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腸内細菌小噺_003_Re:

さてさて、
昨日の腸内細菌小噺_003〜アレルギーの研究だってさ〜の裏話を。

有料の論文なので詳細には解説できませんが、私なりのサマリーを紹介

まずは、003はこちらです↓


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まずは003での疑問を確認します。

論文はプレプリント(正式版ではなく、内容だけOKされた状態)でした。
いわゆる、下書き状態😅

✅ 酪酸菌として抽出しているのはクロストリジウム目
酪酸測定してないけど、論文引用して対応
✅ アレルギー指標はIgE 0.XX / kUa/L 以上
✅ TregはFACSを使って測定しているが対照群の測定結果はなく、リファレンス(辻先生のデータ)と比較
✅ 多様性はshannonとshimpson index

酪酸菌について

酪酸菌の定義:クロストリジウム目(もく)

ヒトでいうと霊長目という単位
確かに、酪酸を作る有名な菌を含みます。悪くないが、具体的にどの属がいたのかを知りたいですね。人によっても違うと思います。
有意差が出る解像度まで落とした感…。(真相はわからないですけど)


便中の酪酸濃度

酪酸は測定していない…。
論文を引用し、アレルギーだと便中の酪酸濃度が低いことを記載

素直になんでや!これはジャーナルが悪い気がしますね。


アレルギーの指標

IgEの濃度を指標としている。
実際に鶏卵でアレルギー疾患と判定されている。

うーん、それだけ?って感じがします。(←個人の感想です。)


制御性T細胞(Treg)の比較

アレルギー群のみ測定し、コントロール群は測定なし。
他の論文を引用し、健常人として比較

どうして測定しなかったんだろう…。測定しないと、差がでなかったから測定結果を載せなかったのでは…?と邪推してしまうのですが…。


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まとめると、腸内細菌の論文としては正直物足りない内容でした。

パッと思いつく限り、あれこれやってみたらどうだろうと思うことが多数ありましたが、データはありませんでした。

例えば、
アレルギー指数と腸内細菌叢の比率に相関関係(逆相関)があるのか?
→アレルギーの数値が高い人は酪酸産生菌の比率が低い…とか。

酪酸産生菌の比率ではなく、絶対数の推定もしてほしいなとおもいました。


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実際この論文がどうかは不明ですが、
論文として成り立つために、良いデータ、辻褄があうデータのみ採用することはよくあります。残念ながら良くあるんです。

解像度やパラメーターを色々いじって、関係性があるように見せることもよくされるわけですね。

まぁ、それは科学論文として、歴史的にも、そういうものなんです。
これは、改ざんには当たりません。

ちなみに、特定の実験をして、「失敗しました」というデータは論文化されません。失敗をシェアして活かすことをしません。
…驚きませんか、これ? 
なんて効率の悪い業界でしょう😅

ついでですが、会議の質も悪いんですよね、全然心理的安全性ないし。研究、アカデミアってチームじゃないので、正直生産性低くない?

ついでに悪口言ってしまった😅ごめんなさい。

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以下は私の意見のまとめですが、

1.論文の内容は物足りない
2.広報(リリース)文が盛りすぎ

サイエンスライティングのスキルが低いと判断せざるを得ないなと感じています。

やはり、バズらせようとか、
ちょっと大げさにいう表現が世の中には多い気がします。

解釈や考察を加えるのは結構ですが、
自身の意見なのか、論文報告の事実なのか、はっきりとさせたほうが良いとおもいます。

これは、私もまだまだできているとは思っていません。
ですが、とても気を使って書いています。

わかりやすくすることと、解釈を捻じ曲げることは違います。



メッセージとしては、
こういったサイエンス系の記事は疑ってかかってください。ぬか喜びや騙されて行動を起こさないように。信用できるライターの記事を取り入れてください。もちろん、本当のことを書いている、正しく伝えているライターさんもいます。わかりやすいかは置いといて😅


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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