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JSTQB-FoudationLavelを受けました(受験日20231119(Sun))

2023年11月19日(日)に、ソフトウェアテスト技術者向けの資格試験、JSTQB-FLを受けてきました。


■JSTQBとは

まず、上部組織として、ソフトウェア技術者の育成を目的として設立されたISTQBという国際的な非営利団体があります。
その日本での加盟委員会として、JSTQBという団体があります。その団体が行っている試験がJSTQBです。

要は、ソフトウェアテスト技術に関する内容を扱った資格試験がJSTQBです。

試験の分類

ISTQBとしての試験の難易度としては、難易度の低い順からFoundationLevel、AdvancedLevel、ExpertLevelと3つに設定されており、ジャンルとしては、COREやAGILE、SPECIALISTというもので分かれています。
さらにその中でも細かく分類されており、見ていくとISTQBの中でも様々な資格があるようです(COREの中のAdvancedLevelに分類されるTestManegerや、SPECIALISTの中に分類されるAI-Testing、GameTestingなど)。

ただし、日本におけるJSTQBでは、そのうちの一部を提供しており、全てを受けられるわけではありません
現状でJSTQBとして受けられるもの(日本語で受けられるもの)は、FoundationLevelの試験と、AdvancedLevelのうちのTestAnalystとTestManageerのみのようです。

FoundationLevelの大まかな内容 ※シラバス2018V3

シラバスに記載されていますが、大まかに
・ソフトウェアテストの基礎
・ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト
・静的テスト
・テスト技法
・テストマネジメント
・テスト支援ツール
についてを扱っています。

例えば、
「ソフトウェアテストの基礎」であれば、
テストがなぜ必要か、テストの目的、テストの種類、どのようなテストがあるか、品質保証とは何か、エラーや欠陥・故障のそれぞれの違いは何か、テストの7原則、テストプロセス、テストの心理(人の心理がテストに及ぼす影響)、
などを扱っています。

また、「ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト」であれば、
シーケンシャル開発モデル(ウォーターフォールやV字モデル)やアジャイル開発モデル(インクリメンタル開発やイテレーティブ開発モデル)を扱っているため、開発手法についても触れる箇所があります。

また、ソフトウェアテストにおけるマネジメントや、テストツールに関する内容にも触れています。

全体的に、ISTQBがまとめた、ソフトウェアテストに関する体系的な知識を学ぶもの、という認識です。

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■勉強した内容とおおよその時間

需要があるか分かりませんが、勉強内容とその時間を書いておきます。

勉強に使った教材

公式シラバス(Version 2018V3.1.J03)
テス友
無料de試験
・YouTubeチャンネル:「GTM【プログラミング講座】」JSTQB再生リスト
・参考書:徹底攻略 JSTQB Foundation教科書&問題集 シラバス2018対応


↓↓それぞれ説明していきます↓↓

公式シラバス(Version 2018V3.1.J03)

JSTQBが作成した試験に関する公式の内容です。
試験自体はこのシラバスの内容から出題されます。
他の教材の問題を解くときの解説として使いましたが、
書いてある内容は「シラバスとして決められているものを体系的に記載した」といった感じで分かり易くありません。
なので、他の教材を併用する必要があります

テス友

VALTESという会社が提供している、Web上で無料でJSTQBの練習問題を解く事が出来るサービスです。Web版とアプリ版があります。

かなり有用で、シラバスに関する練習問題を以下の形式で設定して出題し、解く事が出来ます。

問題数:10問 or 20問 or 40問
問題傾向:特定の章を優先 or 完全にランダム or 間違えた問題を優先

例えば、特定の章に絞って覚えたいときは「第3章を20問出題」したり、少しだけ解きたいときは「ランダムで10問出題」といった事が出来ます。
試験に近い形で「ランダムで40問」といった事も出来ますし、間違えた問題を重点的にやりたい時に「間違えた問題を優先」といったことも出来ます。

実際のテス友の画面

また、問題を1問解くたびに、直後に解説が確認出来るので、内容を覚えるのにとても役に立ちます。

※基本的にシラバスの表現に準拠した文言で出題や解説がされますが、過去問というわけではありません。実際の試験問題の方が難易度が高く、観点も違います。あくまで、シラバスの内容を覚えるために役に立つ、と捉えておくのが良いと思います。※


