見出し画像

 区役所総務部庶務係長の新島奈緒美は、白髪の目立ってきた髪を黒く染めて肩まで垂らした女性。華美な化粧や服装はしないが、身なりはいつもきちんとしている。

 仲田課長は庶務係長に頭を下げた。「辻原さんのこと、お願いします。区長の方針で、障害のある人の採用を進めるというのがありまして」

「働けない人を無理に働かせて、余計に負担がかかったりしないですか?」新島係長はけげんそうに言った。

「いえ、辻原さんは、ただコミュニケーションに不器用なところがあるだけで、身体は健常者と同じですし、とても頭のいい方ですから、きっと色々なことができるようになりますよ」

ここから先は

1,221字
仕事のつまづきで発達障害に気付き、エアロビクスインストラクターに転身し成長していくヒロイン。周囲の人間関係のダイナミクスにどう向き合っていくか?

現代日本を舞台に発達障害のあるヒロインの成長を描いた小説。ヒロインは学校時代を経て就職後につまづき、発達障害の診断をされて再就職しますが、…

よろしければサポートお願いします。サポートは100円、500円、1000円、任意の金額の中から選ぶことができます。いただいたサポートは活動費に使わせていただきます。 サポートはnoteにユーザー登録していない方でも可能です。