毎日超短話306「消えた鍵」 #シロクマ文芸部
消えた鍵なら、みなさんの胸の中にあります。みなさん、目を閉じて胸に手を当ててみてください。
舞台袖からピエロが登場して、そう言う。
観客は素直に胸に手を当てた。
あったよーって方、ぼくしか見てませんから、そっと手をあげてみて。ちなみに今日は心のあたたかい人しか来てないって聞いてます。
客席から笑いがこぼれる。
はい! じゃあ、目を開けて!
みなさん、消えた鍵、ありましたね!
あったでしょ? ね!
さあ、拍手を!
おどけたピエロの様子に、観客は笑いながら盛大な拍手をする。ピエロの隣に鍵をなくしたマジシャン。お辞儀をしながら、マジシャンはピエロに言う。
「ありがとう、助かったよ」
ミステリーになりそうなお題ですが、ミステリーはやはり難しくてできませんでした〜
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