また、それまでに自身がテス友で解いた問題の解答の問題数や正答率を分析した表を見る事も出来ます。

過去10回の平均正解率と回答時間
章別の正解率
トータルスコアとベストスコア
※途中で私の履歴が消えたので、映っているスコアは全てではありません


無料de試験

こちらも、Web上でJSTQBの問題が解けるサービスです。Web版とアプリ版があります。
テス友と比べると簡素なのですが、テス友の問題では出てこない部分のシラバスの内容が出てきます。なので、テス友と併用すると、テス友だけでは覚えられない部分の内容をカバーできると思います。ちなみに製作者の方も仰っていますが、アプリ版では、出題数の設定が出来るなど、Web版に比べて高機能です。

無料de試験の問題で合格点をとると、
模擬試験認定書が表示される、という遊び心あり

YouTubeチャンネル:「GTM【プログラミング講座】」のJSTQBの再生リスト

プログラム言語などを解説している方のチャンネルの、JSTQB関連の動画の再生リストです。シラバスの内容の要点をまとめて解説しており、7つの動画の合計約80分でシラバスの内容を一周してみる事が出来ます。
シラバスの内容を覚える際のサポートとして、一度は見ておくと良いと思います。

参考書:徹底攻略 JSTQB Foundation教科書&問題集 シラバス2018対応

JSTQBの勉強時に良く使われているもので青本と呼ばれているものがありますが、それとは別の参考書です。
こちらの方が発売日が新しかったので、こちらの参考書にしました(青本は2019年9月発売、当参考書は2023年8月発売)。あとは、値段的な面もありますが。公認で良く使われている青本が安泰かなとは思っていたのですが、新しい方が、シラバスが出てから時間が経っている分、内容や解説が成熟しているかな、と思い、こちらにしました。(以降、記載の都合上、"紫本"と記載します)
内容としては、シラバスに対応した各章の解説と、各章の章末問題(各10問前後)、巻末に40問の模擬試験問題があります。(章末問題も模擬試験問題も解説付き)
内容としてはとても分かり易く、シラバスだけでは分かり辛かった内容を、かみ砕いた文章や表・図、実際の例などで解説しているため、とても分かり易いです。
「テス友の解説やシラバスを読んでもどうしても理解できない箇所がある」、「もう少しかみ砕いて実務的に理解したい」といった場合に役に立つと思います。

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勉強内容とその時間

勉強期間:約1か月と約1週間(10月中と11月11日~11月19日)
勉強時間:約70時間
※受験日は2023年11月19日(日)

勉強の流れと内容

[最初の一か月](2023年10月)

この頃は他の教材を知らなかったため、テス友とシラバスのみで勉強していました。(参考書は知っていたが、高くて買っていなかった)
テス友
 1章から初めて、20問ずつ解く事を繰り返して、正答率が80%になったら次の章に行く、というやり方を行っていました。一か月間で6章まで進みました。
シラバス
 基本的には、テス友の解説で足りなかった時などの補助で読んだり、気になる内容があった時などに読んでいました。

 →かかった時間 …約42時間

[試験前の最後の1週間](2023年11月11日(土)~2023年11月19日(日))

ここで勉強内容が足りていない事を実感し、他の勉強方法を探します、それで見つかったのが、前述した無料de試験やYouTube動画です。参考書もこの時期から導入しました。また、テス友も続けています。

YouTube動画(GTMチャンネル)
一度、再生リストを一周しました。

 →かかった時間 …約2時間(止めながら見たため)

テス友
基本的に、休みの日は沢山解き、平日は一日10問解いていました。
一週間前の11月11日(土)に、ランダムで40問を実施。
11月12日(日)に、1章~6章までを各20問ずつと、ランダム40問を実施。
11月13日(月)~11月18日(土)の間に、一日ランダム10問を実施。
11月18日(土)にランダムで40問を実施。

