am6:45

果歩は最悪な目覚めだった。

昨日の彼氏との些細な喧嘩。その際に、頭に血が上り「付き合わなければよかった」と口まかせに言ってしまったことを悔いていた。その言葉を聞いた彼の弱々しい顔が、じゅくじゅくと罪悪感を感じさせていた。そして、そんなことがあったにも関わらず、いつもの時間に目が覚めてしまう、自分に嫌気がさす。

仲直りに運が味方してくれるかも、と見た朝の占いは、

「今日の牡羊座のあなたは第5位。ラッキーアイテムは…」

占いお姉さんがなんとも言えない結果を告げた。

いつも通りの朝食、いつも通りの服装、いつも通りの化粧。でも頭の中ではどうやって謝ろうか考えていた。いつも通りの私を鏡で見た後、靴を履き、いつも通りの時間に出る。

ただ、いつもと違うのは普段持って行かない、白いハンカチをもっていることだ。