり友人になっていました。
ですが、このお笑いコミュニティは短期集中型で長時間一緒に過ごすのではなく、お笑いライブのために約一時間程度集まり終わったらすぐ解散するというスタイルでした。
それでも、回数を重ねるごとに確かに自分がそのコミュニティの一員であると感じることができるようになりました。
おそらく、みんなお笑いが好きという共通点があるので仲良くなるのにあまり時間がかからなかったのだと思います。
また、このコミュニティは毎回必ず参加しなければいけないわけではなく
それぞれの忙しさに応じて半年以上休むことがあっても大丈夫というのも過ごしやすいポイントでした。
久しぶりに参加することで「待ってたよ!久しぶり!」と言ってくれる人がいるというのはなんとも心強いものです。

接客コミュニティで学んだこと

次に参加したのは接客コミュニティです。
人数制限をしてお客さんに対してキャストがしっかり話しかけることができるようにするというやり方でイベントを成り立たせていました。
(人数制限をしないと、キャスト3人に対してお客さんが40人とかになってしまい、1人1人に声をかけるのが難しくなってしまう)
バーチャル世界なので、設定すればボタン一つでお客さんの飲み物をキレイに陳列することもできるはずなのですが、
あえて、営業前にキャストがひとつひとつ並べている姿が印象的でした。
思えば、物理世界での接客業というのも「自分や機械で出来る事をあえて人がやってくれる」という所に価値があるような気がします。
お酒を飲むのだって、家で缶チューハイを飲む分には150円ぐらいで済むところを、あえて人が隣に座ってわざわざグラスに氷を入れて、グラスの水滴まで拭いて出してくれる。
マッサージも電動機器を使うのではなくわざわざ人が手を使って、その人の疲れているところを読み取ってほぐしてくれる。
そういう「わざわざ」が価値なのだなと気づけました。
だから、ここ最近AIとかで人の仕事がなくなるという話が出てきますが
むしろ逆で、なんでも自動でできちゃうからこそ「人」がわざわざやってくれることが高級な体験になっていくんじゃないかなと思っています。
しいて言うなら薄利多売は終わっていくかもしれませんね。
それなりのものはタダ同然で手に入ってしまうので。
そうなった時に人が何に価値を感じていくかというと、複雑でわかりにくいものになっていくと思うのです。
そして、それの最たるものが「人間関係・コミュニティ」だと思うので
これから着手していくならやっぱりこっちなんだろうなぁと感じます。
今さらっとめちゃくちゃ重要な事書いたので見落とさないように気を付けてね!😊

そんなわけで、接客コミュニティでも様々な人と出会い
VRChatという世界で今なにが起きているのかを沢山教えてもらう事ができました。
とても参加者さんが多いコミュニティなのですが、もてなされるお客さんだけでなくキャスト一人一人にも参加するメリットや、やりがいがきちんと用意されていて、それが所属感に繋がっていると感じました。
また、飲食店で働いた経験がある人は多いのでいわゆるタレントがステージで行うShow型のイベントよりも参加イメージがしやすく、挑戦したくなる形式だとも思いました。
特別歌がうまくなくても、ダンスが踊れなくても、目の前の人に
「今日もお疲れ様」って言葉をかけることが、希望を配る行為になる。
それってとっても素敵ですし、実際社会はそうやって回ってますよね。
同じことがメタバースの世界でも日々行われているのです。

さぁ、そんなこんなですっかりメタバースの住人となった由宇霧
次回は「メタバースコミュニティを立ち上げるということ」について書いていきます。

※書いている途中で時系列的に書き洩らしがあったことに気付いたので投稿日が前後しています。ナンバリング通りに読んでいただければOKです!

筆者 由宇霧(ゆうぎり)プロフィール

世界で初めて性教育の本を出版した特化型VTuber♨️
メタバースで居場所作りの探求中。
雑誌連載中「出張版 #特化Vの会」(VTuberスタイル)
メタバースイベントコミュニティ CLUSTARS運営
Virtual ASOVIVA TV -ビバテレ-プロデューサー
取材や講演会のご依頼は yugiri.staff@gmail.comまでご連絡ください。




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