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究極のラブソング

かなり前なのですが、櫻井・有吉THE夜会という番組に星野源さんが出ていた時に「ナンバーワンラブソング大発表会」というラブソングの歌詞についてひたすら語る企画が行われていました。

もし僕がその発表会で紹介するとしたらこの曲だ!という曲について今日は書いていきたいと思います。ちなみに星野源さんが紹介していた曲はこちらからご覧ください。

SUPER BEAVER『your song』

僕が紹介したい曲は、SUPER BEAVERの『your song』です。まず聴いて貰わないと伝わらないので、1度聴いてみてください。

SUPER BEAVERは基本的に歌詞が全て日本語なので、大事に言葉を伝えてくれています。なのでSUPER BEAVERのラブソングはとても繊細です。特にyour songは「好き」という感情を徹底的に分解した曲だと思っています。

歌詞を僕なりに深掘りしていきたいと思います。
あくまで僕なりなので、それぞれの解釈があると思います。

1番

君に何かを伝えたい
でもその何かが言葉にならない
なんだそんなもんか?
僕の想いは 君が大切だとか言ってみても

君に何かを伝えたい
でもその何かが言葉にならない
あれこれ考えて 足りないなって
嘘っぽいから言えない

何か」って一般的には「好き」という言葉だと思うんですけど、その言葉だけで伝えるのはありふれすぎているし、どんな言葉で伝えれば君に届くんだろうと考えているんだと思えます。

これって本当みたいで言葉にすると感性が失われてしまうそうです。つまり自分の持つ感情に「好き」という名前を付けてしまうと、その言葉の中に自分の感情が収まってしまうんです。

だから特に強い意味合いもなく「このアイドル好きかも!」っていう“好き”と恋愛感情を持った人の「あなたが好き」の“好き”も文字面だけ見ると一緒なんです。それが嫌だからどう伝えようと迷っています。

だからといって夏目漱石みたく「月が綺麗ですね」って新たな伝え方をしたとしても共通認識がなければ相手に伝わりません。既存の言葉をなんとか組み合わせても、どこか嘘っぽくなってしまいます。

また自分の感情をそのまま言葉なしで相手に伝えることもできません。相手のことを大切に想う感情は本当かも知れないけど、その言葉に収まらない気持ちを伝えることはどう頑張ってもできないのです

(ちなみに感性が失われるのはホンマでっか!TVで言ってたことです。他にも言語で伝えられる情報は最大で40%までだとも言っていました)

"君のため"というその全てが
僕のためのような気がして
"君の気持ちになろう"っていう
それがまずもう僕の主観

捻くれているつもりはない
だけど全てに矛盾を感じてしまう
ああ 君に何を言おうか

よく「相手のためを思って行動しよう」とか「人の気持ちを考えよう」と言います。普段生きていく中だと確かに大切な気もしますが、それって「自分ならどうして欲しいかを考えよう」ってだけなので自分軸なんです。

それに気付かずに「人のため」とか言って、むやみに行動するから「良かれと思ってやったのに、、」なんて言う人が後を絶ちません。結局自分目線の話でしかないという前提を忘れてはいけないのです。

そういう考えを持っているから、自分の感情を伝えるには「好き」という言葉が自分的には最も良いと思っても、相手には伝わらないかもしれません。またそもそも気持ちを伝えることが迷惑なのかもしれません

そんなことを考えていると全てに矛盾を感じてきてしまいます。結局人は他人になれないのでそりゃそうです。ではどんな言葉を使って伝えれば良いのだろうと考えるけど、結局まとまりません。

さんざん考えたって
結局君に会ってしまえば
何かどうでもよくなってしまう
僕の思考なんて
そんな気持ちを僕は
ずっと言葉にしたいなって
君に伝えたいなって
思ってんだ

この今まで考えてきたことが「君」を目の前にするともはやどうでもいいんです。そんな気持ちも言葉にしたいけど、することができないという葛藤を抱えた様子を描いていると思います。

2番

君に何かを歌いたい
でもその何かがよくわからない
なんだそんなもんか 僕にとって
君の存在なんて そんなもんか
君に何かを歌いたい
でもその何かが歌にならない
頭ひねって並べた言葉って 嘘っぽくて歌えない

主に1番と一緒なんですが「歌いたい」という歌詞になったので、作詞をした柳沢さんのラブソングへの葛藤が見えるような気がします。感情を歌詞に載せようとしても考えすぎると嘘っぽくて歌えません。

愛してる」 違う そうなんだけど何かが違う
ありがとう」 違う 思ってるけどそれだけじゃない
ごめん」違う「バイバイ」違う 違う
君に何を言おう

愛してる」や「ありがとう」という言葉を並べてみますが、確かにそうだけど何かが違うという違和感を覚えます。でも「ごめん」や「バイバイ」はもっと違うんです。じゃあ何を言えばいいんだと悩みます。

さんざん考えたって
結局君に会ってしまえば
何かどうでもよくなってしまう
僕の思考だけどさ
ねぇ伝えたい 何かさ ねぇ歌いたい
君が僕に こんな気持ちをくれたように

さんざん考えたって
結局こんな歌になるんだ
答えなんて出ないし
感動的なメッセージもないし
でもきっと伝わりきらないから
僕は歌を歌い続けるんだ
いつの日か全部 全部 君に届くその日まで

結局どれだけ考えたって会えばどうでも良くなるけど、それでも何かを伝えたいと考えます。すると答えなんて出ないし、感動的なメッセージもないけどこんな歌になったんだと思います。

きっと伝わり切らないから僕は歌を歌い続けるんだ」という歌詞はある種”プロポーズ”だと思います。どうせどんな言葉を並べても伝わり切らないから、ずっと伝え続けていくことが大切です

おわりに

なんとなく素敵な歌詞だと思ってたけど、初めてこんなに深掘りしました。改めて本当に良い歌詞です。ただ本文中で「『好き』という言葉は文字面だけ見ると同じ」と書いてしまいましたが、そんなこともないと思います。

なぜかというとこのような考え方もあるからです。sumikaのボーカルの片岡健太さんのツイートです。多分「この曲めっちゃ良いですね!語彙力なくてすみません!」みたいなコメントへの返信だと思います。

文字面だけ見ると同じでも、気持ちの込め方によって変わってきます。だから対面でのコミュニケーションが大事だし、気持ちはもったいぶらずに伝えることが大切なんです。

本日も読んでくださりありがとうございました!

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