 →かかった時間 …約15時間

無料de試験
あまり使っておらず、解いたのはトータルで40問ほどです。
しかし、前述していますが、テス友の問題では出てこない部分のシラバスの内容が出てくるので、テス友でカバー出来ない部分の内容を覚えるのに役に立ちます。テス友は沢山使っていましたが、こちらももう少し使っておけばよかったかな、とは思います。

 →かかった時間 …約2時間

参考書:徹底攻略 JSTQB Foundation教科書&問題集 シラバス2018対応
使い方としては、下記4種類でした。
・各章の章末問題を解きながら、各章の内容や解説を読む。一日一章分進める。
・テス友の問題などでどうしても理解できない箇所や、問題を解いていて気になった個所があった時など、内容を理解したい時に読む。
・単純に気になる(かみ砕いて理解したい)内容があった時に読む
・仕上げとして、巻末の40問の模擬問題を解く
です。

参考書の内容としてはとても分かり易いので、JSTQBの内容を踏み込んでかみ砕いて理解するのに役に立ちます。
JSTQBの学習を始めた時は、テス友の問題を繰り返し解いていれば合格レベルにはなる、と思っていたのですが、実際の試験問題はテス友の問題とは違い、少し踏み込んでかみ砕いて理解して、応用的に対応できる用にしておかないと解けない問題があったため、参考書の内容にも触れておいてよかったと思っています。

 →かかった時間 …約8.5時間


以上の内容を時系列で表すと下記のようになります。

勉強内容と時間の時系列

■反省点

テス友を繰り返し解いていれば合格レベルには達すると思っていたましたが、実際の試験問題はテス友の問題とは違い、文章が複雑で長く表現が際どかったり、実践寄りの問題があったりなど、シラバスの内容を細かいところまで正確に理解&かみ砕いて理解していないと難しい内容でした。
テス友では何度も解いているうちに問題に対する解答を覚えてきて、何となく内容を覚えてきた気になるのですが、実際にはシラバスの内容を細かいところまでかみ砕いて理解出来ている訳ではないので、実際の試験問題を解くときに対応出来ません。

私は参考書を学習の後期で導入しましたが、もう少し早めに導入しておけば良かったかもしれません。

また、無料de試験の問題も、テス友では出てこない部分のシラバスの内容が出てくるため、シラバスの内容を多角的に覚えるためにももう少し早めに取り組んでおくと良かったかもしれません。

何にせよ、暗記だけではなく、ある程度実践的に対応できるよう、シラバスの内容をある程度かみ砕いて理解する&シラバスの内容を書かれている表現そのまま、なるべく細かいところまで覚えておく必要がある、と感じました。ただ、そのために問題を沢山解くのは大事なので、テス友や無料de試験、参考書の問題を繰り返し解くのは大切です。そういえば、参考書に掲載されている問題は一周しかできていません。

反省点をまとめると
・テス友+シラバスだけでは足りない(実際の試験に対応できない)
・実際の試験に対応するために、シラバスに書かれている内容を表現そのままである程度細かいところまで正確に覚える必要がある。
 →そのために、テス友や無料de試験、参考書の問題を繰り返し解くのは大切
・実際の試験では応用的で実践寄りな内容も出てくるため、参考書を導入して、シラバスの内容(およびソフトウェアテストの内容)をある程度かみ砕いて理解しておく必要があると感じた。
 →そのためにテス友だけでなく、参考書や無料de試験を使うのは有効。
・テス友、無料de試験、参考書でそれぞれ出題傾向が違うので、複数の教材を使って、それぞれの内容を補うと良い。
 →無料de試験は、テス友では出てこない部分のシラバスの内容が出てくる。参考書の問題は各章の復習問題として利用できる。
・ただし、テス友、無料de試験、参考書を用いても、実際の試験問題の方が比較的難しい。

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■参考書は必要か

私は必要だと思います
JSTQBの学習方法を調べていると、参考書はなくても合格できる、という旨の内容があったりするのですが、使わないと合格は難しいと思います。

もしかしたら、テス友を繰り返し解いて、9割正答出来るくらいまでのレベルになれば、試験の合格ラインには達するかもしれませんが、実際の試験では、応用的で実践寄りな内容が出てきたりするため、参考書でシラバスの内容をかみ砕いて覚えていると迷わずに解きやすくなるはずです。
(私自身最初はテス友+シラバスで良いと思っていました。それが出来れば金銭的にも時間的にも効率が良かったのですが)

また、テス友をある程度解いた後に参考書に取り組むと、内容について理解していない部分が結構あるのが分かります。
テス友は、何度か解いているうちに、正答率が上がってきて、内容を覚えてきた感覚になりますが、実際はテス友の問題の各問題に対する解答を覚えているだけだったりするので、参考書で理解度を補填しておく必要があります。

逆に、先に参考書を一周してからテス友に取り組むのも良いかもしれません。

そして、参考書には40問の模擬試験問題が付いているのが大きいです。模擬試験問題では、初見の問題を40問、制限時間内で解く形になるので、当日の試験時の良い練習になります。模擬試験問題ではテス友や無料de試験、章末問題とは違う内容の問題(実際の試験問題がベース?)が出てくるので、良い練習になります。
また、(現状の実力で)時間内に解けるか、どのくらいのペースで解けるか、どのくらい時間が余るか、時間が余った時にその時間をどう使うか、などがイメージできるので、試験前に一度はやっておくと必ずプラスになります。

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■申込時の注意点

・アカウント登録時のメールが届かない場合がある。
・直前まで申し込みを保留していると、希望する試験の日時が埋まってしまう恐れがある。
 →CBTは自分の好きなタイミングで受けられるのが利点だが、直前になって申し込もうとすると、希望する日時が埋まってしまう場合がある
 →私の場合、試験一週間前に申し込もうとしたら、希望する時間帯が空いていなかった。何とか30分までの時間帯で予約出来ていたが、場合によっては希望時間が埋まってしまうこともあるため、受験する日時が決まったら、早めに申し込み(試験予約)をしておくと良い。

■試験前の注意点

・前日は早く寝て体調を整える
・本人確認証を忘れずに
・CBT試験がどういった操作になるのかについては、ピアソン VUE CBT試験のデモにようこそ (pearsonvue.com)で実際にデモとして試すことが出来るので、事前に試しておくと良い。
・試験直前にラムネを食べておくと良い(ブドウ糖補給)
・本人確認や顔写真の撮影のため、15分前までには到着する必要がある。
・早く着くと事前の本人確認や顔写真撮影が早く始まるが、その分テストも早く始める事が出来る。本人確認や顔写真撮影が終わった後に、試験開始時刻まで、会場の外で待機しておくことも出来る。

■試験時の注意点

・試験自体の時間は60分。問題数は40問。合格ラインは65%(26問正解で合格)
・選択肢は3~4択。テス友とは違い複数選択になることはなく、選択肢4つの中から一つを選ぶ。

・デシジョンテーブルテストの問題など、実際に表や図を書いて確認しないと分からない問題は、いったん勘で回答して、問題を最後まで時きって時間が余った状態で落ち着いて解くのが良いです。
・試験問題は問題文の文章も選択肢の文章も、テス友の問題と比べて長いものが多い。
・テス友や参考書の内容よりも難しく、実践的で応用的な問題がいくつか出てくる
・簡単そうに見える問題でも、選択肢の表現が際どかったりして回答に悩む("判定条件"と"判定ロジック"など)
・テス友や参考書の場合、選択肢の選び方としては「以下の選択肢の中で最も不適切なもの」を選ぶ形が多いが、実際の試験だと基本的に「最も適切なもの」を選ぶ形になっており、選択肢の表現も際どいので選ぶのが難しい。


■試験結果

結果が到着したら記載して更新します。

2023年11月23日、追記↓
無事、合格していました。
受験日から4日後の11月23日にメールで試験結果のお知らせが届きました。
試験結果はJSTQBを申し込んだ際のサイトに登録されているので、ログインして確認する必要があります。
合格認定証というのが2~3週間後に届くそうです。

無事に合格出来ていて良かったです。

※ちなみに、確認が出来るのは合格したかどうかの結果のみで、点数やどの問題を間違えたのかなどは確認出来ません。

2024年1月5日、追記↓
12月頭に認定証が届きました。

合格した証


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